子どもは、なぜ 野菜が嫌いなのか、考えたことありますか?
子どもたちが、野菜を好まない理由は、実にたくさんあります。
今回は、4つの原因をそれぞれ解説してみます。
◆灰汁(アク)を避けるため
野菜の多くには、「灰汁(アク)」と言われる成分があります。
人間の命を直接奪うものではありませんが、一部の生き物にとっては、毒となります。
子どもたちは、この成分を本能で避けていると考えられます。
◆いつまでも、味に慣れることができない
人は、初めて食べる味を美味しく感じない、と言われています。
同じ食べ物を何度も食べて、味に慣れてゆくことで、食べられる味になり、やがて、好きな味になります。
しかし、野菜は食べるたび味が違うのです。
同じホウレンソウでも、季節によって味が違いますし、産地や種類によっても、味が変わります。
反対に、インスタント食品などの加工品は、いつもピッタリ同じ味をしています。
だから、子どもたちは、インスタント食品やファストフード、スナック菓子が大好きなのです。
◆苦みを避ける
野菜には、苦味を持つものが多いです。
小さな子どもは、「苦味は毒」「酸味は腐敗」というデータを持って生まれてきます。
自らの命を守るために、本能で避けるようになっているのです。
◆奥歯が足りない
乳歯は、前歯から順に生えてきます。
1~2才では、じゅうぶんに奥歯が生えそろわない子もいます。
また、六才臼歯が生えるまでは、奥歯の本数も少ないですね。
野菜をしっかり粗食するためには、奥歯の機能がたいへん重要です。
とくに青菜の茎の部分などをしっかりと咀嚼するのが、小さな子どもには難しいのです。
いかがでしょうか?
子どもたちにも、いろいろと事情があるようです。
わたしたちは、原因を知った上で、できるだけ野菜と仲良くなれるようサポートする立場でいたいですね。
≪井上きき 役に立つ話 2014年4月15日号≫