保育者になったばかりの頃は、覚えることがたくさんあったり、思い描いた保育ができずに落ち込んだりと、悩みを抱えやすい時期です。
保育歴3年未満の保育者たちに、若手の時期に直面した悩みや、その解決策についてお話を聞いてみました。
【お悩みその1】勤務時間内に仕事が終わらない!
「書類作成や行事の準備などが重なると、勤務時間にすべて終わらせることができません。先輩たちは保育中の隙間時間で上手に作業を進めて定時で帰っているのに、私は時間がかかってしまい、主任や園長にも迷惑をかけている自覚があります……」(認定こども園勤務 2年目 保育士)
【お悩みその2】誰に相談していいか分からず孤独を感じる
「大きな法人で働いていますが、私の園には同期がいないので悩みを誰に相談していいか分かりません。先輩や園長は親身になってくれますが、プライベートなことはまだ話しにくいです(苦笑)。地元も遠いので、ちょっと孤独を感じています」(認可保育園勤務 1年目)
【お悩みその3】保育者に向いていないと感じる
「子どもたちを上手くまとめられず、つい強い口調で指示を出してしまったり、保育中にイライラした態度になってしまうことがあります。子どもたちの主体性を大切にした保育をしたいのに、なかなかそれができないことがもどかしいです。保育者に向いていないのかもしれません」(認可保育園勤務2年目 保育士)
悩みを解決するにはどうしたらいい?
若手の保育者がこのような悩みに直面することは、決して珍しくないことだと思います。課題の解決策として、以下のような工夫をしている方もいます。また、若手職員を支える体制を整えている園もあります。
職場以外の保育仲間を見つける
SNSなどを通じて、職場以外の保育者と交流している方もいます。悩みを分かち合うだけでなく、保育に対する視野を広げることにも役立っているようです。
年齢の近い先輩に相談してみる
職場の中の年齢の近い先輩は、1年後、2年後の自分の姿であり身近なロールモデルです。自分が直面している悩みは、かつてその先輩も抱えていた悩みかもしれません。乗り越え方を教えてもらいましょう。
ノンコンタクトタイムの積極的導入
ノンコンタクトタイムを導入する園が増えています。まだ仕事に慣れていない1〜2年目の職員には少し多めにノンコンタクトタイムを配分し、ゆとりをもって作業できるように配慮している園もあります。
悩みは自分だけのものにせずに共有しよう
悩みを抱えると、自分でなんとか乗り越えなくてはと思いがちですが、仲間の保育者に共有することですぐに解決策が見つかったり、自分では思いつかなかったアイデアをもらえる場合があります。
また、正直に悩みを打ち明けることで、組織全体の課題が見えてくる場合も。そのため「困ったこと」や「できないこと」に後ろめたさを感じる必要はないのです。ぜひ信頼できる職場の仲間や友人に話してみてくださいね。
佐藤愛美(さとうめぐみ)
保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。 保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。 |