3〜4歳頃になると、子どもたちは文字に興味を持ち始めます。繰り返し読んでいる本に書かれているひらがなを指で辿って発音してみたり、紙に文字を書いて遊ぶ姿が見られます。そんな子どもたちに対して保育者はどのようにアプローチしたら良いでしょうか。
「あれは何て読むの?」の質問に答えよう
子どもたちの身の回りには文字が溢れています。絵本や掲示物、お散歩の途中で見た看板などを指差して「先生、あれはなんていう字?なんて読むの?」と聞かれることもあるかもしれませんね。そんな時はぜひ読み方を伝えましょう。
ただし、「教えすぎ」が子どもの興味関心を削いでしまうこともあります。色々な文字や数字を覚えてほしいという気持ちを先走らせず、子どものペースを大切にしていきましょう。
好きなように文字を書くことを楽しもう
保育の中に幼児用の知育ドリル等を取り入れる園もあるかもしれませんが、公園の地面に足で大きく文字を書いたり、絵の中に自分の好きな文字だけたくさん書いたりして「あそぶ」経験も大切です。子どもたちが楽しく文字を書く姿を見守ると同時に、保育者もぜひ一緒になってあそびを楽しんでみましょう。
言い間違いや逆さま言葉も成長の一歩
子どもたちが文字に興味を持ち始めると、つい正しい発音や書き方を教えたくなってしまうかもしれませんが、実は言い間違いや逆さまも成長の一歩なんです。文字に興味を持ち始めた頃は、「ら・い・お・ん」のように単語を音節に分解して覚えていきます。(音節分解)
そのため、一文字だけ違う文字を当てはめてみたり、「ん・お・い・ら」とわざと逆さま言葉にしてみたりと、子どもたちは文字で遊びながら次第に正しい言葉を覚えていくのです。
「それは間違いだよ、正しくはライオンでしょ」と伝えるよりも、保育者が言葉の面白さを子どもと一緒に味わうことでさらに興味が広がっていくかもしれません。
佐藤愛美(さとうめぐみ)
保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。 保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。 |