手遊びやわらべ歌、工作のアイデア、運動会の踊り、水遊び、遠足のレクリエーション……etc
保育士は常に、
「子どもたちをどうやって楽しませようか?」
「クラスの子が盛り上がる遊びはなにかな?」
と遊びのヒント探しに忙しいはず。
特に新人時代は遊びの引き出しが少ないため、ネタ探しにいつも奔走していた記憶があります。先輩のワザを真似してみたり、インターネットの動画サイトで新しい手遊びを探したり。とにかく自分ができそうな遊びを覚え、実践することの繰り返しでした。
多くの保育士たちは、引き出しを増やすために保育書や保育士向けの雑誌を活用していると思います。ここでは、保育書を活用する時のヒントについてお伝えします。
保育書を活用すると直面する悩み
本屋さんに行くと、たくさんの保育雑誌や保育士向けのアイデア書籍が目に止まります。保育雑誌は季節感のある歌や遊び、工作のアイデアが紹介されているため実用性が高く、定期購読をしている保育園もあると思います。
しかし、保育書を使っていると、こんな悩みにぶつかることも……
・実際にやってみたら、子どもたちの反応が悪く飽きてしまった
・よく考えたら、出し物のアイデアが昨年とほぼ同じ
・保育書に書かれている外遊びを行ったら、子どもが怪我をしてしまった
・保育書の内容をヒントにペープサートを演じてみたが、内容を理解してもらえなかった
保育書の内容通りにやったのに、「あれ?」と思うことはありませんか?私はこれまでに、何度も反省した経験があります。
本で紹介されている内容を自分流にアレンジしよう
保育書で紹介されている遊びを保育の活動の中で実践する場合は、書かれている内容をそのままやらないということが大切です。
たとえば「3歳児向け」と紹介されている遊びを実際に3歳児クラスで実践しても、ルールが難しくて遊びが成立しなかったり、子どもたちが途中で飽きてしまったりする場合があります。
その遊びがクラスの子どもたちに合っているかを見極めるためには、子どもたちの姿を日頃からよく見て理解しておくことが大切です。そして、行おうとしている遊びが環境とマッチしているか十分に判断する必要があります。
・子どもたちの今のブームは?
・これまでどんな遊びをすることが多かったか
・どんな遊びをしている時が楽しそうか
・子どもたちにどんな経験をしてもらいたいか(どんなところを伸ばしたいか)
・その遊びを行うために環境は適切か(広さ、天候、物の配置等)
本で紹介されている遊びのヒントを、目の前にいる子どもたちの姿や保育環境に合わせて作り変えていくこと。
例えば、子どもたちの集中力に合わせて短時間で行える内容にしてみたり。ルール設定を簡単にしてみたり。ペープサートの登場人物を、子どもたちの関心に合わせて変えてみたり。
これは、何歳児の担任であっても必要なスキルではないでしょうか。
そして、もう一つ大切なことは遊びを「自分流」にアレンジすること。
保育士自身が「楽しい」「やりやすい」「もっと広げられそう」と感じる遊びに変化させていくことで、本で紹介されている内容であったとしても〈自分だけの保育の引き出し〉になるのです。
実践→反省→実践を繰り返すこと
どんなにベテランの保育士であっても、完璧な保育をすることはできないという話を聞いたことがあります。遊びを実践した後には、必ず「振り返り」を行い次の保育に活かす必要があります。
子どもたちの反応や安全性、時間配分、自分自身の動きなど、1つ1つを丁寧に振り返り、遊びの引き出しを増やすと同時に、保育の質を磨いていきましょう。
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佐藤愛美(さとうめぐみ)
保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。 保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。 |
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