めぐみ先生の保育コラム

遊び食べや偏食にどう向き合う?

2歳頃になると、遊び食べや偏食、小食、むら食べなど食事の困りごとが増えてきます。そうなると保護者の悩みも尽きません。保育現場ではどのように向き合い、対応したら良いでしょうか。

 

偏食をする子には?

2歳を過ぎて第一次反抗期を迎えると同時に、食卓でも「食べない!」と「自分でやりたかった」といった声が聞こえるようになります。そこで大人が怒って食べさせようとしたり、無理矢理口に食べ物を入れようとすると、子どもにとって食事が苦痛な時間になってしまいます。一方、「どうせ食べないから食べたいものだけ食べさせよう」と大人が諦めてしまうと偏食が始まってしまいます。

この年齢の子どもたちは大人の喋っている言葉も理解できるようになってくるので、子どもたちの前で「野菜は嫌いだよね」とか「どうせ食べないのにね」と言うのは禁物。子どもの意欲を削いでしまいます。こういった配慮は保育現場では当たり前ですが、家庭ではつい口にしてしまう保護者もいるかもしれないので、連絡帳やおたよりを使って意識を合わせていきたいですね。

「魚を食べると骨が丈夫になるし、背も高くなるんだよ」といったようにプラスの声かけを繰り返し、子どもたちの意欲を刺激する工夫を続けていくことが大切です。また、普段の給食では偏食をしている子が行事食になると食べるといったケースもあります。食事の形状や提供の仕方も関係しているのでしょう。

 

むら食べや遊び食べをする子には?

日によって食べたり食べなかったりする「むら食べ」や、食べながら食材や食器で遊ぼうとする「遊び食べ」も2歳前後の特徴です。こちらも偏食の子と同様、無理に食べさせたり強く叱りつけることは禁物です。食べない日だけでなくしっかりと食べる日もあるのならば、長期的にその子の食事の様子を見てみましょう。

今日の給食は全然食べなかったけど、2週間トータルで見てみると、意外とバランス良く食べてるかも……なんて気づくことも。その時の姿だけに着目すると、できないことばかりに目がいってしまうので、細やかに記録をつけて1週間、10日間、1ヶ月間のようにまとまった期間でその子の様子を観察していきましょう。そして、自分だけでなく他の職員や保護者とも情報を共有し、一貫した方針で見守ることが大切です。

 

楽しい雰囲気が何よりも大切

食事が好きな気持ちを育てるためには、こだわりの料理を作ることよりも、大人も一緒に食事を囲み楽しい雰囲気を作ることが必要といわれています。また食べたい、もっと色々なものを食べてみたいと思えるような言葉掛けを行い、食への興味が広がる保育を考えてみましょう。

 

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佐藤愛美(さとうめぐみ)

保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。

保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。

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