平成20年度 社会福祉(再試験)
問1 次の文は、福祉サービスの供給主体に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 今日のように福祉サービスの供給主体が多元化したのは、福祉ニーズの拡大と多様化に対応するサービスを供給するため、企業や市民組織の参入が必要であったからである。
B 社会福祉を目的とする事業を経営できるのは、国、地方公共団体又は社会福祉法人に限られている。
C 第二種社会福祉事業である保育所の設置や運営についての要件が緩和されて以降、営利企業が参入するようになった。
D 社会福祉事業の経営主体が多様化されると、福祉サービスの評価や情報提供ということは重要視されなくなる。
A B C D
1 ○ × ○ ○
2 ○ × ○ ×
3 ○ × × ×
4 × ○ ○ ○
5 × ○ × ○
問2 次の文は、わが国の社会保障制度に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 児童手当は、資産調査を必要としないものである。
B 介護保険は、国民の保険料のみを財源とした給付を行うものである。
C 障害者福祉の施策に関する法的規定において、障害者の社会参加の支援の定めはない。
D 我が国の福祉資金貸付制度の中で、法律に規定されているのは、生活保護法に規定されている生活福祉資金貸付制度のみである。
A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ○
3 ○ × × ×
4 × × ○ ○
5 × × × ○
問3 次の文のうち、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 「この子らに世の光をではなく、この子らを世の光に」として社会福祉の啓蒙に努めたのは賀川豊彦である。
B 野口幽香らは、明治時代に貧困家庭の子弟を対象とした幼稚園を開設した。
C 明治時代に貧民街などの調査をもとに「下層社会」の人々の生活実態を著書にまとめたのは横山源之助である。
D 感化院(今日の児童自立支援施設にあたる)のパイオニアと言われているのは、片山潜である。
A B C D
1 ○ ○ × ×
2 ○ × ○ ○
3 ○ × ○ ×
4 × ○ ○ ×
5 × ○ × ○
問4 次の文は、今日の福祉問題に大きな影響を与えている家族の変化に関する記述である。適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。
A 家族の介護機能の限界に対して国は老人福祉施設の設置を計画的に推進し、平成12年にはついにその施設数は、保育所の数を上回るまでに拡大した。
B 核家族化の進展は家族の機能を弱体化させ各種の育児問題を引き起こしているので、育児不安の緩和などを目的とした育児支援事業が公私にわたり推進されている。
C 「男女共同参画社会づくり」という施策は、育児や介護の社会化に歯止めをかけている。
D 家族機能の外部化や社会化は今後も進展が予想され、家族機能のすべてを国が制度的に代替するようになる動きがある。
1 A B 2 A C 3 B C 4 B D 5 C D
問5 次の文は、わが国の社会福祉の発展に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 1990年の社会福祉関係八法の改正は、住民に身近な市町村において福祉サービスを提供する体制づくりを目指すものであった。
B 1993年に障害者基本法が制定され、この法律の中にノーマライゼーションを維持するための具体的な数値目標が示された。
C 2000年施行の地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律(通称「地方分権一括法」)は、福祉サービスの供給主体の民営化を目的として成立した。
D 2000年に施行された介護保険法では、利用者が多様なサービス提供事業者との契約に基づいてサービスを利用する制度を導入した。
A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ○
3 ○ × × ○
4 × ○ × ○
5 × × ○ ×
問6 次の文は、福祉改革に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A イギリス、スウェーデンなどの福祉先進国と言われる国々は、1970 年代の二度にわたる石油危機以降も、1960 年代と変わらない社会福祉政策をとり続けた。
B 1980 年代以降にいわゆる「小さな政府」論が先進国において普及したが、これは民営化や規制緩和などを進めて政府の活動範囲を狭めようとするものである。
C わが国の福祉改革は、1990 年に制定された、いわゆる「福祉関係八法改正」が先駆けとなって地方分権等の大きな改革が進められることになった。
D わが国の社会福祉における地方分権化は、政府が推進している三位一体改革によって大きな影響を受ける事になった。
A B C D
1 ○ ○ × ×
2 ○ × ○ ○
3 ○ × ○ ×
4 × ○ ○ ○
5 × ○ × ○
問7 次の文は、セルフヘルプ・グループ(当事者グループ、自助グループ)に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A セルフヘルプ・グループは、常にグループワーカーからの援助を受けている。
B セルフヘルプ・グループの機能の中で重要なことのひとつは、当事者のエンパワメントである。
C セルフヘルプ・グループの運動は、社会福祉制度を補完する援助方法となっている。
D セルフヘルプ・グループの運動の中には、断酒会や精神障害者の団体も含まれ、社会変革の力ともなっている。
A B C D
1 ○ ○ × ×
2 ○ × ○ ○
3 ○ × ○ ×
4 × ○ ○ ○
5 × ○ × ○
問8 次の組み合わせのうち、福祉サービスの適切な利用のために、社会福祉法が社会福祉事業の経営者に関して規定している事項の組み合わせとして最も適切なものを一つ選びなさい。
1 情報提供-----事業所会計の閲覧-----損害賠償保険の加入
2 情報提供-----措置の解除に係る説明-----誇大広告の禁止
3 利用契約の申込み時の説明-----措置の解除に係る説明-----福祉サービスの自己評価
4 利用契約の申込み時の説明-----利用契約の成立時の書面の交付-----誇大広告の禁止
5 誇大広告の禁止-----事業所会計の閲覧-----損害賠償保険の加入
問9 次の文は、医療における専門職と医療の動向の記述である。適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。
A 医療ソーシャルワーカーは、医療機関において、疾病や障害によってもたらされる患者やその家族の社会生活上の問題に対して、その解決を援助する福祉専門職である。
B 市町村における要保護児童対策地域協議会(虐待防止ネットワークを含む)の設置が進められており、地域の関係機関として保健・医療の専門職によるきめ細かな活動が期待されている。
C 平成14(2002)年に厚生労働省がとりまとめた「今後の精神保健医療福祉施策について」では、病院での治療効果を高めるために精神医療の専門看護師制度を発足させ、病院生活を改善して安心して入院できる環境の推進を提言した。
D 発達障害者支援法による発達障害者支援センターは、重度の発達障害者に対して専門的診断や発達支援を行う医療機関である。
1 A B 2 A C 3 B C 4 B D 5 C D
問10 次の文のうち、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 聖徳太子が建立した四天王寺に付設された四箇院において、孤児及び窮民の救済が行われた。
B 血縁や地縁に基づく相互扶助は、江戸時代の農村において広く行われた。
C 法律に基づく社会保障制度が整備されたことにより、住民の相互扶助や自発的な社会福祉活動が推進されることはなくなった。
D 今日、営利を目的とする企業による社会貢献として、福祉活動に助成する財団が設立されている。
A B C D
1 ○ ○ × ○
2 ○ ○ × ×
3 × ○ ○ ○
4 × ○ ○ ×
5 × × ○ ○
問11 次の組み合わせのうち、社会保障制度の実施機関と給付内容に関する語句の組み合わせとして最も適切なものを一つ選びなさい。
1 社会保険事務所・健康保険組合-----傷病手当金
2 児童相談所-----特別障害者手当
3 福祉事務所-----障害基礎年金
4 労働基準監督署-----失業等給付
5 保健所----児童手当
問12 次の組み合わせは、社会福祉における専門職の業務に関する組み合わせである。適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 保育士-----児童を抱える保護者への保育指導
B 介護福祉士-----要介護者を抱える家族への相談援助や心理療法
C 社会福祉士-----障害児への療育指導
D 児童指導員-----要保護児童の生活指導
A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ×
3 ○ × × ○
4 × ○ ○ ○
5 × × ○ ○
問13 次の文は、保育所の運営管理に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 保育所の認可は、それが設置される市町村によって行われることとされている。
B 保育所は、児童福祉施設最低基準により、利用する保護者の苦情に応じるための担当窓口を設置することが義務付けられている。
C 社会福祉法人が運営する保育所に雇用されている職員であれば、社会福祉施設職員等退職手当共済制度に加入することができる。
D 共同募金の配分先としては、社会福祉法人が設置した保育所だけでなく公立保育所にも認められている。
A B C D
1 ○ ○ × ×
2 ○ × ○ ×
3 ○ × × ○
4 × ○ ○ ○
5 × ○ ○ ×
問14 次の組み合わせは、社会福祉援助技術の発展に関わる人物とその理念や業績等に関する組み合わせである。適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A ニューステッター(Newstetter, W.I.)-----インターグループ・ワーク説
B バートレット(Bartlett, H.)-----『社会福祉実践の共通基盤』
C リッチモンド(Richmond, M.E.)-----『社会診断』
D コノプカ(Konopka, G.)-----エンパワメント・アプローチ
A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ×
3 ○ × × ○
4 × ○ ○ ○
5 × × ○ ○
問15 次の文は、集団援助技術(グループワーク)の展開過程に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 集団援助技術(グループワーク)の展開過程を、準備期、開始期、作業期、終結期の4つの段階に分ける考えがある。
B 準備期における援助者の具体的な役割のひとつに、個々のメンバーと予備的接触をして、事前の情報を得ることがあげられる。
C 作業期とは、「個人」と「グループ」が自分たちの課題に取り組み、展開し、目的達成のために明確な成果が出るようにすすめていく段階である。
D グループ活動を展開するためにプログラム活動は重要であるので、プログラム活動が具体的に進むように援助者が中心となって行動しなければならない。
A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ×
3 ○ × ○ ×
4 × ○ ○ ○
5 × × ○ ○
問16 次の文のうち、バイステック(Biestek, F.P.)の7つの原則として適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 援助者が自分の倫理観や価値観のみで、利用者を裁いてはならないということ。
B 一人ひとりの利用者が独自性をもつ存在であることを認めなければならないということ。
C 援助者が自分の個人的感情を制御することで、利用者の感情に共感するということ。
D 自らの権利やニーズを主張できない利用者に代わって、援助者が権利保障を求めて、主張するということ。
A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ×
3 ○ × × ○
4 × ○ ○ ○
5 × × ○ ○
問17 次の文は、社会福祉援助技術における間接援助技術に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 間接援助技術とは、直接的に生活課題をもつ利用者と関わるのではなく、利用者の生活圏である地域に焦点をあてたり、また直接援助技術の活用を促進する技術などを含むものである。
B 間接援助技術のひとつである地域援助技術(コミュニティワーク)は、直接援助技術が円滑に展開できるように利用者が生活する場である地域社会にはたらきかける方法である。
C 間接援助技術である社会福祉調査法、社会活動法、社会福祉計画法のうち、既存のサービスなどでは問題解決ができないときに、国や地方自治体に働きかけたり世論を喚起する方法は、社会福祉計画法である。
D 間接援助技術のひとつであるネットワークは、複数のニーズをもつ個人や家族が地域で生活を維持できるように、効率的にサービスと結びつける機能を果たす役割を担っている。
A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ×
3 ○ × ○ ×
4 × ○ × ○
5 × × × ○
問18 次の文は、社会福祉に関する法律の中の情報提供についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 社会福祉法では、社会福祉事業の経営者は、福祉サービスを利用しようとする者が、適切かつ円滑にこれを利用することができるように、その経営する社会福祉事業に関し情報の提供を行うよう努めなければならないと定められている。
B 児童福祉法では、市町村は、子育て支援事業に関し必要な情報の提供を行うことと定められている。
C 社会福祉法では、国及び地方公共団体は、福祉サービスを利用しようとする者が必要な情報を容易に得られるように、必要な措置を講ずるよう努めなければならないと定められている。
D 福祉サービスに関して情報提供が法的に定められたのは、身体障害者福祉法が最初である。
A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ×
3 ○ × ○ ○
4 × ○ × ○
5 × × ○ ×
問19 次の文は、社会福祉事業における苦情解決システムに関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 第三者委員は、福祉サービスの利用者やその家族、地域住民等からそのサービスに関する苦情や疑問等を受け、調整するために福祉事務所に設置されている。
B 福祉サービスの苦情解決を適切に行うため、都道府県社会福祉協議会に運営適正化委員会が置かれている。
C 苦情解決のために、社会福祉施設では施設長が苦情受付担当者となることが、社会福祉法で義務付けられている。
D 社会福祉法では、社会福祉事業の経営者が、常に、その提供する福祉サービスについて、利用者等からの苦情の適切な解決に努めなければならない、と定められている。
A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ × × ○
3 × ○ ○ ×
4 × ○ × ○
5 × × ○ ○
問20 次の文は、日常生活自立支援事業(福祉サービス利用援助事業)に関する記述である。適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。
A 日常生活自立支援事業(福祉サービス利用援助事業)は、認知症高齢者など自己決定能力の不十分な者の福祉サービス利用を支援するための仕組みとして制度化されている。
B 日常生活自立支援事業(福祉サービス利用援助事業)では、日常的な金銭管理は行わないこととされている。
C 都道府県社会福祉協議会に設置されている運営適正化委員会の業務の一つに、日常生活自立支援事業(福祉サービス利用援助事業)が正しく事業を行っているのかを監視することが含まれている。
D 日常生活自立支援事業(福祉サービス利用援助事業)では、事業の性格上、個々の利用者の意向よりも専門家の判断が優先される。
1 A B 2 A C 3 B C 4 B D 5 C D
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問1.2 問2.3 問3.4 問4.1 問5.3 問6.4 問7.4 問8.4 問9.1
問10.1 問11.1 問12.3 問13.5 問14.1 問15.1 問16.1 問17.2 問18.1
問19.4 問20.2