子どもが複数人集まると、どうしてもけんかに発展してしまう事があります。
小さいうちは玩具の取り合いが多いでしょうか。まずは自分の要求や欲求を通したいというところから始まるけんかです。
少し大きくなると「○○ちゃんが先生の言うことを聞いてないから」「○○くんが△△ちゃんのことを叩いたから」など周囲との関係の中で自分の意見や正義を通してけんかになることもあります。
玩具で遊びたいという関心・興味・意欲は大切なものですし、正しいと思うことを主張することも立派なことです。
どちらも、それぞれの想いに間違いはありません。こうした気持ちを大切に育みながら、相手を尊重し譲りあえることがけんかの防止に繋がります。
ですが、小さい子に尊重や譲り合いと言っても分かりません。こういった気持ちは成長の中で学んで行くもので、けんかすることも色々な気持ちを学ぶ勉強の一つなのです。
まず「言い合い」が始まったら、保育士は子どもたちを見守りましょう。
子ども同士での解決が難しそうな時は様子をみて助言をしてあげます。どうしたらいいかな?と一緒に考えてみたり、こうしてみようか!と代替案をだしてみたり、その時に応じた声がけをして、そこから子どもたちが一歩進んで考えられるよう手助けをしてあげましょう。
その場では上手く仲直り出来ないこともありますが、それも経験のひとつなので次は頑張ろうね。とフォローする事も大切です。
大きくなるにつれて色々な感情や思いが出てきますので、けんかをした後にモヤモヤした気持ちが残るようになってきます。けんかすること自体は悪いことではありませんが、心の傷になってしまってはよくありませんので、けんかの後のフォローも大切にしましょう。
また、けんかでのケガには十分に注意しなければなりません。
取っ組み合いのようなけんかも痛みや加減を知るという意味では必要ですが、大きなケガに繋がる危険もあるので、手が出たときは直に止めに入りましょう。
興奮状態にある場合は、いち早く二人を引き離し、落ち着かせ、その後で原因や理由を聞き、解決の糸口を見つけていきます。もしケガをしてしまったら、保護者への経過報告も必ずしてください。ケガをしてしまった子、させてしまった子、両者の保護者、それぞれに悲しみや怒りがあると思いますが、それをフォローするのも保育士と園の役割なのです。