RSウイルス感染症は1歳までに5〜7割の子が感染すると言われている病気の一つです。冬に流行するのが一般的ですが、夏に流行が見られる稀なケースもあります。
ここでは、RSウイルス感染症がどのような病気なのかを解説します。
RSウイルスの特徴的な症状は?
RSウイルス感染症は、4〜5日間の潜伏期間を経て、発症後10〜14日間に渡りウイルスを排出します。いわゆる風邪の症状が特徴的で、鼻水や咳、発熱などが見られます。
2歳以上の子が感染した場合は軽い風邪症状で治ることがほとんどですが、1歳未満の場合は重症化のリスクが高いため注意が必要です。
呼吸音が「ゼーゼー」「ヒューヒュー」と聞こえる場合(喘鳴)は要注意です。顔色が悪い、呼吸が速くて浅い、哺乳量が極端に少ないといった症状が見られる場合は、早めに受診をしなければいけません。場合によっては肺炎や気管支炎などを引き起こすこともあります。
また、肺や心臓に疾患がある子や早産や小さく生まれた子も重症化のリスクが高いと言われています。
保育者ができる対応は?
(1)感染予防対策
手洗い、うがい、消毒など基本的な感染予防対策が大切です。
また、RSウイルス感染症の流行が広がる前に、連絡帳やおたよりなどで保護者にもすみやかに情報共有を行い、早めの受診や無理な登園を控えるように伝えましょう。
(2)重症化のリスクを正しく把握する
上述した通り、重症化するリスクの高い年齢、基礎疾患のある子に対しては特に注意が必要です。こまめな健康観察を行い、看護師とも連携を図りながら子どもたちの様子に変化がないかチェックしていきましょう。
また、重症化リスクに関しては、担任だけでなくパートの職員など保育に関わる職員全体で把握しておくことがポイントです。
大人も子どもも気をつけよう
RSウイルス感染症は年齢の小さな子どもがかかる病気というイメージが強いかもしれません。しかし、年長児や大人にも感染します。
在園児に感染が認められた場合、すべてのクラスで感染予防対策を行い、できるだけウイルスが広がらないように努めましょう。
佐藤愛美(さとうめぐみ)
保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。 保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。 |