めぐみ先生の保育コラム

子どものケガや病気。保護者にどう伝える?

保育中に子どもの体調に変化があったりケガが発生した場合は、慌てず冷静に対応し、保護者にも正しく状況を説明をすることが大切です。

対応の仕方や心掛けについて、ケガの場合と病気の場合に分けてポイントをお伝えします。

 

ケガの場合

ちょっとした擦り傷や引っかき傷であっても、保育中に発生したケガは園の責任と捉え、誠実に対応しましょう。特に出血が多かったり皮膚が変色したり、部位が頭部の場合は園長にも報告を。すぐに病院に連れていったほうが良い場合もあるので、一人で判断をしないようにしましょう。

保護者に電話で連絡をする時は「いつ・どこで・なぜ」発生したケガだったのかを正しく説明し、「その後の対応」や「子どもの様子」についても丁寧に知らせます。

 

電話をするほどのケガではなかった場合も、お迎えの際に同様の説明をしましょう。「大したことはなさそうです」や「きっと大丈夫ですよ」といったように、ケガを軽視する発言は禁物。

「血は出ていないのですが、皮が剥けてしまったので痛かったと思います。流水で洗った後、絆創膏を貼って手当しました。お風呂の時に滲みる可能性があるので、おうちでもお大事にしてください」等、事実を客観的に伝えると同時に、子どもの心に寄り添う言葉掛けを考えましょう。

 

病気の場合

子どもの体調に変化があり保護者に電話をする場合、「いつから・どのように・現在の様子」を分かりやすく伝えます。「熱が38度あるので迎えに来てくれますか」だけでは、子どもの具体的な様子が分からず保護者は不安になってしまうからです。

 

「朝は元気におやつを食べていたのですが、外遊びの時から顔色が悪くなり、11時頃に検温したら38度でした。現在は事務室にお布団を敷いて休んでいます。眠っていますが、呼吸は落ち着いています」といったように、具体的な経過と様子を伝えるようにしましょう。

 

また、病気について「たぶんインフルエンザだと思います」といったように、断言するような言い方は避けるべきです。病院を受診することを勧め、医師の診断を待ちましょう。

 

翌日以降のフォロー&ケアも大切

ケガや病気が起こった翌日もアフターフォローとケアをお忘れなく。

「昨日はおうちでどんな様子でしたか?」と一言声を掛け、子どもの様子を知っておくことでその日の保育でどんなことに注意すべきか考えることができます。

また、保育者が気にかけることで保護者も「ちゃんと考えてくれている」と安心感を持つことができるはずです。ケガや病気は「治ったら終わり」ではなくその後の経過や心の状態までしっかり見ていくことが大切です。

 

佐藤愛美(さとうめぐみ)

保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。

保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。

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