保育は子どもたち一人ひとりと向き合うだけではなく、保護者の気持ちにも寄り添う仕事。そして、同僚とも信頼関係を築きながらチームで保育をすることが求められます。そのため人とのコミュニケーションスキルが必須となり、心が疲れてしまう場面もあるでしょう。
保育士たちの心の健康を支えるため、保育園側はどんなサポートをしているのでしょうか?その一例を紹介します。
心理士とのカウンセリング
定期的に臨床心理士やカウンセラーとの面談の場を設け、悩みを相談することができる制度。心理のプロが話を聞くことで、自分でも気づくことができない心の異常に早く気づくことができる良さがあります。
ストレス度チェック
労働安全衛生法により、従業員が50人以上の職場ではストレスチェックが義務付けられています。外部の実施事業者によって行われ、チェックシート等に回答していく形式が用いられます。その結果をもとに、必要に応じて医師のアドバイスを受けることも。保育園側は結果に基づき職場環境を改善する義務があります。
本部スタッフのSOSライン
職場内での悩みは同僚や上司に相談しにくい時もあります。運営法人によっては、本部のスタッフが現場に介入し、職員の心のケアをしているという事例も。
例えば、ロッカールームに「パワハラなど困ったことがあったら本部にSOSの電話をしてください」といったポスターを掲示し、本部の担当者に直接電話で相談できるラインを設けている法人もあります。
褒め言葉メモ
子どもたちの良いところだけではなく、職員一人ひとりの良いところも文章で見える化して伝え合おうと、ある保育園で取り入れられた制度。1ヶ月に1回、園長が1人ひとりの保育士に対して「クリスマス会のピアノ、とても良かったよ」「保護者の〜〜さんへの声掛けは素晴らしかったです」など、褒め言葉を書いたメモを渡しているそうです。また、職員同士でもメモを送り合えるのだとか。心のケアだけでなく、コミュニケーションツールにもなっているそうですよ。
どんなサポートがあるか確認してみよう
今回ご紹介したのは、保育現場で行われているサポートのうちの一例です。運営母体によってさまざまなサポートが行われているため、就職フェアや園見学に行った際にそれとなく確認してみるのも良いかもしれませんね。
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佐藤愛美(さとうめぐみ)
保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。 保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。 |
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