保育士試験

2007年度保育士国家試験 小児保健

 

平成19年度 小児保健

 

問1 次の文は、ヘルスプロモーションに関する記述である。文中の( A )~( E )に当てはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。  

ヘルスプロモーションとは、人々が自らの( A )をコントロールし、( B )することができるようにする( C )である。身体的、精神的、社会的に完全に( D )な状態に到達するためには、( E )部門だけの責任にとどまらず、総合的な幅広い分野の機能が必要である。

   A   B     C       D   E
1 行動 確立 システム    適切 教育
2 生活 向上 プライマリケア 健康 行政
3 身体 活動 メディカルケア 的確 体育
4 健康 改善 プロセス    良好 保健
5 病気 治療 ヘルスケア   安寧 医学

 

問2 次の文は、新生児についての記述である。文中の( A )~( E )に当てはまる最も適切な語句の組み合わせを一つ選びなさい。

新生時期は、胎内生活から( A )への( B )の時期である。この時期は、親の養護に全面的に( C )しており、成育に不利な要因をもって生まれた子どもはいうまでもなく、( D )な子どもにおいても養護の適否がその子どもの( E )、健康を大きく左右する。

    A    B   C   D   E
1 胎外生活 変化 帰属 異常 生活
2 乳児生活 成熟 適応 病的 障害
3 単独生活 成長 同調 未熟 発達
4 個別生活 分化 準拠 健康 出生
5 胎外生活 適応 依存 健康 成育

 

問3 次の文は、平成16年におけるわが国の出生・出産に関する記述である。適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。

A 出生数は約150万人で、近年の少子化傾向はとどまらず人口千対の出生率は約15である。

B 低出生体重児の出生頻度は、平成12年のそれよりも高く、男児の方が女児よりも少ない。

C 出産順位別出生の割合をみると、第1児の方が第2児よりも少ない。

D 年齢別女子人口千対の出生率は、30?34歳群の方が20?24歳群よりも高い。

E 出生場所別の出生の割合は、病院・診療所・助産所が全体の約80%を占めている。

1 AB   2 AC   3 BD   4 CE   5 DE

 

問4 次の文は、平成16年の乳児期の死亡に関する記述である。正しいものを一つ選びなさい。

1 乳児期の不慮の事故による死亡の割合は約25%である。

2 乳児期の死因のなかで、乳幼児突然死症候群は肺炎よりも多い。

3 出生千対の乳児死亡率は、昭和35年のそれに比して約1/40である。

4 乳児期の死亡のなかに占める新生児期の死亡の割合は約30%である。

5 乳児期の死因の第1位は肺炎であり、不慮の事故よりも多い。

 

問5 次の文は、小児期の発育・発達に関する記述である。適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。

A 運動機能の発達には一定の順序があり、例えば、「首すわり」→「おすわり」→「つかまり立ち」→「歩行」の順序で進む。

B 発育の進む時期は器官により異なり、神経系の器官は乳幼児期に最も急速に発育するのに対し、免疫機能を担うリンパ系の器官は、成人期に最も急速に発育する。

C その時期に発育・発達現象が起こらないと、将来、その能力を獲得できないような、成熟過程において決定的に重要な時期のことを臨界期という。

D 一般に体重や身長は、乳児期に最も急速に増加し、その後はそのスピードはゆっくりになり、思春期にはさらにゆっくりになる。

E 新生児期の生後数日間において、出生体重の5?10%ほどの体重減少がみられることを、自然的体重減少という。

1 AC   2 AE   3 BD   4 CD   5 CE

 

問6 次の文は、小児の発達に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 脳の前頭連合野は、生命の維持に必要な、循環、呼吸、体温調節などの機能をつかさどっている。

B 脳細胞の軸索において髄鞘化が進むことにより、情報をより早く正確に伝えるようになるが、この髄鞘化は成人期以降になって盛んに行われるようになる。

C 脳の重量は、生後急速に増加して、3歳で成人の約8割に達する。

D 新生児を自然な状態で仰臥位に寝かせると、上肢、下肢とも伸展する姿勢をとる。

E 母親と子どもが触覚、視覚、聴覚、嗅覚などの感覚を介して、お互いに影響し合い、母と子の人間関係の基盤となる心のきずなを作り上げることを母子相互作用という。

  A B C D E
1 ○ × × × ○
2 × ○ ○ × ×
3 × × ○ ○ ×
4 × × ○ × ○
5 × × × ○ ○

 

問7 次の文は、小児の生理機能に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 小児は低年齢であるほど、心臓が小さいため、1回の心拍量が少なく、1分当たりの脈拍数も少ない。

B 小児期の体重1kg当たりの酸素消費量が多いので、成人と比較すると、1分当たりの呼吸回数が多い。

C 小児期は代謝が盛んで、活動性も高いため、成人と比較すると、体温は高めである。

D 小児の血管壁は厚く、硬化が少ないため、成人と比較すると、血圧は低めである。

E 小児の必要水分量は、体重1kg当たりに換算すると、成人に比べて少ない。

  A B C D E
1 ○ ○ × ○ ×
2 ○ × × × ○
3 × ○ ○ × ○
4 × ○ ○ × ×
5 × × ○ ○ ○

 

問8 次の文は、小児の栄養障害や消化器疾患に関する記述である。適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。

A 新生児期にビタミンKが欠乏した場合、吐血や下血などの消化管出血や頭蓋内出血がみられることがある。

B クワシオルコールとは、タンパク質の欠乏による栄養障害のことである。

C ビタミン摂取に関わる疾病は、欠乏によるもので、過剰な摂取では発症しない。

D 小児期に多い感染症である乳児嘔吐下痢症の原因となるウイルスは、レトロウイルスやポックスウイルスが代表的である。

E わが国では、糖尿病などの内分泌疾患の治療に必要な成分を特殊調合したミルク(特殊ミルク)を公費で供給する制度が確立されている。

1 AB   2 AC   3 BD   4 CE   5 DE

 

問9 次の文は、「保育所保育指針」に示されている子どもの健康状態の把握に関する記述である。文中の( A )~( E )について、当てはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。  

登所時において、子どもの健康状態を( A )するとともに、保護者から子どもの状態について報告を受けるようにする。また、保育中は子どもの状態を観察し、何らかの異常が発見された場合には、保護者に連絡するとともに、( B )やその子どものかかりつけの医師などと相談するなど、適切な処置を講ずる。 子どもの身体を観察するときに、不自然な傷、やけど、身体や( C )の汚れ具合等を併せて観察し、( D )虐待や( E )の発見に努める。

   A   B    C   D      E
1 観察 栄養士 着衣 性的  ネグレクト
2 把握 看護師 洋服 心理的 不適切な養育
3 聴取 園長  衣服 心理的 家庭内暴力
4 観察 嘱託医 下着 身体的 不適切な養育
5 視診 嘱託医 歯  身体的 ネグレクト

 

問10 次の文は、排泄の発達やしつけについての記述である。不適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。

A 乳児は、膀胱内に尿が溜まることや、直腸内の便の貯留が刺激になり、意識的に排泄をする。

B 尿意や便意を知覚し、自分で括約筋をある程度コントロールできるのは2歳半すぎ位なので、この頃から排泄のしつけが可能になる。

C 排泄のしつけにおいては、子どもが失敗しても怒らず、うまくできたらほめることが大切である。

D 股関節脱臼予防のためには、股おむつにし、おむつ交換の際に、無理に足を伸ばさないように注意する。

E 適切におむつ交換をすれば、おむつの素材の種類のよる排泄の自立の時期に差はない。

1 AB   2 AC   3 BC   4 BD   5 CE

 

問11 次の文は、乳幼児の世話やしつけについての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 子どもの皮膚は未発達で弱いので、湿疹や汗疹、おむつかぶれなどができやすいので、常に清潔に保つことが必要である。

B 乳児の入浴は毎日行うことが原則であり、機嫌がよい授乳や食事の直後がよい。

C 食後や外出後のうがいの習慣づけは、虫歯予防や感染予防のために重要である。

D 新生児は代謝が盛んなので、衣服は大人より少なめに着せて寝かせる。

E 日光の紫外線は皮膚に良いので、毎日の生活に日光浴を積極的にとりいれるようにする。

  A B C D E
1 ○ ○ × ○ ×
2 ○ × ○ × ×
3 × ○ ○ × ○
4 × ○ ○ × ×
5 × × ○ ○ ○

 

問12 次の文は、小児のけいれんに関する記述である。正しい記述の組み合わせを一つ選びなさい。

A けいれんの原因はいろいろあり、ときには脳炎などの重大な病気による場合がある。

B けいれんはいかなる場合でも適切に対処しなければならないので、医師の診察を受ける必要がある。

C 小児がけいれんを起こしたとき、緊急の処置として、硬いものを噛ませ、歯で舌などを傷つけないようにしなければならない。

D 発熱をともなうけいれんは熱性けいれんであり、解熱剤を飲ませて様子をみれば短時間で消失する。

E けいれんを起こしたときは、強い刺激を与えないように注意して、意識の状態を確かめる必要がある。

1 ABE   2 ACD   3 BCD   4 BDE   5 CDE

 

問13 次の文は、予防接種についての記述である。正しい記述の組み合わせを一つ選びなさい。

A 結核の予防接種はBCGであり、生後6か月に達するまでに接種を受けることになっている。

B ポリオは世界的にほぼ撲滅されたので、あえて予防接種を受けなくても問題はない。

C 麻しん・風しん混合ワクチン(MRワクチン)は、I期の生後12か月以上24か月未満と、II期の5歳以上7歳未満(小学校就学前の1年間)に接種する。

D 流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)と水痘(水ぼうそう)の予防接種は定期予防接種であり、無料で受けられる。

E A型肝炎ワクチンは有効な予防接種であるが、15歳未満の小児は接種の対象外である。

1 ABC   2 ACD   3 ACE   4 BDE   5 CDE

 

問14 次の文は、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A ヘルペスウイルスというウイルスの感染により起こる小児期に多い感染症である。

B 感染経路は飛沫感染で、潜伏期は2?3週間である。

C 4~6歳の幼児に多いが、その前後の年齢の子どもや成人でも感染する。

D 思春期以降に感染すると男児では精巣炎を合併し、男性不妊症になる危険率が極めて高い。

E 一度感染すれば、一生かかることはないので、自然感染することが望ましい。

  A B C D E
1 ○ × ○ × ×
2 ○ × × ○ ×
3 × ○ ○ × ×
4 × ○ × × ○
5 × × × ○ ○

 

問15 次の文は、子どもの誤飲事故についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 乳幼児期では、遊びや興味のためにいろいろなものを口に入れるが、その中で最も多いのは医薬品である。

B 誤って物を飲み込んだときには、躊躇せず、のどに指を突っ込むなどして吐かせなければならない。

C 金属類を誤って飲み込んでも、のどを通過して胃の中に入れば、便と一緒に自然に排出されるので放置してよい。

D ピーナッツなどの豆類は、誤って子どもの気管に入り込むことがあるので、咳き込んだり、ゼーゼーするようなら緊急に医師の診察を受ける必要がる。

E 幼児でもこんにゃくゼリーによって窒息事故を起こすことがある。この場合、窒息による酸素不足によって脳障害を残すこともある。

  A B C D E
1 ○ ○ × × ×
2 ○ ○ × ○ ×
3 ○ × ○ × ×
4 × × ○ ○ ○
5 × × × ○ ○

 

問16 次の文は、熱中症に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 熱中症は、高温環境において体温の調節異常をきたした状態で、体温の異常な上昇がみられる。

B 熱中症の場合は、電解質の異常をともなうので、水を飲ませるのは禁忌であり、濃い食塩水を与える。

C 温度と湿度の低い涼しい場所に移し、意識がしっかりしていたら、スポーツ飲料などを与え、冷水やアイスパック、扇風機等で身体を冷やして体温を下げる。

D 呼吸や意識の状態などをよく観察して、必要があれば人工呼吸を行う。

E 意識はうとうとしていても、呼吸がしっかりしていたら病院に運ぶ必要はない。

  A B C D E
1 ○ × ○ ○ ×
2 ○ × ○ × ○
3 × ○ × ○ ×
4 × ○ × × ○
5 × × ○ ○ ×

 

問17 次の文は、事故の応急処置に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×をした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 鼻に豆が入ってしまった。ピンセットでつまんで引っ張り出した。

B 捻挫をした。痛がる部位をよくもんだ。

C 犬に咬まれた。傷口を流水で洗い、医師の診察を受けた。

D 蜂に刺された。毛抜きで蜂の針を抜き冷やしたが、腫れがひどいので医師の診察を受けた。

E 誤って熱湯を手にかけてしまった。すぐに軟膏を塗って包帯で縛った。

  A B C D E
1 ○ ○ × ○ ×
2 ○ × × × ○
3 × ○ ○ ○ ○
4 × ○ × ○ ×
5 × × ○ ○ ×

 

問18 次の文は、子どもの病気や症状についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A まばたきをしたり、首をふったり、咳払いをしたり、顔をしかめたり、声を出したりなどの動作を無意識に繰り返すことをチックという。自然に治癒するが、ときには治りにくいものもある。

B 精巣(睾丸)は通常生まれたときから陰のう内に下降しているが、ときに腹腔内や鼠径部(ソケイブ)にとどまっているものがあり、停留精巣(停留睾丸)という。3歳頃には下降して陰のう内に収まるので放置しておいてよい。

C 起立性たんぱく尿では、腎臓に特別な病気がないのに、尿たんぱくが出る。早朝尿ではたんぱくは陰性であるが、起床して動いた後に尿のたんぱくが陽性になる。多くの場合、特に治療の必要はない。

D 陰のう水腫は、陰のうに液がたまって大きくなっている状態をいう。乳児期に多くみられるが、自然に治癒することはないので、繰り返し針を刺して排液し、たまらないようにする必要がある。

E アセトン血性嘔吐症は、突然嘔吐が頻発し、コーヒー色のりんごのすえたようなにおいのものを吐き、次第にうとうとし始める。血液中にアセトンが増えることが特徴である。

  A B C D E
1 ○ ○ × ○ ○
2 ○ × ○ ○ ×
3 ○ × ○ × ○
4 × ○ ○ × ○
5 × ○ × × ×

 

問19 次の文は、揺さぶられ(っ子)症候群についての記述である。正しい記述の組み合わせを一つ選びなさい。

A 揺さぶられ(っ子)症候群は、暴力的に子どもをむち打ち状に揺さぶることなどによって、脳血管の破綻を起こし、結果としてさまざまな脳障害を招く状態をいう。

B 暴力的な揺さぶりは、子ども虐待の結果であると考えられているが、日本ではほとんどみられない。

C 首すわりが未完成の乳児に出現し、首のすわった乳児ではみられない。

D 揺さぶりの結果として、硬膜下出血、網膜出血、知的障害、視覚障害などを引き起こし、ときには死亡することもある。

  A B C D
1 ○ × ○ ×
2 ○ × × ○
3 × ○ ○ ×
4 × ○ × ○
5 × × ○ ○

 

問20 次の文は、「保育所保育指針」に示された保健活動に関する記述である。文中の( A )~( E )に当てはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。  

保育所における子どもの生活、( A )、事故の発生などについて、( B )と密接な連絡ができるように体制を整えておく。また、保育士は、保護者に対して、子どもを対象とした( C )の保健活動に積極的に参加することを指導するとともに、地域の( D )に関する( E )の把握に努める。

    A      B       C      D       E
1 罹患状況 児童相談所 保育所   感染症    発生
2 健康状態 家庭     地域    保健福祉  情報
3 発達状態 嘱託医    保育所   保健活動  活動
4 健康状態 家庭     医療機関 疾病発生  情報
5 発育状態 保健所    児童館   子育て支援 実践

 

     ↓     ↓     ↓     解答をチェック     ↓     ↓     ↓

 

問1.4 問2.5 問3.3 問4.2 問5.1 問6.4 問7.4 問8.1 問9.4 
問10.1 問11.2 問12.1 問13.3 問14.3 問15.5 問16.1 問17.5 問18.3 
問19.2 問20.2

 

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