保育士試験

2008年度保育士国家試験 保育原理

 

平成20年度 保育原理

 

問1 次の文は、保育に関連する法律等についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 「児童福祉法第24条」には、「保育の実施」については規定されているが、「保育の内容」については規定されていない。

B 「児童福祉法」では、児童を満18歳に満たない者と定義して、乳児を満3歳に満たない者、幼児を満3歳から小学校就学の始期に達するまでの者、少年を小学校就学の始期から満18歳に達するまでの者と分けている。

C 「教育基本法」は、子どもの自立心を育成し、心身の調和のとれた発達を図る責任は、第一義的に父母その他の保護者にあるとして、国及び地方公共団体が、家庭教育を支援するために必要な施策を講ずるよう規定している。

D 「児童福祉施設最低基準」には、保育所の保育時間の基準が示されている。保育所の保育時間は1日9時間を原則とするが、保護者の労働時間や家庭の状況等を考慮して、市町村長がこれを定める。

  A B C D
1 ○ ○ × ×
2 ○ × ○ ×
3 ○ × × ×
4 × ○ × ○
5 × × ○ ○

 

問2 次の文は、認定こども園に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 認定こども園の設置者は、毎年、その運営の状況を都道府県知事に報告しなければならない。

B 認定こども園は、乳幼児を保育することを目的とする児童養護施設である。

C 認定こども園の施設設備及び運営の基準は国が定めている。幼稚園と保育所の機能のほかに保護者に対する子育て支援のための機能も備える必要がある。

D 認定こども園には、「幼稚園型」「保育所型」「地方裁量型」の種類があるが、認定基準は、都道府県知事が条例により定める。

  A B C D
1 ○ × ○ ×
2 ○ × × ○
3 × ○ ○ ○
4 × ○ ○ ×
5 × ○ × ○

 

問3 次の文は、保育関連事業に関する記述である。【Ⅰ群】の記述と【Ⅱ群】の語句とを結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】

A 保育所による施設型の集団保育と異なり、保育者の居宅で少人数での保育を行う形態をとる。大都市周辺の自治体を中心に産休明け・乳児保育の需要に応じるため、保育所の補完的事業として始められた。

B 市町村が定めた事由により、児童の保護者のいずれもが、一定程度(1か月当たり概ね64時間以上)保育できないと認められる就学前児童を対象に、必要に応じて保育を行う事業。

C 会員組織により、保育施設の保育終了後の育児、送り迎え、急な残業や子どもの病気など、保育施設では対応できない場合に利用される地域住民どうしによる相互援助で実施される子育て支援サービス。

D 父母や保育者、地域住民が設置・運営主体となって始められたものを総じた呼称。認可保育所に入所できない場合や0歳児保育、産休・育休明け、長時間保育等、認可保育所のサービスでは不足している子育てニーズに対応するため、自主的な運動から生まれてきた。

【Ⅱ群】 ア ファミリー・サポート・センター事業  イ 共同保育所  ウ 特定保育事業  
エ 家庭的保育事業

  A  B C  D
1 ア ウ イ エ
2 イ エ ウ ア
3 ウ ア エ イ
4 エ イ ア ウ
5 エ ウ ア イ

 

問4 次の文は、保育士に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 「児童福祉法」は、保育所において質の高い保育を実践するために、保育士に保育の内容に関する研修を義務付け、その実施の有無に関する罰則も規定している。

B 保育士は、登録証を失ったときは、どこでも身近な都道府県知事に登録証の再交付を申請することができる。

C 保育士は、正当な理由がなく、その業務に関して知り得た人の秘密をもらしてはならないが、これは倫理の問題であり、違反しても罰金の対象にはならない。

D 保育士の定義では、児童の保護者に対する、保育に関する指導も業務に含まれる。

  A B C D
1 ○ × ○ ×
2 ○ × × ○
3 × ○ ○ ×
4 × ○ × ○
5 × × × ○

 

問5 次の文は、国連「児童の権利に関する条約」(平成6年5月16日/条約第2号)第29条の一部である。( A ).( D )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

締約国は、児童の教育が次のことを指向すべきことに同意する。
(a)児童の人格、才能並びに精神的及び身体的な能力をその可能な最大限度まで発達させること。
(b)( A )及び基本的自由並びに国際連合憲章にうたう原則の尊重を育成すること。
(c)児童の父母、児童の文化的同一性、( B )及び価値観、児童の居住国及び出身国の国民的価値観並びに自己の文明と異なる文明に対する尊重を育成すること。
(d)すべての人民の間の、種族的、国民的及び宗教的集団の間の並びに原住民である者の間の理解、( C )、寛容、両性の平等及び友好の精神に従い、自由な社会における責任ある生活のために児童に準備させること。
(e)( D )環境の尊重を育成すること。

   A    B   C   D
1 平和 民族 尊厳 文化
2 生命 宗教 受容 教育
3 生活 伝統 共生 地域
4 人権 言語 平和 自然
5 信条 習慣 安心 生活

 

問6 次の文は、日本の保育の歴史に関する記述である。【Ⅰ群】の記述と【Ⅱ群】の語句とを結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】

A 1890年に開設した私塾に併設された保育室が発展したものである。貧困層の子女のために乳幼児を無料で預かっていたが、やがて母子家庭や工場・行商に働きに出る夫婦の幼児なども預かるようになった。日本人による最初の本格的な託児所といわれている。

B 1880年に、地元有識者たちの要望で、市街地区の二〇箇町連合町会組織により設立された町立の幼稚園。京都博覧会、奈良博覧会に園児の製作品、恩物、遊具を出品して幼稚園への理解を広めた。

C 1900年に、2人のクリスチャンによって設立された。付近の貧困家庭の幼児を入園させ、日中街路で悪い習慣を身につける幼児たちを良い環境で教育し、親の育児負担を軽減することを目的とした。

D 1909年にいわゆるスラム地域に設立された保育施設。貧困家庭の6歳以下の乳幼児を預かった。その後、幼稚園を併設して3歳未満の乳幼児を保育所、3歳以上の幼児を幼稚園に収容した。

【Ⅱ群】 ア 愛染橋保育所  イ 二葉幼稚園  ウ 守孤扶独幼稚児保護会
エ 愛珠幼稚園

  A  B  C  D
1 ア イ ウ エ
2 イ ア エ ウ
3 ウ ア エ イ
4 ウ エ イ ア
5 エ ウ ア イ

 

問7 次の文は、日本における保育思想の歴史に関する記述である。【Ⅰ群】の記述と【Ⅱ群】の人物とを結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】

A 1900年に、女子高等師範学校(現・お茶の水女子大学)助教授兼同校附属幼稚園批評係に任命された。フレーベルの『人間の教育』などの欧米の新しい理論に基づき、わが国の恩物主義保育を批判した。その保育理論は恩物主義にかわって、幼児の自己活動を重視し、遊戯を中心にすえたものであった。『幼稚園保育法』(1904年)は彼の保育理論を展開したものである。

B フレーベルの設立した養成学校で保育の理論と実際を学び、1876年から1881年まで、東京女子師範学校(現・お茶の水女子大学)附属幼稚園の主任として保姆の指導にあたり、フレーベルの理論を保姆たちに伝えた。

C 女子高等師範学校(現・お茶の水女子大学)に勤めた後、1915年に目白に幼稚園を創立し、保姆養成所を経営した。また、共著で『幼児教育法』を出版した。その考え方は、遊戯を重視してその中で幼児を誘導するというものであった。

D 1875年に東京女子師範学校(現・お茶の水女子大学)教員となり、1876年附属幼稚園の創立とともに保姆となる。1879年には鹿児島に渡り、保姆養成に尽力した。1887年に渡欧し、帰国後は女子教育にたずさわった。『保育の栞』『恩物大意』などの手記がある。

【Ⅱ群】 ア 和田実  イ 東基吉  ウ 豊田芙雄  エ 松野クララ

  A  B  C  D
1 ア イ エ ウ
2 イ ア ウ エ
3 イ エ ア ウ
4 ウ ア エ イ
5 エ イ ア ウ

 

問8 次の文は、保育所保育指針と幼稚園教育要領に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 昭和38年に出された「幼稚園と保育所との関係について」において、「保育所のもつ機能のうち、教育に関するものは、幼稚園教育要領に準ずることが望ましいこと。このことは、保育所に収容する幼児の全てを対象とすること。」と記している。

B 保育所保育指針が初めて作成されたのは、昭和40年である。この保育所保育指針では、保育内容として、全年齢を通じて、健康、社会、自然など6領域として示している。

C 平成2年施行の保育所保育指針は、同年施行の幼稚園教育要領との整合性が図られ、保育内容として健康、社会、自然など領域として示している。

D 平成12年施行の現行の保育所保育指針は、保育の内容について、8つの発達過程区分で示されている。

E 現行の保育所保育指針、幼稚園教育要領は共に告示であり、法的に拘束力があるものとして位置づけられている。

  A B C D E
1 ○ × ○ ○ ○
2 ○ × ○ × ○
3 × ○ × ○ ×
4 × ○ × × ○
5 × × × ○ ×

 

問9 「児童福祉施設最低基準」には、保育所に関して、「設備の基準」、「職員」、「保育時間」、「保護者との連絡」等について規定されている。次の、ある社会福祉法人立の保育所の「保育所入所のしおり」に記載されている事項のうち、「児童福祉施設最低基準」の規定に準じているものを○、準じていないものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 本園の保育時間は、保護者の方々の労働時間等を考慮して、朝7時30分から18時までとしています。

B 本園の職員は、所長、保育士、看護師、事務員、嘱託医という構成です。なお、本園では、調理業務の全部を委託しています。

C 本園は、乳児、1歳児、2歳児、3歳児、4歳児、5歳児という年齢別の6クラスに分かれています。乳児クラス、1歳児クラス、2歳児クラスはいずれもおおむね6人の子どもに対して1人の保育士、3歳児クラス、4歳児クラス、5歳児クラスは、いずれもおおむね30人の子どもに対して1人の保育士を配置しています。

D 本園は、保護者の方々が安心して就労と子育ての両立ができるように努力しています。そこで、保護者の方々には、健康・安全に関する事など必要なこと以外は連絡したり、協力をお願いすることがないようにいたします。

E 本園は、子どもの健康的な生活を確保するために、入所児全員に年1回の健康診断を行い、その結果を保護者の方々に連絡いたします。

  A B C D E
1 ○ ○ × ○ ○
2 ○ ○ × × ×
3 ○ × × × ×
4 × ○ ○ × ○
5 × × ○ ○ ×

 

問10 次の文のうち、現行の「保育所保育指針」の総則に示される「保育の目標」の一部である記述を○、一部ではない記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 十分に養護の行き届いた環境の下に、くつろいだ雰囲気の中で子どもの様々な欲求を適切に満たし、生命の保持及び情緒の安定を図ること。

B 子どもの発達について理解し、子ども一人一人の特性に応じ、生きる喜びと困難な状況への対処する力を育てることを基本とし、発達の課題に配慮して保育すること。

C 人との関わりの中で、人に対する愛情と信頼感、そして人権を大切にする心を育てるとともに、自主、協調の態度を養い、道徳性の芽生えを培うこと。

D 子どもが自発的、意欲的に関われるような環境の構成と、そこにおける子どもの主体的な活動を大切にし、乳幼児期にふさわしい体験が得られるように遊びを通して総合的に保育を行うこと。

E 一人一人の子どもの活動を大切にしながら、子ども相互の関係づくりや集団活動を効果あるものにするように援助すること。

  A B C D E
1 ○ × ○ × ×
2 ○ × × ○ ×
3 ○ × × × ○
4 × ○ ○ ○ ×
5 × ○ × ○ ○

 

問11 次の文のうち、現行の「保育所保育指針」における「保育の内容構成の基本方針」として適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 保育の内容は、「ねらい」「内容」及び「配慮事項」から構成される。

B 「ねらい」は、保育の目標をより具体化したものである。

C 「ねらい」は、「保育士が行わなければならない事項」及び「子どもが身につけることが望まれる心情、意欲、態度などを示した事項」である。

D 「内容」は、保育士が行うべき基礎的事項をねらいにそって、保育士の側から「配慮事項」として示したものである。

E 3歳以上児の各年齢の内容は、「健康」「人間関係」「環境」「言葉」「表現」の領域のみで構成されている。

  A B C D E
1 ○ ○ × ○ ×
2 ○ × × ○ ×
3 × ○ ○ × ×
4 × ○ × × ○
5 × × ○ × ○

 

問12 次は、現行の「保育所保育指針」の保育の「ねらい」、「内容」、「配慮事項」の一部である。A~Eにあてはまるア~キの記述の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

(区分)1歳3か月~2歳未満児
(ねらい)安心できる保育士との関係の下で、食事、排泄などの活動を通して、自分でしようとする気持ちが芽生える。
(内容) A
(配慮事項)食欲や食事の好みに偏りが現れやすい時期なので、日常の心身の状態を把握しておき、無理なく個別に対応する。

(区分)2歳児
(ねらい)安心できる保育士との関係の下で、食事、排泄などの簡単な身の回りの活動を自分でしようとする。
(内容) B
(配慮事項) C

(区分)3歳児
(ねらい)食事、排泄、睡眠、衣服の着脱などの生活に必要な基本的な習慣が身につくようにする。
(内容) D
(配慮事項) E

ア 食べ慣れないものや嫌いなものでも少しずつ食べようとする。

イ 食事、排泄、睡眠、衣類の着脱など生活に必要な基本的な習慣については、一人一人の子どもの発育・発達状態、健康状態に応じ、十分に落ち着いた雰囲気の中で行うことができるようにし、また、その習慣形成に当たっては、自分でしようとする気持ちを損なわないように配慮する。

ウ スプーン、フォークを使って一人で食べようとする気持ちを持つようにする。

エ 顔を拭く、手を洗う、鼻を拭くなどを保育士の手を借りながら少しずつ自分でする。

オ 身の回りのことは一応自分でできるようになるが、自分でしようとする気持ちを大切にしながら、適切な援助をするように配慮する。

カ 保育士の手助けにより、自分で手洗いや鼻をかむなどして清潔を保つ。

キ 食事の前後や汚れたときは、顔や手を拭いて、清潔になることの快さを喜ぶようにする。

  A  B  C  D E
1 ア エ キ カ イ
2 ア カ オ イ キ
3 ウ エ イ カ オ
4 ウ カ オ ア キ
5 カ ア イ キ オ

 

問13 次は、現行の「保育所保育指針」における「発達の主な特徴」と保育の「内容」についての一部である。A~Fにあてはまるア~カの記述の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

(区分)2歳児
(発達の主な特徴)日々の生活の中での新たな体験は、子どもの関心や探索意欲を高め、そこで得られた喜びや感動や発見を、自分に共感してくれる保育士や友達に一心に伝えようとし、一緒に体験したいと望むようになる。
(内容) A

3歳児
(発達の主な特徴) B
(内容)遊具や用具などを貸したり借りたり、順番を待ったり交代したりする。

(区分)4歳児
(発達の主な特徴)自我がしっかりと打ち立てられ、自分と他人との区別もはっきりしてくる。
(内容) C

(区分)5歳児
(発達の主な特徴) D
(内容) E

(区分)6歳児
(発達の主な特徴)大人のいいつけに従うよりも自分や仲間の意思を大切にし、それを通そうとするようになる。
(内容) F

ア 他人に迷惑をかけたら謝る。

イ 一人一人の子どもの気持ちを理解し、受容することにより、子どもとの信頼関係を深め、自分の気持ちを安心して表すことができるようにする。

ウ 友達との関わりの中でよいことや悪いことがあることが分かり、判断して行動する。

エ 行動を起こす前に考えることもできるようになり、自分や他人を批判する力も芽生えてきて、「ずるい」とか「おかしい」など不当に思うことを言葉で表すようになる。

オ 他の子どもとの触れ合いの中で、少しずつ友達と分け合ったり、順番を守って遊んだりできるようになる。

カ 人に迷惑をかけないように人の立場を考えて行動しようとする。

  A  B  C  D  E  F
1 ア イ カ オ ウ エ
2 ア オ カ エ ウ イ
3 イ オ ア エ カ ウ
4 イ カ ウ オ ア エ
5 オ エ ア カ イ ウ

 

問14 次の文は、現行の「保育所保育指針」の「歳児の保育の内容」の一部である。これらと保育内容の領域(健康、人間関係、環境、言葉、表現)との正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 身近な大人の仕事や生活に興味を持ったり、それらを取り入れたりして遊ぶ。

B 遊具、用具や自然物を使い、様々な動きを組み合わせて積極的に遊ぶ。

C 身近な生活経験をごっこ遊びに取り入れて遊ぶ楽しさを味わう。

D 外国の人など、自分とは異なる文化を持った人の存在に気づく。

E 身の回りの出来事に関する話に興味を持つ。

    A      B   C    D      E
1 人間関係 表現 健康 環境    言葉
2 環境    健康 表現 人間関係 言葉
3 表現    環境 言葉 健康    人間関係
4 環境    表現 健康 言葉    人間関係
5 言葉    健康 表現 人間関係 環境

 

問15 次の文のうち、現行の「保育所保育指針」に関する記述として適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

ア 「長期的な指導計画の作成に当たっては、季節や地域の行事などを考慮して、子どもの生活に変化と潤いをもたせるように配慮すること。行事については、保護者が我が子の成長を確認し、喜びを体験するために、日常の保育とは異なる特別な計画を作成すること。」と示されている。

イ 「長期的な指導計画の作成に当たっては、季節や地域の行事などを考慮して、子どもの生活に変化と潤いをもたせるように配慮すること。行事については、子どもが楽しく参加でき、生活経験が豊かなものになるように、日常の保育との調和のとれた計画を作成すること。」と示されている。

ア 領域「表現」において、「表現しようとする気持ちを大切にし、生活や経験と遊離した特定の技能の修得に偏らないように配慮する。」ということが、4歳児および5歳児の配慮事項で示されている。

イ 領域「表現」において、「子どもはさまざまな可能性を秘めているので、練習を積み重ねることによって、より高い技能を身につけていくようにすることが大切である。」ということが、4歳児および5歳児の配慮事項で示されている。

ア 保育所保育指針の6歳児の配慮事項の領域「環境」では、「情報社会の中で、子どもは数、量、形、位置、時間などに関心が高いので、ドリルなどを活用して、しっかりと身につけさせるよう配慮する。」と示されている。

イ 保育所保育指針の6歳児の配慮事項の領域「環境」では、「生活や遊びの中で、様々な事物と具体的な体験を通して、数、量、形、位置、時間などについての感覚が、無理なく養われるように配慮する。」と示されている。

ア 6か月未満児の保育の内容の配慮事項には「愛情豊かな様々な大人との即時性のある応答的で豊かな関わりが、子どもの人格形成の基盤となる。」と示されている。

イ 6か月未満児の保育の内容の配慮事項には「愛情豊かな特定の大人との継続性のある応答的で豊かな関わりが、子どもの人格形成の基盤となる。」と示されている。

   A    B   C   D
  アイ  アイ アイ アイ
1 ○ ×  × ○  × ○  ○ ×
2 ○ ×  × ○  × ○  × ○
3 × ○  ○ ×  ○ ×  × ○
4 × ○  ○ ×  × ○  × ○
5 × ○  × ○  × ○  ○ ×

 

問16 次の文は、現行の「保育所保育指針」における「保育の計画作成上の留意事項」の一部である。( A )~( E )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

(1)各保育所では、子どもの( A )や( B )を見通した年、期、月など長期的な指導計画と、それと関連しながらより具体的な子どもの( A )に即した、週、日などの短期的な指導計画を作成して、保育が適切に展開されるようにすること。

(2)指導計画は、子どもの( C )に即して保育できるように作成すること。

(3)子どもの主体的な( D )を促すためには、保育士が多様な関わりを持つことが重要であることを踏まえ、子どもの情緒の安定や( B )に必要な豊かな体験が得られるように援助を行うこと。

(4)短期の指導計画の作成に当たっては、長期的な指導計画の具体化を図るとともに、その時期の子どもの( E )や生活に即した保育が柔軟に展開されるようにすること。その際、日課との関連では、1日の生活の流れの中に子どもの( D )が調和的に組み込まれるようにすること。

   A    B   C     D    E
1 将来 生活 実態   活動 発達
2 生活 遊び 個人差 発達 活動
3 遊び 発達 生活   興味 発達
4 将来 遊び 生活   発達 活動
5 生活 発達 個人差 活動 実態

 

問17 次の文は、現行の「保育所保育指針」の「保育の計画作成上の留意事項」における「障害のある子どもの保育」の一部である。( A )~( E )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

障害のある子どもに対する保育については、一人一人の子どもの発達や障害の( A )を把握し、指導計画の中に位置づけて、適切な環境の下で( B )との生活を通して、両者が共に健全な発達が図られるように努めること。
この際、保育の展開に当たっては、その子どもの発達の状況や日々の状態によっては指導計画にとらわれず、柔軟に保育することや( C )の中で( D )関わりが十分とれるようにすること。また、( E )との連携を密にし、親の思いを受け止め、必要に応じて専門機関からの助言を受けるなど適切に対応すること。

   A    B         C           D         E
1 内容 保育者    時間配分      集団との     他職種
2 程度 園全体    クラス間の行き来 他の子どもとの 地域
3 種類 家庭     家庭的雰囲気   保育者との    所長
4 状態 他の子ども 職員の連携体制  個別の      家庭
5 進度 地域     他機関との連携  家庭との     他の保育士

 

問18 次の文のうち、現行の「保育所保育指針」の「健康・安全に関する留意事項」の内容として適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 季節や活動状況に応じて、子どもの疲労に注意して、適切な休養がとれるように配慮する。また、休養の方法は、心身に安静が保てるよう午睡を徹底するように配慮する。

B 子どもは、一人一人の状況に応じた健康の維持増進が必要であり、保育の中で積極的に体力づくりを導入するように配慮する。

C 乳幼児突然死症候群(SIDS)の予防には、その危険因子をできるだけ少なくすることが重要であり、特に寝返りのできない乳児を寝かせる場合には、一人一人の乳児の好きな姿勢で寝かせ、また、睡眠中の子どもの顔色、呼吸の状態をきめ細かく観察するように心がける。

D 発達状態に応じて、排泄の自立のための働きかけを行うが、無理なしつけは自立を遅らせたり、精神保健上も好ましくないので、自立を急がせないように留意する。

E 子どもの発育・発達状態の把握は、保育の方針の決定や子どもの健康状態を理解する上で必要であるので、体重、身長、頭囲、胸囲などの計測を必要に応じて行うとともに、バランスのとれた発育に配慮する。

  A B C D E
1 ○ ○ × ○ ×
2 ○ × ○ × ○
3 × ○ ○ × ×
4 × ○ × ○ ×
5 × × ○ ○ ○

 

問19・問20 次の文は、勤続3年目で、2歳児クラスを担当をしている保育士が、新入園児で3歳になったばかりのM子の母親から受けた相談の内容である。問19・問20に答えなさい。

【事例】

入園後3か月経ったある朝、M子の母親が、いつもより遅い登園で、「お願いします。」とやっと聞こえる程の小さな声で言い、あわただしく保育室を出て行きました。どうしたのかと思って連絡帳を見ると「先生、お話ししたいことがあります。昨日、3歳児健診に行ったところ、医師から『少しことばの出方が遅いし、発音が明瞭でないので、児童相談所に行き、専門家と話しあってみたら。』と言われました。家族である夫にも、M子の祖母にも何も言えずにいます。これからどうしていいか、わからなくなってしまいました。」と書かれていました。

 

問19 この相談を受けた保育士の、母親への対応として適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 母親が家族にも何も言えないでいることや、直接保育士に相談してこないことから、「あまり心配しないように。」と連絡帳に書いてしばらく様子を見る。

B 担任保育士が出勤する時間に合わせていつもより遅く登園していることと、連絡帳に話したいと書いてあるので、その日の迎えの時間まで待ち、担任保育士から話しかけるようにする。

C 医師からの助言であるから、とにかくすぐに児童相談所へ行くように強く勧める。

D 園でのM子の状況をよく観察し、個別の関わりをもちながら、母親とじっくり話し合う機会をつくる。

E M子について大切なことなので、一刻も早く、家族に話すように、指示する。

  A B C D E
1 ○ × ○ × ○
2 ○ × × ○ ×
3 × ○ ○ × ○
4 × ○ × ○ ×
5 × × ○ × ○

 

問20 この相談を受けた保育士自身の、園内の職員への対応や行動として適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 入園後の、クラスでのM子の様子を振り返り、特にことばの発達について検討し、主任や同僚に相談する。

B 担任として、他者に頼らずしっかりと対応することが必要なので、自分で本やインターネットで得た情報により、自分で判断して母親への対応をする。

C M子の母親の相談にどのように対応していいか不安なので、家に帰ってから、自分の家族に話し、相談する。

D 園長のリーダーシップのもと、園でケース会議を開き、検討後、健診担当の医師との話し合いの機会をつくり、M子の母親や家族への対応を共に考えるようにする。

E 園内での話し合いでは十分に意見を出し合うことができなかったので、同僚と駅の近くの店でコーヒーを飲みながら話し合った。

  A B C D E
1 ○ × ○ ○ ×
2 ○ × ○ × ○
3 ○ × × ○ ×
4 × ○ ○ × ○
5 × ○ × ○ ×

 

     ↓     ↓     ↓     解答をチェック     ↓     ↓     ↓

 

問1.2 問2.1 問3.5 問4.5 問5.4 問6.4 問7.3 問8.5 問9.2
問10.1 問11.3 問12.3 問13.3 問14.2 問15.4 問16.5 問17.4 問18.4 
問19.4 問20.3

 

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