今回取材をしてきたのは、絵本や児童文学などを専門に取り扱う書店「ちえの木の実」。
その恵比寿店を訪問して、誕生した経緯や絵本に対する思いなどを伺ってきました。
子どものためのセレクト・ブックショップ「ちえの木の実」が誕生した経緯をお聞かせください
絵本も児童文学も、常に新しいものが出版されています。
その一方で、ロングセラーといわれる長く親しまれている作品もたくさんあります。
長く読み継がれているということは、子ども時代に、それを楽しんだ人が大人になり、自分の子どもへ、友人へ…など、誰かに手渡したりしながら、ずっと心に留めてきた作品だからではないでしょうか。
そんな風に、多くの人の心を揺さぶり、その心深く響いた作品だからこそ、今なお出版が続いている。それほどの作品を今を生きる子どもたちにも出会わせてあげたい。
色あせることなく、多くの人に笑顔や感動を与え、心の糧となってきた作品と読み手の橋渡しをしたい。
その想いを根幹に、ちえの木の実は生まれました。
最新刊の場合、選書コンセプトをもとに、どのようなプロセスを経て、ちえの木の実の店頭に並ぶことになるのでしょうか?
新刊を知るきっかけは様々あります。
テレビや新聞といった、多方面で出会うパブリシティ。出版社からご紹介いただくことも多くあります。
中には、以前出版されていて、長く流通がなかったものが、少部数復刊されて発売となる貴重な機会もあり、児童書を専門に扱う場所だからこそ、ご紹介をいただける機会もあります。
大規模書店ではありませんので、すべての新刊が送られてくるわけではありませんが、「これからロングセラーになってほしいもの」「お客様に、ぜひ出会っていただきたい作品」にしぼって手配をします。この作家さんの作品ならば!この出版社さんが推すものならば!と信頼をおいているものもあり、いずれもスタッフの目と心で選んでいます。
恵比寿店にはどのような客層のお客さんがいらっしゃっていますか?
もっとも多くご来店いただいているのは、小学生以下のお子様連れの親御さんです。
ふだんは親子でご来店の方も、時には、ご家族皆様でお越しくださることもあり、お孫さんと楽しく会話するご年配の方を見ていると、幸せな気持ちがたっぷり伝わってきます。
また、年齢層幅広く、大人の方のみでのご来店も多くいただいています。
遠く離れて住むお孫さんや姪御さんに贈りものを選ぶ方、大人から大人への贈りものにと、絵本や児童書を探しにお見えの方、出張中のサラリーマンの方、そして、小さい頃によく来てくれていた子が中学生や高校生になっても時々来てくれることもあり、心からの喜びをじんわりかみしめていることもしばしば。
どのお客様も、ほんとうに笑顔がステキです。
ちえの木の実での人気の絵本には他の書店とは違う、何か特徴や傾向はありますか?
出版されたのが、随分前のものだとしても、すばらしい作品は決して色あせることなく、現代の私たち大人にも、子どもにも、すばらしい作品としてその姿を見せてくれます。そして、その作品に出合うとき、いつだって読者にとってその本は、常に新しいもの。
ちえの木の実では、ロングセラーであり続ける作品を中心に、品ぞろえをご用意しています。
キャラクターが際立つ、アニメ絵本などは大型書店さんにお任せし、物語の余白がたっぷりとあり、読み手それぞれに響いていくもの。そういった作品をたいせつに取り入れています。
「ちいさなへやのおはなし会」など様々なイベントを実施されてますが、その中でも人気のイベントはどのイベントでしょうか?
現在行っているイベントは、定期的なものは『ちいさなへやのおはなし会』『羊毛ワークショップ』『よるほんや』『ままほんや』があります。
『ちいさなへやのおはなし会』は、毎月1回、どこかの土曜日に行っています。
2階の一部分にテント風の空間を作り、その中にお子様のみお入りいただく、1回30分間程度の会を、年齢層を分けて、1日4回行います。
現在、3歳から12歳くらいまでのお子様がご参加くださっています。
ご参加は無料で、お申し込みは、店頭またはお電話で受け付けしております。
『羊毛ワークショップ』は、奇数月のどこかの金曜日に、大人の方を対象に行っています。
羊毛を使った手作りが初めての方でも、講師の方が、とても丁寧に教えてくださいますので、ご安心ください。
和気あいあいとした雰囲気の中、お楽しみいただけると思います。
毎回テーマは異なり、飾るものや身につけるもの、実用的なものなどありますので、どうぞお楽しみに!
お申込みは、お電話や店頭で承ります。
『よるほんや』は、奇数月のどこかの金曜日の閉店後に行っている2時間ほどの大人向けのイベントです。
ゆったりとリラックスしながら、ご用意した飲み物やちょっとしたものを召し上がっていただきながら、本と空間と時間をお楽しみいただくイベントです。
以前の様子を含めて、Facebookで詳細をご覧いただくことができる他、お申込みもリンク先から承っています。
『ままほんや』は、偶数月のどこかの金曜日のお昼前後に行っているイベントです。
よるほんやの日中版で、小さなお子様を持つお母様方にもゆっくりと本と親しみ楽しむ時間を過ごしていただけたら、という思いで始めました。こちらも、以前の様子をFacebookにてご覧いただくことやお申し込みが可能です。
また、不定期で特別開催をしているものですと、著名な作家さんをお招きしてのワークショップ、親子でもご参加いただくことのできるワークショップなど、様々なものがありますが、もっともご好評いただいておりますイベントは、クリスマスイベントです。
これは、12月初旬からクリスマスまでの約1カ月の間、店内に設置する大きなクリスマスツリーにたくさんのプレゼントをご用意し、お買いものをしてくださった方に、お好きなものを選んでいただき、それを差し上げるという毎年恒例のイベントです。
1階の店舗部分だけではなく、登録制の2階サロンを設けることとなった理由は?
1階はどなたでもご入店いただくことができますが、時間をかけてじっくり本選びをしたいという方にとっては、人の出入りも多く、腰をかけていただき、じっくり本を選ぶというには少々不向きかもしれませんが、2階であれば、テーブルや椅子のある静かな空間で、ゆっくりとお選びいただくことができます。
また、サロンの鍵つきの扉は、大人の方しか開けることはできませんので、室内に小さなお子様がいらっしゃっても、勝手にお部屋を出ていくご心配なくお過ごしいただくことができる他、同じ時間に同室になる方がいらっしゃっても、必ず会員登録をされた方なので、安心感をもってお過ごしいただくことができます。
見た目だけでなく、内容にしっかり触れた上で、本選びをしたいという方は結構お見えになります。
そういったお客様には、ぜひ2階の会員登録をおススメいたします。
会員登録は、店頭でスタッフにお声掛けをいただければ、いつでも簡単にご登録いただくことができます。
規約をご確認いただき、ご住所などを登録いただき、本選びの時間をお過ごしいただくことが可能です。
ご登録もご利用も無料ですが、イベント開催日や、営業時間外にはご利用いただくことはできません。
詳しくはスタッフへお尋ねください。
なお、おはなし会や、手作りのワークショップ、本を楽しむ夜のイベント…など、1階とは異なる空間があると、様々なイベントを開催するときにも、実施しやすい環境づくりができており、今後も少しずつ様々なイベントを増やしていけたらと思っております。
恵比寿以外にも「ちえの木の実」の店舗はございますか?
恵比寿以外には、福岡と鹿児島にあります。
それぞれの店舗によって、特色もありますので、お近くへお越しの際はぜひお立ち寄りください
・ちえの木の実 恵比寿
東京都渋谷区恵比寿西2-3-14 1F
・ちえの木の実 福岡店
福岡県福岡市中央区薬院3-16-31 N II ビル1F
・ちえの木の実 鹿児島店
鹿児島県鹿児島市武1-4-8 Kビル1F
≪ホームページ≫ http://www.chienokinomi-books.jp/
≪Facebookページ≫ https://www.facebook.com/chienokinomi.harvest/