自主保育とは、就学前の子どもたちを自然の中で遊ばせたい保護者同士が集まり、交代で見守りながら子育てをしていく取り組みのことです。
保護者の思いから生まれた、幼稚園や保育園の取り組みとは少し異なる保育の形とも言えます。
自主保育の特徴
自主保育とは未就学児を対象とした保護者主導の保育の取り組み。基本的に外遊びがメインで、実施する場所は毎回変わります。地域の公園や河川敷、海、森といった自然の中や、時には誰かの家に集まってさまざまな活動を行っています。
保育園や幼稚園には園長や主任、保育士が在籍していますが自主保育の場合は保護者が運営するためそういった役職はありません。(団体によってはリーダーや係などを設けている場合もあります)
自主保育に集まった保護者の一人ひとりが責任者となり、みんなでみんなの子どもを見守ることが基本的なルールとなっているのです。
フルタイムで働いている保護者が自主保育を利用することは難しいかもしれませんが、幼児期はできるだけ我が子と一緒に過ごしたい、地域ぐるみで子育てをしたいと考える保護者には適した保育の形です。
地域ごと、グループごとに異なる保育の形
周辺環境を活かして遊ぶ自主保育は、地域やグループによってそのカラーも異なります。たとえば、海岸が近くにある地域では海遊びを盛んに行なったり、歴史的建造物が多い地域ではみんなで歴史探索に出掛けることも。食育の一環で農作業を体験したり、子どもたちと一緒に昼食を作っているグループもあるようです。
さまざまな親や異年齢の子どもたちと関わる経験は、子どもたちにとってだけでなく、保護者にとっても財産となります。地域の人々との関わりが少なくなってきている現代だからこそ、自主保育に参加してみんなで子育てをしたいと考える保護者は増えているようです。
色々な保育の形、保護者の選択肢があることを知ろう
「保育」や「教育」は保育園や幼稚園だけで展開されるものではありません。今回ご紹介した自主保育の取り組み以外にも、自治体やNPO法人等が主催している子育てひろばやファミリーサポートセンター(通称ファミサポ)の地域の預けあいの仕組みなど、多様な保育の取り組みが存在します。
家庭の事情や保護者の思い、そして子どもの姿に合わせ、柔軟に子育てのスタイルを選んでいけるように、保育のプロである保育者が幅広く提案していけたらいいですね。
佐藤愛美(さとうめぐみ)
保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。 保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。 |