めぐみ先生の保育コラム

離婚家族、再婚家族の援助の留意点

家族には色々な形があり、その形が変化することもあります。離婚や再婚によって家族の形に変化があった場合、子どもの心にも少なからず影響があるはずです。保育者として、そういった子どもと家族をどのように援助していくべきでしょうか。

 

離婚家族の援助

離婚にはさまざまな理由があり、子どものは十分な説明がなされないまま離婚にいたるケースもあります。時には「自分のせいで両親は離婚したのかもしれない」と思い込んでしまう子もいます。

保育者は子どもの些細な変化にも気を配り、お迎えの時に保護者に伝えるようにしましょう。爪噛みやおもらし、赤ちゃん返り、チックなども何らかのストレスのサインかもしれません。

 

また、自治体が行なっているひとり親家庭向けのサービスや、必要に応じてカウンセラーを紹介することも視野に入れましょう。緊急時の応対についても事前に打ち合わせておくことが大切です。

 

再婚家族の援助

再婚した家族のことを「ステップファミリー」と呼びます。お母さんとお父さんそれぞれに子どもがいるケース、どちらかだけに子どもがいるケースなど様々な形があります。家族のメンバーが変わるということは、子どもにとっても大きな変化に違いありません。

 

子どもたちは親から注がれる愛情の差を敏感に察知したり、別れた親と比較して戸惑うこともあるかもしれません。

そんな時に保育者は子どもの気持ちに耳を傾け、丁寧に寄り添うことが大切です。新しい親や兄弟のことを否定的に話す子もいるかもしれませんが、私たちは否定も肯定もせず、まずは今の気持ちに寄り添うことを優先しましょう。

 

園全体で気をつけること

 

 

・守秘義務を守る

仕事で知った家族の内情を職員以外の人に知られないよう十分に注意しましょう。

 

・子どもの気持ちを否定しない

寂しさや不安、不信感などマイナスな気持ちを否定せずにありのまま受け止めます。

 

・一貫した対応をする

職員によって対応が変わると、子どもや保護者が混乱してしまいます。

 

家族に対して先入観を持たず、視野を広げる

私たち保育者が「家族はこうあるべき」という先入観を持っていると、無意識のうちに子どもにもその価値観を押し付けてしまったり、柔軟な援助ができなくなってしまいます。いろいろな形の家族があることを知り、個々に合った援助を考えていきたいですね。

 

佐藤愛美(さとうめぐみ)

保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。

保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。

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