保育用語

保育用語 ≪人名(外国人)≫

ヴィゴッキー(ロシア)―保育の心理学―
ヴィゴッキーは、子どもが自力で成しうる水準と、大人の援助や教育的な働きかけで成しうる水準の間のことを、「発達の最近接領域(さいきんせつりょういき)」と位置付けています。

 

エリクソン(ドイツ) ―保育の心理学―
エリクソンの発達心理学では人間は生まれてから死ぬまで生涯に渡って発達するとしています。ライフステージを8つの段階に分けてそれぞれの段階で獲得すべき課題を設定しているのです。
この課題では肯定的側面と否定的側面を対にして設定しています。これはどちらか一方のみを取得するとかしないのではなく一方があるからこそ他方が存在するといった考え方になっています。

 

エレン-ケイ(スウェーデン)―教育原理―
20世紀初頭の新教育運動の発端となった女性評論家。児童中心主義。 新ルソー主義の立場に立って、自然主義的な教育観を展開し、家庭教育や婦人問題に多くの業績を残しています。
詰め込み主義の学校教育を批判し、子どもの権利擁護の運動へと発展させました。 1900年に「児童の世紀」を著し、その中で「教育の最大の秘訣は教育しないことにある。」と説いています。

 

カナー(オーストリア)―子どもの保健―
1、2歳の幼児期に自閉症状を呈し、健常児とは異なる精神発達をとげる幼児精神病を発見し、早期幼児自閉症と名付けました。自閉症を小児便列病のきわめて早期に発症したものとして解釈していたところが、今日の自閉症に対する見解とは異なるものの、彼の学説はその後の自閉症の研究に大きな影響を与えています。その他、精神遅滞児や神経系の障害をもつ子どもの治療などにも大きな貢献をしています。

 

カント(ドイツ)―教育原理―
『教育学講義』をあらわし、人間とは教育されなければならない唯一の被造物である、人間は教育によって初めて人間になることが出来ると唱えました。

 

ゲゼル(アメリカ) ―保育の心理学―
一卵性双生児を用いた実験研究で発達における成熟優位説を説き、発達におけるレディネスの概念を提唱したことで有名です。また、多くの子どもを縦断的に観察し、実際の治療や指導に役立つ発達診断学を確立しました。

 

コメニウス(チェコ)―教育原理―
近代教授学を開拓し、実物観察に重点をおく直観教授法を開いた『大教授学』を表しました。「教育されなければ人間は人間になることは出来ない」と述べて全て人間として生まれてきた者には普遍的な教育を必要としていると主張しています。

 

コルチャック(ポーランド)―児童家庭福祉―
医師、作家、教育者、哲学者、ユダヤ教徒の孤児院の院長。教育書、学童、戯曲、ラジオ番組などを通じて、児童の福祉と権利を訴えました。新しい教育思想提唱者、育児理論・実践に関する著作の作者。子どもの権利と子どもたちの完全な平等のために活動した先駆者。ナチスのポーランド占領後も孤児院の院長として孤児たちと行動を共にし、彼自身に対する救済の申し出を拒否し、トレブリンカ強制収容所にて亡くなりました。

 

シュナイダー(ドイツ)―子どもの保健―
自我の障害によってあらわれる症状を「一級症状」と命名し、一級症状が1つでもあれば、診断が可能であると考えたのです。この診断方法は、今日の米国精神医学会による診断基準や、世界保健機関(WHO)作成の診断基準に引き継がれています。

 

シュワルツ(アメリカ)―社会福祉―
1960~70年代にかけてアメリカで発展したグループワーク理論モデルの一つ、「相互作用モデル」を構築しました。機能主義学派の流れを汲み、社会システム論やフィールド理論に依拠しながら、「媒介モデル」へと発展させました。

 

スピッツ(アメリカ)―児童家庭福祉―
「3か月微笑」と「8か月不安」という乳児の反応を提唱しました。
また、「母性的愛情のあるマザリング(養育環境)」が不足した乳児院(児童福祉施設)で育てられた乳児は情緒発達障害や心身の発育障害が発生しやすく死亡率もたかくなるという「ホスピタリズム」という論文を発表しました。

 

ソクラテス(古代ギリシャ)―教育原理―
産婆術(問答法)で知られ、「汝自身を知れ」という言葉で知られています。

 

デューイ(アメリカ)―教育原理―
経験を繰り返すことによって成長し、その成長が教育であるということを唱えています。

 

バイステック(アメリカ)―社会福祉―
個別援助における援助関係の原則である「バイステックの7原則」を定義しました。

 

ハーロウ―(アメリカ)― 保育の心理学―
アカゲザルの子どもを対象にして、針金製と布製の代理母親模型を用いた実験など、数多くの実験を行いました。自ら考案したウィスコンシン一般テスト装置(WGTA)を用いて アカゲザルの学習実験を行い学習すること自体の学習を意味する学習セットという概念を打ち立てました。

 

パーテン(アメリカ)―保育の心理学―
子どもの遊びを社会的行動発達の観点から遊びを6つに分類した心理学者。

 

ビアジェ(スイス)―保育の心理学―
■ピアジェが示した知能の発達段階
 1.感覚運動的段階(1~2歳ごろ)  
 2.前操作的段階(2~7歳ごろ)・前概念的段階(2~4歳ごろ)・直感的思考段階(4~7歳ごろ)
 3.具体的操作的段階(7~11歳ごろ)
 4形式的操作的段階(11歳ごろ~)
■シェマ
 知能の質的な構造のこと。個々の子どもがもつ活動様式、反復して適用される行為をいう。
■保存の概念
 操作が獲得された基準は事物に対して付加や削除が行われない限り普遍であるという概念。
■可逆性の概念
 ある操作に対して逆の操作をすることが出来ること。
■相補性
 「高いけれども細い」など2つの量を同時に判断して液量の保存性がつかめること。

 

ビネー(フランス)―保育の心理学―
フランスの心理学者。僚友の医師シモンの協力を得て1905年に世界で最初の知能検査を作成しました。 知的障害児。精神年齢の概念。

 

ブルーナー(アメリカ)―教育原理―
知覚と欲求や動機付けとの関連を研究し、認知過程には主体の持つ欲求や価値観が影響するということを明らかにし、ニュールック心理学とよばれている新たな領域を開拓しました。言語獲得支持システムや、概念形成と概念達成を区別したことでも有名です。

 

フレーベル(ドイツ)―教育原理―
幼稚園・幼児教育の創設者。「恩物」とよばれる遊具をつくり、『人間の教育』を表しました。

 

フロイト(オーストリア)―子どもの保健―
精神科医で、精神分析学の創始者です。精神医学や臨床心理学などの基礎・20世以降の文学・芸術・人間理解にも影響を与えました。心的構造-イド、エゴ、スーパーエゴ、リビドー、エディ・コンプレックス、「夢判断」、「自我とエロス」

 

ペスタロッチ(スイス)―教育原理―
直観教授、開発主義をとり、『隠者の夕暮』を表しました。フランス革命後の混乱の中で、孤児や貧民の子などの教育に従事。日本でも大正時代から初等教育の展開を促進する強い影響を及ぼした人物です。

 

ボウルビィ(イギリス)―保育の心理学―
愛着(アタッチメント)理論の提唱者。施設児に関する研究で示した、マターナル・デプリベーション(母性剥奪)という概念は愛着理論の出発点となっています。

 

ホリス(アメリカ)―社会福祉―
ケースワークの理論体系の発展に貢献しました。個別援助の構成要素を個人と環境、その両者の相互関係とする捉え方が特徴です。ケースワーク理論『診断主義アプローチ』の研究者です。

 

マズロー(アメリカ)―社会福祉―
人間の欲求を5段階のピラミッドに表現し、マズローの欲求段階説を唱えました。「人間は自己実現に向かって絶えず成長する生きものである」と仮定し、人間の欲求を5段階の階層で理論化したものです。1~4段階を「欠乏ニーズ」と呼び、これらがかなりの程度満たされると、5段階目の自己実現欲求が現れるとされています。生理的→安全→所属と愛情→承認(自尊)→自己実現

 

モンテッソーリ(イタリア)―教育原理―
知的障害児へ感覚教育法を施し知的水準を上げるという効果を見せ、1907年に設立した貧困層の健常児を対象とした保育施設「子どもの家」において、その独特な教育法を完成させました。以後、モンテッソーリ教育を実施する施設は「子どもの家」と呼ばれています。

 

モンテッソーリメソッドの特徴
・自由に個別活動  ・子どもの中の自発性を重んじる  ・縦割りクラス

 

リッチモンド(アメリカ)―社会福祉―
社会福祉援助技術における先駆的役割を果たし「ケースワークの母」と呼ばれています。1900年代初頭、まだ体系化されていなかった社会福祉実践を、慈善的な側面という意識を排し個人と社会環境との調整技術として専門的に体系化したのです。

 

ルソー(フランス)―教育原理―
自然主義、消極教育を提唱し、『エミール』を表しました。 「子どもの発見」により、教育という活動が何なのかを明確化しました。

 

ローレンツ(オーストリア)―保育の心理学―
刷り込み(インプリンティング)や「恐れと怒りの表情」の見解などが有名な動物行動学者です。自然な姿で生活する動物の行動の観察とその記述を行い、比較行動学(エソロジー)を確立しました。1973年、ノーベル生理学医学賞受賞。

 

ロック(イギリス)―教育原理―
自然主義教育論を展開し、『人間悟性論』『教育に関する一考察』『自由論』を表しました。

 

ワトソン(アメリカ)―保育の心理学―
アメリカの行動主義心理学者で行動主義の提唱者。行動は観察可能な反応の総体であり、反応はまた刺激によって生じうると考えられました。行動を科学的変数として計量化するという彼の発想は、今日の行動科学、行動療法の発展に寄与しています。

 

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