子どもは大人よりも皮膚が薄く、外部からの刺激にも弱いため配慮が必要です。特に乳児期の子どもたちは皮膚のトラブルを起こしやすいので、こまめに体の様子を見て適切なケアをしてあげましょう。
「スキンケア」と聞くと、家庭で行うもののように思いがちですが、保育士が配慮すべきポイントもたくさんあるのです。今回は、子どものスキンケアについてお話します。
手の洗いすぎは禁物
冬になると、手がカサカサしたり赤切れになってしまっている子どもたちがいます。冬は皮膚が乾燥しやすい季節です。実は、肌の乾燥を招く原因のひとつに手の洗いすぎがあることをご存知でしょうか。
保育園にいると、何回も手を洗う場面があります。おやつを食べる前、トイレの後、外遊びの後など、感染症の流行を防ぐためにもそれは大切なことです。
しかし、何度も手を洗っているうちに、必要な油分まで洗い流してしまい、その結果、皮膚がカサカサしたり血が滲んでしまうのです。
子どもの手洗いをする時は、以下のことに注意しましょう。
⒈石鹸は泡立ててから使う。
⒉ゴシゴシと強くこすらない。石鹸の泡で撫でるようにする。
⒊手を洗った後は、タオルで皮膚をこすらず包むようにして水分をふき取る。
忙しいと、つい「ゴシゴシ洗い」をしてしまいますが、繰り返すうちに肌はダメージを受けていきます。子どもたち自身が加減をして手洗いをするのは難しいので、適宜、保育士が援助するようにしましょう。泡タイプのハンドソープを取り入れることも良い方法です。
保育士が保湿剤を扱う場合
保護者から保湿剤のクリームや塗り薬を預かった場合、以下のようなことに注意しましょう。
・保湿剤を預かることについて、園の方針を確認、職員全体で共通意識を持つ。
・医師から処方された薬である場合、看護師に援助を頼む、もしくは相談の上で使用することも必要。
・保管場所は子どもの手の届かないところに決め、誤飲事故のリスクを減らす。種類によっては冷蔵保存が必要なものもあるので、保護者に確認する。
また、保湿剤を塗ってあげる時は、清潔な手で優しく塗るようにします。爪を立てず、手のひら全体でマッサージをするように塗るのがコツです。特に小さな赤ちゃんたちにとって、保湿をする時間も大切なスキンシップのひとつです。単純に薬を塗布するという考えではなく、子どもの心地よさを大切にしながら行うと良いでしょう。
保育士自身のスキンケアも忘れずに
水仕事の多い保育士は、手がボロボロになってしまうことも多いと思います。ちょっとした衣服の汚れを水洗いしたり、保育用具の清掃で消毒液を扱ったり、とにかく1日中手を洗っている日もあり、気づけば血が滲んでいるなんてことも……。
エプロンのポケットの中に小さなハンドクリームを入れておき、お手洗いの後には意識して保湿をすることもおすすめです。子どもたちのケアに夢中になってしまうと、つい自分のケアを怠ってしまいますよね。自分を大切にする気持ちも忘れず、保育を行いましょう。
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佐藤愛美(さとうめぐみ)
保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。 保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。 |
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