平成20年度 精神保健
問1 次の文のうち、適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。
A 神経細胞(ニューロン)は、ニッスル小体を介して隣り合う神経細胞へ電気信号を送る。
B 脊髄には31 対の脊髄神経が出入りする。
C 小脳は、左右に分かれる小脳半球と脳梁からなる。
D 中脳には、呼吸中枢、血液循環調節・体温調節中枢などの生命維持に特に直接関わる重要な中枢が位置する。
E 側頭葉には聴覚の中枢が、後頭葉には視覚の中枢がある。
1 A B 2 A C 3 B C 4 B E 5 D E
問2 次の文のうち、国際疾病分類第10版(ICD-10)における多動性障害についての記述として適切なものの組み合わせを一つ選びなさい。
A 乳幼児期のしつけ不足が原因である場合が多い。
B 繰り返し叱ることで、徐々におとなしくなっていく。
C 就学前の子どもでは、診断は慎重にすべきである。
D 注意の障害と多動が基本的特徴である。
E 自閉症と診断される場合も多動性障害の診断を優先する。
1 A B 2 A C 3 B D 4 C D 5 D E
問3 次の文のうち、国際疾病分類第10版(ICD-10)における反応性愛着障害についての記述として適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A ほとんどの場合、ひどく不適切な養育に関係して生じる。
B 正常な環境下で育て直すことによって症状は改善する。
C 言語発達が障害されることがある。
D 多くの例では仲間たちとの社会的相互交流が乏しい。
E 自閉症でみられるようなこだわり行動が特徴である。
A B C D E
1 ○ ○ ○ ○ ×
2 ○ × ○ ○ ○
3 × ○ ○ ○ ×
4 × ○ × ○ ×
5 × × × × ○
問4 次の文のうち、アスペルガー症候群についての記述として適切なものの組み合わせを一つ選びなさい。
A 広汎性発達障害に分類される。
B こだわりがないことで自閉症と区別される。
C 他者の思考や感情を直感的に推測することが苦手である。
D 興味のある事柄であれば非常に高度な知識を有する場合がある。
E 運動発達は全般に良好である場合が多い。
1 A B C 2 A C D 3 B C D 4 B D E 5 C D E
問5 次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
5歳の男児。保育所では、保育士の声かけに応じることなく部屋の中を走り回っていることが多い。よくひとりでテレビのアニメ番組のセリフをしゃべっているが、他人から話しかけられても返事をしない。
【設問】
次の記述のうち、この子どもで最も疑われる精神医学的問題において、幼児期に多く見られる症状はどれか。適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 特定の事物への強い執着
B 突然の予定変更に対するパニック
C 被害妄想
D 抑うつ気分
E 想像的な遊びの欠如
A B C D E
1 ○ × × × ×
2 ○ ○ ○ × ×
3 ○ ○ × ○ ○
4 ○ ○ × × ○
5 ○ ○ ○ ○ ○
問6 次の記述のうち、パニック障害でよく見られる症状はどれか。適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 離人感
B 強直間代けいれん
C 動悸
D 窒息感
E 幻覚
A B C D E
1 × ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ ○ × ×
3 ○ ○ × ○ ○
4 ○ × ○ ○ ×
5 × × ○ ○ ○
問7 次の睡眠障害についての記述のうち、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A ナルコレプシーの睡眠麻痺では、睡眠エピソードの開始または終了時に全身の筋硬直が起こる。
B ナルコレプシーの薬物治療には塩酸メチルフェニデートが一般的に用いられている。
C 不登校を呈する子どものなかには、概日リズム睡眠障害の睡眠相後退型を呈するものがある。
D 悪夢障害は、レム睡眠から緩徐に覚醒し、覚醒後の意識はもうろうとしている。
E 睡眠時遊行症では、翌朝にエピソードを想起できないことが多い。
A B C D E
1 × ○ ○ × ○
2 ○ × ○ ○ ○
3 × ○ ○ ○ ×
4 × ○ × ○ ×
5 × × × × ○
問8 次の文のうち、子どものうつ病についての記述として適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A イライラ感(精神運動性焦燥)を主症状のひとつととらえ直すと理解しやすい。
B 身体的な訴えが多い。
C 両親の評価も重要であり、年齢段階別の特徴的行動を具体的に聴取していく。
D 原因については、脳の感情中枢におけるドーパミン仮説が有力である。
E 大人と異なり、心理社会的要因のひとつとしての喪失体験は、症状形成に関与しない。
A B C D E
1 ○ ○ × ○ ○
2 ○ × ○ × ○
3 × ○ ○ ○ ×
4 ○ ○ ○ × ×
5 × × × × ○
問9 次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
5歳の女児。保育園で製作の時間中に突然意識を失って倒れ、両側四肢を強くつっぱり、その後けいれんが起こった。1分ほどでけいれんが終わった後はボーッとした状態が数分間続き、徐々に意識が回復した。体温を測ったところ36.7℃であった。1歳のときと2歳のときに1度ずつ、いずれも38℃台の高熱を出した際に同様の症状が出現したことがあった。
【設問】
次の記述のうち、この子どもで最も疑われる精神医学的問題において、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 家族に連絡をとり、医療機関を受診することが望ましい。
B 明らかに熱性けいれんなので、病気ではない。
C 診断確定のためには脳波検査が有用である。
D 心理的なストレスが直接の誘因となることが最も多い。
E 学童期以降に再発することはきわめてまれである。
A B C D E
1 ○ × ○ × ×
2 ○ ○ ○ × ×
3 × ○ ○ ○ ×
4 ○ × ○ × ○
5 ○ ○ × ○ ○
問10 次の精神症状のうち、統合失調症と関係があるものを○、関係がないものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 思考化声 B 被害妄想 C 自閉 D 抑うつ E 妄想知覚
A B C D E
1 ○ ○ × × ×
2 ○ ○ × × ○
3 × × ○ ○ ×
4 ○ ○ ○ × ○
5 ○ ○ ○ ○ ○
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問1.4 問2.4 問3.1 問4.2 問5.4 問6.4 問7.1 問8.4 問9.1
問10.5