めぐみ先生の保育コラム

木育ってなに? 木のおもちゃの魅力

木育(もくいく)は、木や森林、自然とのふれあいを通じて、環境への理解や愛着を深める教育活動のことです。日本では、木材や森林資源を活用しながら、子どもたちに自然の大切さや木の魅力を伝える取り組みが広がっています。

 

ここでは、木育の目的や木のおもちゃの魅力について紹介します。

 

木育の目的

木育の目的は、単に木材を使う技術を学ぶだけでなく、木の温かみや香りを感じることで、自然との調和を意識する心を育むことにあります。

 

例えば、木のおもちゃや家具を使ったワークショップや、森の中での自然体験活動などが行われています。これにより、次世代が環境に配慮した生活を選択できるようになることが期待されています。

 

木育は、環境教育や持続可能な社会の実現に向けた重要な取り組みとされています。

 

農林水産省・林野庁のWEBサイトでは木育活動や自治体が主催する取り組みの事例が数多く紹介されています。

 

 

木のおもちゃの魅力

⒈触り心地がよい

木のおもちゃの魅力のひとつに、「触り心地の良さ」があります。木は石やコンクリートと違い、熱を奪いにくい素材なので温かく感じます。特にスギ材は水分と空気を多く含んでいるので、触ってみると温もりを感じるのです。

 

⒉自由なイメージが広がる

木のおもちゃは色や造形がシンプルです。そのため何にでも見立てて遊ぶことができ、子どもたちの自由なイメージが広がりやすいのです。

 

⒊長持ちする

木は柔らかいため傷がつきやすいのですが、その都度丁寧に直していけば、何十年も使い続けることが可能です。表面を紙やすりでこすったり、オイルでコーティングしたり、丁寧なメンテナンスによって木のおもちゃは長持ちします。

 

⒋五感を刺激する

木のおもちゃは、子どもの五感を刺激します。

 

・触覚

自然な温かみと独特の質感があり、プラスチック製のおもちゃとは異なる感覚を与えます。木の硬さや柔らかさ、表面の滑らかさやざらつきなどを感じることで、触覚の発達が促されます。

 

・視覚

木の色合いや木目の模様は、自然そのものの美しさを伝えます。木のおもちゃは自然の色調を持つことが多く、子どもにとって刺激的すぎず、穏やかな視覚体験を提供します。また、シンプルなデザインのおもちゃが多いことで、想像力を働かせる余地が増え、創造性が育まれます。

 

・聴覚

木のおもちゃは自然で落ち着いた音を奏でます。たとえば、木のブロックが重なり合う音や木琴の音色は、とても心地よいものです。

 

・嗅覚

木には独特の香りがあります。特に、新しい木や特定の木材(ヒノキなど)は、自然の香りを放ち私たちの嗅覚を刺激します。木の香りにはリラックス効果があり、安心感を与えることもあります。

 

・味覚

味覚に直接的な影響を与えることは少ないですが、幼い子どもは物を口に入れることで探索することが多いです。木製のおもちゃは自然素材であり、有害な化学物質が含まれていないものが多いため、安心して使うことができます。

 

保育における木育

シンプルで多様な使い方ができる木のおもちゃは、子どもの創造力や想像力を引き出します。保育の中に取り入れ、子どもたちが日常的に木に触れられるようになるのが理想です。

 

また、園だけでなく、家庭や地域と連携して木育を推進する方法もあります。親子で参加できる木育イベントや、地域の森林資源を活用した活動を通じて、木育を地域全体で支える仕組みをぜひ考えていきましょう。

(記事公開日 2018年06月07日)
(記事更新日 2024年08月29日)

 

佐藤愛美(さとうめぐみ)

保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。

保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。

-めぐみ先生の保育コラム