個別懇談会などが行われる季節でしょうか。
保護者との信頼関係を作る場として貴重な時間ですが、今年は「伝える」よりも「聴く」時間にしませんか?
◆伝えたいことがあっても、まずは、保護者の話を最後まで聴く
先生から保護者に伝えておきたい話は、まずは横に置いておきましょう。
保護者との面談では、まずは、「お子さんの様子を見ていてどうですか?」といった、どんなことでも話せるザックリとした質問を投げかけてみます。
その話を、口をはさむことなく、最後まで聴くといいですね。
◆園での子どもの問題行動などについて、保護者に伝える必要はありません
余程、議論しておく必要がある重要な問題があるケースは稀です。
たとえば、「他のお友達のおもちゃを取り上げてしまう。」などの、問題の指摘は、ほとんどの場合、保護者に伝える必要はありません。
なぜなら、もしも、クラスのほとんどの子どもが、お友達のおもちゃを取り上げていたら、それをわざわざ保護者に伝えませんよね。
つまり、そのお子さんは、少しだけ対人ルールを身につけるのに時間がかかっているだけだからです。
1年後には、その問題は解消している場合がほとんどです。少し待ってあげればいいだけのことです。
もし、保護者に伝えるとしても、成長を一緒に見守りましょう、というスタンスで伝えることで、保護者との良好な関係を維持できます。
◆伝えるなら、いいところを
保護者に伝えて欲しいのは、お子さんのいいところです。
それを伝えられて、うれしくない保護者はいませんよね。
うちの子を見ていてくれる、という安心感を持ってもらうといいですね。
≪井上きき 役に立つ話 2013年5月1日号≫