平成16年度 精神保健
問1 次の記述のうち、適切な記述を一つ選びなさい。
1 子どもにみられる心因性障害の主な原因は、母親の不適切な養育行動である。
2 家族システムは、夫婦関係、親子関係、きょうだい関係の3つのサブシステムから構成されるが、これらのシステムの間の影響の仕方は変わりにくいものである。
3 最近の若い夫婦の共働きの家庭では、家事や育児の分担は夫婦で均等にするようになった。
4 最近の合計特殊出生率低下の原因は、未婚率の上昇、産育コストの増大、社会的支援システムの未整備など、複合的である。
5 人の顔に対する乳児の注視行動の発達傾向は、最初は目や口・鼻などの内部に向けられ次第に輪郭に向けられる。
問2 吃音(きつおん)についての記述である。適切な記述を一つ選びなさい。
1 乳幼児期に始まり、おとなになっても終生続く。
2 場面によって症状が悪化する。
3 養育者が、よく気をつけて頻繁に注意すると早く治る。
4 最初の1音節を反復するもののみをいう。
5 顔面や他の身体部分の不随意運動を伴っているのは含まない。
問3 小児自閉症についての記述である。適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。
A 広汎性発達障害に含まれる。
B 中枢神経系の成熟の障害と密接に関連している。
C 両親の養育態度の問題が主な原因である。
D 3歳までの精神発達には問題がない。
E 日課を変えることを嫌がる。
1 ABC 2 ABE 3 ADE 4 BCD 5 CDE
問4 夜驚症(睡眠時驚愕障害)についての記述である。適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。
A 早朝のレム(REM)睡眠時におこる。
B エピソードの中、家族が抱きしめ優しく話しかけると、すぐに落ち着く。
C 睡眠中にベッドから起きあがって歩き回り、うつろな表情をしている。
D 夢の詳しい内容が想起できず、エピソードについて健忘がある。
E 強い恐怖と、心悸亢進、呼吸促迫、発汗などの自律神経系緊張の症状がみられる。
1 AB 2 AE 3 BC 4 CD 5 DE
問5 多動性障害についての記述である。適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。
A じっと席に座っていることが困難である。
B なるべく多くのスタッフで面接することが望ましい。
C 家庭における躾が悪く、やる気がないので、厳しくしかりつける必要がある。
D 多動性障害の子どもは、外界からの入力刺激を適切に制御することができる。
E 多動性障害と診断された子どもが青年期・成人期になって行為障害と診断される症例が25~50%ある。
1 AB 2 AE 3 BC 4 CD 5 DE
問6 17歳の女性。約1年前から現在までに20kgやせ、5か月前から無月経となった。母親は、娘がダイエットをしていることは知っていた。最近、極端な体重減少が見られることと、食事中に何度もトイレに行くことを心配し、本人を連れて来院した。身長164cm、体重33kg。この症例で最も疑われる疾患に多く見られる症状はどれか。適切な症状の組み合わせを一つ選びなさい。
A 低血圧 B 頻脈 C 頻尿 D 貧血 E うぶ毛の増加
1 AB 2 ABC 3 ADE 4 BC 5 CDE
問7 次の記述のうち、適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。
A 脳は、大脳・小脳・脳幹・脊髄に区分される。
B 中枢神経系の各部門を構成する最小の単位は神経細胞(ニューロン)である。
C 延髄は、視床の後方に位置し、聴覚および視覚の伝導路の中継を司っている。
D 大脳半球は左右の2つの部位からなり、脊髄によって結合されている。
E 脊髄には31対の脊髄神経が出入りし、全身の各部分からの感覚刺激を後根から受け 入れ、前根を通じて運動の指令を筋肉に伝えている。
1 ABC 2 ABE 3 ADE 4 BCD 5 CDE
問8 次の記述のうち、適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。
A 遺尿症は、昼間に尿を不随意に漏らすものをいい、夜尿症を含まない。
B 起立性調節障害では、自律神経系の未熟さやアンバランスのため、腹痛・下痢・腹部膨満感などの消化器症状が認められるのが特徴である。
C 周期性嘔吐では、脱水のために高ケトン血症となり、甘いにおいの口臭が認められるのが特徴である。
D 選択性緘黙(かんもく)は、家族や親しい友達とは話せるのに、学校やあまり知らない人の前では話せなくなる状態である。
E 強迫状態とは、家族以外の人から頻繁に脅かされることによって強い不安・緊張状態に陥っている状態である。
1 AB 2 AE 3 BC 4 CD 5 DE
問9 次の記述のうち、適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。
A ホスピタリズムは、生後まもなく親と別れて施設で養育された子どもに見られる成長・発達上の問題を総称する概念である。
B 胎児性アルコール症候群では、頭部顔面領域の形成障害が認められるが、発育障害や心理的発達の障害は見られないのが特徴である。
C 出産直後から1週間頃までの産婦にみられる涙もろさと抑うつを主な症状とする状態を産後うつ病という。
D 反応性愛着障害は、不適切な養育を受けた子どもに見られ、警戒心が強く、対人関係で一見矛盾した反応(回避と過度のなれなれしさなど)を示す。
E 気質は、生得的な基礎があり、生後間もなくからその特徴が現れ、ある程度の安定性が見られるが、環境による影響を受けて変化するものである。
1 ABC 2 ABE 3 ADE 4 BCD 5 CDE
問10 うつ病患者に見られる自覚症状に関する記述である。適切な記述を一つ選びなさい。
1 自分の考えが他人に知られてしまう。
2 周囲の様子が不気味である。
3 自分を中傷するような声が聞こえる。
4 他人に迷惑をかけている。
5 考えがぷっつり切れてしまう。
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