子どもたちが何度も繰り返し読む絵本や図鑑は時間の経過とともに傷みやすく、修繕が必要になります。今回は、絵本や図鑑などの修繕方法や必要な道具について解説します。
基本的な本の修繕方法
<ページが取れてしまったとき>
カッターを使って取れかけたページを完全に切り離します。カバーに糊付けを丁寧に剥がしとるように切り離すのがポイントです。次に、紙から飛び出している糸などをハサミで切って整えます。接合部にのりをつけて、取れたページを貼り合わせます。メンディングテープなどを貼って補強しましょう。すぐに開くと糊付けが取れてしまうので、しばらくは輪ゴムなどで固定しておくことをおすすめします。
<ページが破れてしまったとき>
メンディングテープ、または透明フィルムなどを使って貼り合わせましょう。表紙を破れにくくするために、あらかじめ透明フィルムを接着させておくと本が長持ちします。セロハンテープは劣化が早いので本の修繕には不向きです。
<ページの落書きや汚れを落としたいとき>
消しゴムで消えるものは消しゴムで消します。表紙の汚れなどは紙やすりを使うと落ちることもあります。研磨面がなるべく細かいものを使い、力を入れずに研磨することで本を傷つけることを防ぎます。
修繕に必要な道具
- メンディングテープ
- のり
- 透明フィルム(接着剤つき)
- 輪ゴム
- 消しゴム
- 紙やすり(研磨面が細かいもの)
修繕のポイントは?
なるべく早く修繕しよう
破れたり汚れたりした本を放置すると、さらに状態が悪くなってしまう可能性が高いため、できるだけ早めに修繕を行うことが大切です。
子どもと一緒に本の修理をしよう
本の修繕は先生の仕事かもしれませんが、ぜひ子どもたちの見える場所で行いましょう。テープを貼る作業などは子どもと一緒にすることもできます。先生が本を大切に扱う姿を見て、子どもたちにも本を大切にする気持ちが芽生えます。
「破れたから/汚いから捨てて新しいものを買う」のではなく、修繕をして一冊の本を長く使えるようにしましょう。
佐藤愛美(さとうめぐみ)
保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。 保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。 |