保育園の入園を検討している保護者が見学で園を訪れることがあります。保育士はどのように対応したら良いでしょうか。ポイントをまとめました。
保護者の不安や疑問に寄り添う
入園前の見学者は、保育園を訪れるのがまったく初めてという方ばかり。「子どもを預けても大丈夫だろうか」と悩みながら園見学をする保護者もいます。そういった保護者の気持ちを汲み取り、丁寧な対応を心掛けるのが大切です。案内する職員以外も笑顔で挨拶や声掛けをしたり、一緒に来たお子さんに話し掛けたり、できるだけ肩の力を抜いてもらえるように働きかけてみましょう。
質問に答えられるように事前に準備しておく
保護者が聞きたいことをあらかじめ予測し、スムーズに回答できるように準備しておきましょう。「保育理念」「準備物」「行事」についてや「おむつは保護者が持ち帰るの?」「慣らし保育中の希望は通る?」など細かい質問・疑問まで、子どもの月齢によっても聞きたいことはさまざまです。よくある質問に関しては、資料にまとめて当日に渡せるようにしておくのもおすすめです。
できるだけ日中の保育の様子を見てもらう
できれば保護者には日中の保育の様子を見てもらいましょう。子どもたちの様子や、園の保育方針、保育者の対応をよく見ることができるためです。
午睡の時間に案内する場合は、日中の活動の様子を詳しく説明したり映像で紹介したりすると、普段の様子を分かりやすく伝えることができます。
妊娠中や子連れの方への配慮
園を訪れる方は、妊娠中の方や子連れの方がほとんどです。負担が大きい中での長時間の見学は大変。電話で約束をした際に「30分程度で見学は終わります」など、スケジュールを伝えましょう。見学者の荷物の置き場所を確保したり、一緒に来たお子さんが説明中に飽きないように環境を工夫するなど配慮しておくと良いでしょう。
保育園側の思いを押し付けない
保護者は複数の園を見学して、色々な保育を比較しながら園選びをしています。他園の評価を下げるようなことを言ったり、自分が働いている園の保育理念を押し付けるような対応はよくありません。また、現状では希望する園に必ず入園できるとは限りません。そういった事情も理解し、たとえ入園しなくても園探しを全体的にサポートするような気持ちで接することができたらいいですね。「保活は大変かと思いますが、素敵な園に出会えるといいですね。応援しています」など一声を掛けるだけでも、保護者はホッとするのではないでしょうか。
佐藤愛美(さとうめぐみ)
保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。 保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。 |