めぐみ先生の保育コラム

保育士は一人暮らしできる?借り上げ社宅制度や悩みの解決策を紹介します

社会人になると同時に実家を出て一人暮らしを始める保育士さんもいると思います。初めての一人暮らし、初めての社会人生活には不安がつきものです。

 

ここでは、借り上げ社宅制度についてや一人暮らしの保育士さんが抱えやすい悩みと解決策についてお伝えします。

 

家賃の負担が減る「借り上げ社宅制度」とは

借り上げ社宅とは、法人が物件を賃貸契約して従業員に貸し出す福利厚生のこと。保育業界では保育士を対象とする「保育士宿舎借り上げ支援事業」に基づき、各自治体が月々の賃借料や共益費、管理費の一部を補助する仕組みになっています。2022年の時点で、補助の対象となるのは「採用から10年以内の者)」と定められており、補助の上限額は1人あたり月額82,000円が上限となっています。

 

借り上げ社宅制度によって保育士は家賃負担を大幅に軽減することができ、法人が契約した物件の中から住まいを選択することができます。また、借り上げ社宅制度とは別に法人が独自に家賃補助制度や社宅制度を設けているケースもあります。

 

こういった場合、同僚が同じ物件に居住している可能性が高く、オンとオフの区切りが付けにくいというデメリットも。また、国や自治体の補助制度は将来的になくなってしまう可能性もあります。制度に関する最新情報をチェックすることも大切です。

 

一人暮らしの保育士のよくある悩みと解決策

ここからは、一人暮らしの保育士さんが抱えているよくある悩みとその解決策についてお伝えします。

 

職場からの距離はどれくらいが適切?

職場から近い場所に住むと、通勤が楽になるというメリットがあります。しかし、近所のスーパーで保護者や子どもたちとよく顔を合わせるようになってしまったり、仕事とプライベートの切り替えが上手くつけられなくなってしまったというデメリットもあります。自分の価値観によっても職場との適切な距離は変わってくるため、物件を選ぶときによく検討しましょう。

 

防犯面や治安が心配

特に女性の一人暮らしの場合は防犯面も無視できないポイントかと思います。早番や遅番で人通りの少ない時間帯に通勤することも視野に入れ、地域の治安や夜間の雰囲気、交番や夜間も営業している商業施設の有無などは事前にチェックしておくと安心です。

また、オートロック付きのマンションにしたり、2階以上の部屋を選んだりすることによっても防犯性は高まります。

 

仕事と家事を両立できるか不安

初めての一人暮らしの場合、仕事と家事を両立できるかは不安ですよね。特に新人時代は仕事でも覚えることが多いため、家のことが疎かになってしまいがちです。仕事も家事も完璧にこなそうとするとストレスになってしまうため、「たまには外食をする」「ネットスーパーを活用する」といったように、楽になる方法を選ぶことも無理なく一人暮らしを続けていくコツです。

 

金銭的負担が増えるのでは?

家賃補助を受けられたとしても、食費や雑費、光熱費など一人暮らしをするとさまざまな出費が発生します。アプリなどを活用して簡単な家計簿をつけると月々の収支を可視化できます。すると自分に合った節約の仕方や、「ここまでならお金を使っても大丈夫」という目安が見えてきます。

また、職場に一人暮らしをしている同僚がいれば、上手なやりくりのコツを聞いてみるのもおすすめです。

 

家でピアノの練習はできる?

多くの賃貸物件では楽器の演奏が許可されていません。入居時に管理規約を確認してみましょう。

どうしても家でピアノの練習をしたい場合は、イヤホンをつけて練習するようにしましょう。打鍵音が階下に響いてクレームに繋がるケースもあるため注意が必要です。

 

周囲を頼ることも大切

生活力が身につくことや、自分だけの空間が持てるといった一人暮らしならではの良さはたくさんあります。初めての一人暮らしと初めての社会人生活が重なると不安も大きいと思いますが、身近な友人や家族、職場の同僚を頼ると頼もしいアドバイスをもらえることもあります。

 

一人暮らしだからといって、不安や問題を一人で抱え込む必要はありません。上手に周囲を頼りながら、自分にとって快適な暮らしを探求していきましょう。

(記事公開日 2017年10月26日)
(記事更新日 2024年07月18日)

 

佐藤愛美(さとうめぐみ)

保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。

保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。

 

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