コミュニケーション講師 井上きき

コミュニケーションを学んでみてわかったこと

６年ほど勤めた商社を退職しようと思ったのは、子どもを持ち、育てながらも、続けて行ける仕事を持ちたかったから。
ちょうど、「コーチ」という生き方を知ったのもこの頃でした。「コーチ」と言っても、スポーツを教えたりするコーチではなく、人生の目標の伴走者としての「コーチ」という職業でした。

最初は「カウンセラー」との違いも、曖昧に認識した状態でした。しかし、とにかく、これが自分の生涯の仕事になるかもしれぬと、「コーチング」というコミュニケーションを学び始めました。

ひとり目の妊娠がわかった、２００３年のことでした。

学んでみて衝撃的だったのは、今まで自分は“自分のため”だけにコミュニケーションを取っていたという事実。反対にコーチングコミュニケーションは、“相手”に意識を向けたコミュニケーション方法だったんです。

相手に共感し、理解を示し、人生の味方になるコミュニケーション。

この学びおかげで、お腹の中の子が、予定日になっても生まれて来ない中、自分だけは「あなたが生まれたくなったら、生まれてきてね。」と相手のペースやタイミングを尊重する気持ちになっていました。

コミュニケーションスキルが子育てを助ける

独立開業して、コミュニケーション講座などを開催してはいましたが、同時にスクールに通って、学び続ける毎日でした。同じカリキュラムを何度も受講したり、新たなプログラムを学んだり。

つくづく、コミュニケーションは奥が深いと、すっかりハマっていきました。

２００８年に、二人目を出産し、赤ちゃん返りの長男の育児も、学んできたコミュニケーションのスキルに助けられ、何とか大変な時期を乗り越えました。

「早く早く！」と言うよりも、「お母さん、待ってるんだけどな。」

「もっとがんばって食べなさい。」よりも、「残しちゃったけど、頑張ったね。」

相手を認めてねぎらうコミュニケーションは、今でも、育児を助けてくれます。

保育士さんとの出会い

２００５年から、子どもたちをお願いしていた保育園の園長先生や、遊びに行っていた、子育て支援センターの先生のご縁で、保育士さん向けのコミュニケーション研修を担当させていただくことになりました。

７～８名の少人数制のコミュニケーション研修のプログラムを作りました。学びを実践して、それをメンバー同士シェアできるように、毎月１度、６ヶ月間のプログラムにしました。

そこで、みなさんからお聴きする保育園の現状は、わたしが想像していたものとは違う、大きな問題を抱えていたのでした。

先生が頭を悩ましているのは、子どもたちよりも、保護者や、共に働くスタッフだった。

これをきっかけに、「クレームの起こらない保育園運営」というテーマが生まれます。

このテーマのために、まず、自分にできることとして、２０１１年の幕開けと共に、【保育士さん幼稚園の先生のための クレームにならない保護者対応講座】というブログをつづり始めました。

食育講師という顔

私のところに生まれてきた子どもたちは、ひどい好き嫌いや少食の子どもたちでした。

長男の好き嫌いにどうやって向き合っていこうか？と悩んでいるとき、やはり私にはコミュニケーションしかありませんでした。

長男が、みずから食べたくなる言葉がけや環境づくりをしつつ、自分自身も料理や食育を学んできました。

栄養、しつけ、家族関係などの点からも、ベストな好き嫌い少食対応法を、自身の体験をもとに、講座やブログ、教材で伝えています。

※ブログ【食べない子どもが食べたくなる！ワクワクごはん大作戦】

≪2012年4月4日 コラム≫