めぐみ先生の保育コラム

保育者のアンガーマネジメント

アンガーマネジメントとは、自分自身の怒りを上手くコントロールする手法のこと。アメリカ発祥の心理トレーニングです。アメリカでは子ども時代からアンガーマネジメントを教育に取り入れている学校もあるようです。

 

仕事中についカッとなってしまうことはありませんか?自分の怒りと上手に向き合えるようになると、モヤモヤやイライラを緩和することができます。

 

アンガーマネジメントとは

アンガーマネジメントとは、怒りを抑制することではありません。自分の中に生まれた怒りを認め、ネガティブな感情と上手に付き合っていくことを指します。怒りの感情は「悪」と捉えがちですが、否定的に捉えて抑え込むことで不完全燃焼を起こしてしまい、さらなる情緒不安定になってしまう場合もあります。

まずは、自分がどんなことに怒っているか、その怒りはどんな性質か(持続性は?攻撃性は?など)を見つめてみましょう。そして、怒りの背景にあるものを探ってみましょう。多くの場合「寂しさ」や「恥ずかしさ」「劣等感」「苦しみ」といった一次感情が隠れています。根本的な原因を見つけることにより、怒りが和らいだり、感情を素直に表出できるようになると言われています。

 

保育者がアンガーマネジメントを身につけるメリット

 

怒りを抱えたまま仕事をしていると、自分だけでなく周囲の人にもストレスを与えてしまうことになり、職場の環境が悪化します。また、保育者にとって同僚との丁寧なコミュニケーションは必要不可欠。スムーズな対話を行うためにも人間関係は良好に保ちたいものです。

アンガーマネジメントを身につけることで感情をぶつけるだけのコミュニケーションが減り、人間関係を良好に保つことができるでしょう。

また、自分の怒りだけでなく子どもや同僚、保護者の怒りにも冷静に向き合うことができるようになります。

 

保護者や同僚に対して怒りを感じた時は……

保育中に怒りを感じた時には、以下のポイントをヒントにしてみてください。

  • いったんその場を離れてクールダウン
  • 自分の怒りを点数化する(100点満点中70点 といったように)
  • 言葉を発する前に、深呼吸
  • 日記に書いて文章化。自分の怒りを客観視する

また、相手に怒りをぶつけられた時には、その感情は自分のものではなく相手のものであると切り離し、巻き込まれないように意識します。そして、その人の怒りの裏側に隠れている感情は何かを探り、丁寧に話を聞くなどして寄り添っていきましょう。

 

佐藤愛美(さとうめぐみ)

保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。

保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。

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