めぐみ先生の保育コラム

バードウォッチングをしてみよう

スズメやシジュウカラ、メジロ、キジバト、ウグイスなど、屋外を歩いていると、さまざまな野鳥に出会います。姿は見えなくても、耳を澄ましてみると可愛らしい鳴き声が聞こえることもあるでしょう。子どもたちも「あれは何の鳥の声かな?」「鳥さんはどこへ行くの?」と興味津々です。

 

そんな野鳥たちを園に呼ぶ方法があります。ここでは、子どもたちと一緒に園でバードウォッチングをするときの手立てについてお伝えします。

 

ステップ1:屋外にはどんな鳥がいる?

屋外にはどんな鳥がいるか、子どもたちと一緒に考えてみましょう。散歩に行ったら木の周辺を注意深く観察してみてください。場所や季節によっても違いますから、イラストマップをつくるのもおすすめです。

 

たとえば、降園の池にはいつもカモがいて、園舎の軒下にはツバメの巣、隣町の湖には冬になると白鳥が飛来する……などなど、少し考えを巡らせるだけでも、私たちの生活圏にはたくさんの野鳥がいることが分かります。

 

次に、図鑑を使って気になる野鳥について調べてみましょう。生態や好んで食べるものを把握し、その鳥が来やすい環境をどうやって作るか決めましょう。

 

ステップ2:野鳥が訪れやすい環境をつくる

環境面を工夫することで園の敷地内に野鳥を招くことができます。クラスのベランダに餌台を設置して、パン屑や小鳥の餌を置いておくと野鳥が集まってきやすくなります。木の枝に輪切りのみかんなどを刺しておくのも有効です。野鳥が来るまでには数日間かかることもあるので、気長に待ってみましょう。

 

また、大きな音が聴こえる場所や人目につきやすい場所だと野鳥が警戒して近寄らない可能性があります。目隠しの板を用意したり、保育室からは少し離れた場所に餌場をつくるなど工夫してみましょう。

 

ステップ3:バードウォッチングをする

野鳥が遊びに来てくれたら、いよいよバードウォッチング開始です。子どもたちは喜んで近寄っていくかもしれませんが、そうすると野鳥は逃げてしまいます。しかし、そんな経験も気づきと学びになるので、前もって保育者がルールを決める必要はないかもしれません。どんな風に観察をしたら小鳥が逃げていかないかも子どもたち自身が考えられるように見守りましょう。

 

子どもたち1人ひとり、興味もさまざまです。餌をちゃんと食べているか気になる子、鳥の色や形が気になる子、触ってみたい子など。興味に応じて次の展開を計画していけるといいですね。

 

予想外のことも起こるけど……

バードウォッチングの取り組みを実践した園によると、「予想外のことが起こった!」とか「計画通りに観察するのは難しい」という声も。

野鳥は生き物ですから、どんなに完璧に準備をしたとしても思い通りにいかない可能性は高いです。せっかく餌場をつくったのになかなか野鳥が来てくれなかったり、餌を野良猫に荒らされてしまったという経験談も。

 

しかし、そんな「予想外」もぜひ子どもたちと一緒に楽しんでみてはいかがでしょうか。そして、「じゃあ次はどうするか」を考えていく過程が、子どもたちの力を育んでいきます。

 

佐藤愛美(さとうめぐみ)

保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。

保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。

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