子育てで一歩間違えると返って子どもをダメにしてしまうことがあります。
それは大人が先回りをしてしまうことです。
たとえば子どもが絵本を読んで欲しくて本を持ってきたとします。
するとついつい「絵本読んで欲しいの?」と聞いてしまったり、「絵本読んであげよう」と声をかけて受け取ってしまいがちですが、こういうことが続くと子どもからすれば「何も言わなくてもしてほしいことをわかってくれる」と考えてしまい、したいこと、してほしいことを上手に表現できなくなってしまいます。
相手は小さな子どもですので、親心から可能な限り手助けをしてあげたくなってしまう気持ちもわかりますが、そこはぐっとこらえて、子どもから自分の要求を表現してくるまで待ってみましょう。
もちろん言葉の発達状況などにもよりますので、うまく言えなくて泣き出してしまうこともあるかもしれません。
そんなときは優しく、「どうしたの?」「絵本読んで欲しいの?」と子どもの要求を聞き、「じゃあ次からは『絵本読んでください』ってちゃんと言おうね」と言ってあげれば、だんだんと自分の要求をひょうげんできるようになってきます。
言葉だけではなく、行動の面でもしっかりと見守ってあげることが大切です。
子どもが何かをしたいけど自分では出来ない、そういう時に先生に要求をしてくると思いますが、そこはぐっとおさえて先ずは自分でさせてみましょう。
可愛い子には旅をさせろということわざもあるように、何事も体験、経験があってこそ初めてその先の枝が伸びていくのですから折角の種を過保護にし過ぎないことも大切です。
自発性を伸ばすためには子どもに自らやりたいと思わせることです。
親でもそのあたりの見極めが難しいですので人の子を預かる保育士の立場からするとなるべく安全に過ごしたいという気持ちも分かりますが、もう一歩、我慢して園児を見守ってあげましょう。
もちろん大けがに繋がりそうな危険を感じた場合には大人として止めてあげなければなりませんので、安全面への配慮は怠らず、子どもを見守っていきましょう。