子どもの躾は難しいものです。
その子の将来のために、覚えてほしいルールやマナーなどは沢山あります。しかし、小さな子どもには理解できない事や実践できない事ばかりです。
大人になっても出来ないことや、わかっていてもついやってしまう事があるのですから、子どもが大人の思う通りには出来ないのも当たり前です。ある程度は気長に根気よく教えていかなければならないという気持ちが必要です。
とはいえ、生活のマナーや保育園など集団の場で必要なルールは覚えていく必要があります。
特に命に関わるような危険なことに関しては、子どもにもしっかり理解してもらわなければいけません。
ルールや約束を理解してもらうために「叱る」という場面も当然出てきます。ただ、その叱り方にお悩みの保育士の方も多いのではないでしょうか。
「叱る」という行為は、叱る側も叱られる側も辛いものです。叱りながらも感情的になってしまったことを後悔することや、子どもにちゃんと伝わっているか不安になることもあるはずです。
叱るときに大切なのが「子どもに納得させる」ということです。
ルールや約束を守れなかった事やそれが危険につながる事、又はお友達を悲しませてしまったことなど、子ども自身それが良くないことだと気付いていないこともあるので、なぜ叱られるのか理解させることが必要です。
一度でルールや相手の気持ちを全て理解することは難しいですが、繰り返し失敗しながら経験を積むことで、だんだん理解するようになってきます。
叱るという行為は自分(保育士)の感情を発散させるものではなく、子どもたちにルールを理解させ、相手の気持ちを察する力を育てていくものと理解しましょう。そうすれば、あまり感情的にならなくなります。
しかし、お友達との喧嘩で手が出てしまったときや、交通ルールを守らないときなど、とっさの事故や危険を防止するには大声で叱ることも必要です。一瞬で子どもの意識をこちらに向けることができますし、いつもと違う様子に「これはいけない事なのだ」と意識させることができます。
最後に、叱った後のフォローも大切です。怒られた嫌な気持ちを引きずってしまわないように、話の理解が出来たことや、謝れたことなどを褒めてあげましょう。
大人の言い分だけでは、子どもも受け入れることができません。子どもの言い分も聞き入れ、子どもの気持ちを尊重することが、保育士と子どもとの信頼関係を築いていくことにもなります。