古くから日本で親しまれている伝統的なあそび「伝承遊び」を保育に取り入れてみませんか?
ここでは、日本の伝統的なあそびの魅力や代表的な遊びの種類、保育の留意点などを紹介します。
伝承遊びの魅力とは?
日本には、誰が作ったかは分からないけれど古くから親しまれてきた伝統的な遊びがたくさんあります。複数人で行う、手先や道具を使う、わらべ歌に合わせて行う、などの特徴があり、世代を超えて一緒に楽しめるところが魅力です。
また、遊びを通して言葉や手先の発達を促したり、友達同士のコミュニケーションを深める経験にもなります。
代表的な遊びをいくつかご紹介しましょう。
お手玉
1人でも複数人でも遊べるお手玉遊び。2つのお手玉を投げて回す「ゆり玉」が有名ですが、子どもの発達段階に合わせて色々な遊び方ができます。乳児であれば、頭の上にお手玉を1つのせて「ぽとん」と落としたり、年中・年長児であれば輪になり歌に合わせてお手玉を回していくゲームなどを楽しめます。
おはじき
おはじきはもともと中国から伝わった貴族の遊びだったそうです。ガラス製のカラフルなおはじきが普及したのは明治時代から。色分けをしたり、積んでみたり、高いところから落としてみたり色々な遊びを楽しめます。「中抜き」や「的当て」など、ルールのある遊びもぜひ年齢に合わせて取り入れてみるのもおすすめです。
あやとり
1本の紐を輪にして両手の指に引っ掛けて遊ぶあやとり遊び。1人でも複数人でも遊ぶことができます。二人で交互に行うあやとりは、相手の手から紐を外して自分の手に移動します。崩れたりほどけてしまったら負けです。手先をうまく動かすだけでなく、相手とのコミュニケーションも必要ですね。
わらべうた
「かごめかごめ」「いっぽんばしこちょこちょ」「うまはとしとし」など、日本で昔から親しまれてきた歌遊びのことをわらべうたと言います。歌だけでなく、手や体を動かしながら行う遊びとセットになっていることが特徴です。メロディーは「ドレミソラ」の音だけで、子どもたちが口ずさみやすく作られています。手を繋いだり触れ合ったりする遊びも多く、大人と子どもが一緒に行うことで信頼関係を深めることもできるでしょう。
こま遊び
日本では平安時代の頃から親しまれているこま遊び。手まわしこま、投げこまなど地域ごとに様々な種類があります。こまを使った遊びの中でも「こま回し」は有名です。ひもを巻いて回すこま、指で回すこまがあり、みんなで一斉に回して誰がいちばん長く回せるかを競ったり、こま同士をぶつけ合う競技もあります。
地域の伝統文化に触れる機会になる
伝承遊びは地域によっても遊び方が異なり、違いを発見するのもまた面白い経験になるはずです。出身地の違う保育者同士で遊び方をお披露目するのもおすすめです。遊びを通して地域の伝統文化に触れる機会にもなります。
佐藤愛美(さとうめぐみ)
保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。 保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。 |