好き嫌いが激しかったり小食だったり「この子にはもっと食べてほしいのに……」と悩んでしまう場面もあると思います。
「味が嫌い」や「食事より遊びたい」など、子どもが食べない理由はさまざまです。原因を決めつけず、食べない背景にあるもの探っていきましょう。
子どもが食べない理由と対応を考えよう
・身体的機能が未発達である
食べられる量には個人差があります。大人より消化する力が未熟な子どもは、一度にたくさんの量を食べることができません。また、噛む力や飲み込む力もまだ未発達です。食事の量がその子に合ったものであるか見直してみましょう。
・食べにくい形や大きさをしている
食欲はあるのに、形や大きさが適切ではないため咀嚼や飲み込みがうまくいかない可能性もあります。特に離乳食や幼児食に移行したばかりの時期は食べ物の形状を注意して確認しましょう。
・食べる時の環境が適切でない
食事に集中できる環境を作ることも大切です。玩具などが目に入りやすい環境だと、つい遊びたい気持ちが大きくなり、食事の途中で出歩いてしまう子もいるかもしれません。また、楽しい雰囲気の中で他の人が食事をしている姿を見せることで、食べる意欲が育ちます。
・食事に苦手意識がある
食べることに苦手意識を持っている子もいます。「もっとたくさん食べようね」という声掛けがプレッシャーになり、食べることが余計に辛くなってしまう可能性もあります。クラスでクッキングをしたり行事食のメニューを目で見て楽しんだり、「食べること」以外でも食事を楽しむ方法はあります。その子が食事を好きになるきっかけを探してみましょう。
・おなかがすいていない
生活リズムを整え、しっかりと体を動かす時間を取り入れることで自然におなかがすいてきます。食べる時、遊ぶ時のメリハリのある1日の流れを考えてみましょう。
個性に応じて考えていこう
子どもがごはんを食べない理由は一人ひとり異なります。昨日は食べたのに、今日は食べないということも珍しくはありません。
その子の個性や発達、心理面にまで目を向け、どうして食べないのか、原因を丁寧に探っていきましょう。
佐藤愛美(さとうめぐみ)
保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。 保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。 |