働く保育園を決める際に、避けて通ることが出来ないのが面接。いくつになっても緊張するし、そもそも面接を受けること自体が何年ぶり、中には何十年ぶりって人も多いかと思います。
今回は、そんな皆さんの不安を軽減することで、安心して面接に臨むことができるよう面接前の準備、面接中、面接後の行動においての対策チェックポイントをお伝えしていきます。
就業先の下調べ
長くお仕事を続けていくためには、通勤のしやすさや、給与、休日休暇などの条件面が重要となります。
しかしながら、保育園の採用担当者としては、自園の保育に対する考え方に共感して一緒に頑張ってくれる人材を採用したいもの。
働く側の目線にたっても、条件だけに気を取られて就業を開始した矢先、保育に対しての考え方がまったく違うと仕事をしていく上で強いストレスを感じてしまいかねません。
そうならないためにも、求人情報のメッセージ欄やホームページなどであらかじめ園の保育理念や方針を確認することが大事になってきます。
場所・持ち物の確認
面接場所については、配属先の園で行うことが一般的ですが、大きな会社や法人では本社で面接が行われることがあります。
ほとんどの場合、採用担当者から面接日時とともに場所の指定がありますが、もしそれがなかった場合については、本社や系列園での面接の可能性もあることを考慮して、念のため事前に確認しておきましょう。
また、新しい園の場合、インターネットの地図機能などで検索しても、うまく表示されない場合があります。その際は複数の地図サイトで確認をしつつ、それでもわからない場合のみ採用担当者に連絡を取り、駅からの経路や目印を聞いておきましょう。
持ち物については、履歴書、保育士証を指定されることが多くあります。
履歴書を書く際に気をつけるべきポイントはたくさんありますが、その中でも特に重要なのが、【修正液や修正テープを使わない】【日付欄は面接日を書く】といった点です。なお、例外として事前に郵送を求められた場合は投函した日付を書きましょう。
もったいないからといって、別の保育園で不採用になった際に返却された履歴書を使いまわすことは大幅な減点となりますので絶対にやめましょう。
早すぎる到着はNG
面接開始の30分前に現地に到着。やる気をアピールできたかと思いきや、多くの場合は面接結果に悪影響を及ぼす事となります。
人事担当者は面接以外にも多くの仕事をしており、あまりに早く到着してしまうとその後の予定が大幅にずらす必要が出てきます。
もちろん遅刻は厳禁。30分から1時間前には一度現地の入口などを下見しておき、近くのカフェなどで直前の対策をしながら時間が来るのを待ちましょう。
また、携帯電話の電源をオフにする。建物に入る前にコートなどの上着を脱いでおくなど、基本的なマナーも守りましょう。
保育園の面接で気をつけるべき5箇条
質問に対し正確な回答をする
面接官「保育士になろうと思ったきっかけを教えてください。」
求職者「母が保育士をしており、仕事に対してとても熱心に取り組んでいましたので、私も母のような保育士になりたいと思っています。」
一見、しっかりと答えられているようにも見えますが、これはなろうと思ったきっかけを聞かれたことに対し、こんな保育士になりたいという目標を答えてしまっています。こうしたやり取りが続くと会話がうまくかみ合わないという印象を与えかねませんので、質問された内容をしっかりと頭に置きながら回答をするように心がけましょう。
正しい敬語を身につける
保育園や幼稚園の重要な仕事内容の一つに『保護者対応』があり、採用担当者は面接を通してスムーズに保護者との関係を構築できるかを確認しています。
難しい表現を覚える必要まではありませんが、例として【尊敬語】と【謙譲語】、【丁寧語】のしっかりとした使い分けや、呼称(ダンナ→夫、嫁→妻)をしっかりと言い分けられるようにしておきましょう。
前職の悪口は悪印象?
まれに、以前のお勤め先の退職理由を聞かれた際に、ひたすら悪口を言い続けてしまう方がいます。
「本部が現場のことを全く考えてくれなかった」「人間関係がギスギスしていて、風通しの悪い職場だった」など、本当に働きづらい環境だったんであろうと思いますが、採用担当者の目線に立つと、うちの保育園に来ても気に入らなかったり、自分に合わないと判断したらすぐに辞めてしまうのではないかという不安がよぎります。
労働環境や同僚からの強い言動が、どのくらいの度合いだったのかというのはなかなか短い面接の時間ではお伝えするのが難しいところです。したがってネガティブにとらえられてしまう言動は極力避けるようにした方が無難です。
面接後の予定は空けておく
本社や系列園で面接が行われる際、採用担当者から突然「よろしければ、この後に一緒に配属園を見に行ってみませんか?」というお誘いがかかることもあります。
その際に即答で「是非ともお願いします」と返事をすることが出来れば好印象を与えますし、「この後は予定があるので……」と返してしまうと『面接が長引いたらどうするつもりだったのかな』、『これから別の保育園の面接を控えているのかな』と思われてしまうリスクもあります。
家に着くまでは気を抜かない
面接が終わるとホッとしますが、当日は家に着くまで気を緩めないようにしましょう。
せっかく繁華街に来たからといって、合流した友達と一緒に飲みにいって騒いでいたら今日の面接官が隣のグループに……なんてにわかには信じられない出来事が起こる可能性もなきにしもあらず……。
面接が終わった後は緊張も一気にほぐれて気分的にも開放されがちですが、後悔することのないよう最大限の注意を払いましょう。
※本記事は『保育パートナーズ通信 vol.9 (2017年5月1日発行)』のコラムページに加筆・修正を加えたものです。最新の記事をご覧になりたい方は、無料で年4回(2,5,8,11月)ご自宅に郵送しておりますので、会員登録の上、メールにて購読希望の旨をお知らせください。