平成18年度 児童福祉
問1 次の文は、19世紀におけるイギリスの児童福祉にかかわる歴史についての記述である。( A )~( D )に当てはまる語句の適切な組み合わせを一つ選びなさい。
1800年代前半には、産業革命の進行の過程で、小さな子どもへの過酷な労働強制を制限する( A )が制定された。また、1834年には古い歴史を持つ(B )の改正がなされた。しかし公的保護には限界があり、一方で民間福祉活動による児童保護事業が活発となり、1870年には(C )が開設された。 ここで取り入れられた小舎制は、わが国では明治時代の社会事業家のひとりである( D )が重視したものである。
A B C D
1 労働法 救貧法 王室児童ホーム 渋沢栄一
2 児童労働法 保護法 セントジョーンズホーム 留岡幸助
3 労働規制法 救済法 カリタスホーム 石井亮一
4 工場法 救貧法 バーナードホーム 石井十次
5 児童保護法 保護法 エリザベスサンダースホーム 池上雪枝
問2 次の文は、出生や出産の動向をあらわすために用いられる用語に関する記述である。( A )~( D )に当てはまる語句の適切な組み合わせを一つ選びなさい。
( A )とは、人口動態統計上のひとつの指標であり、一人の女性が一生の間に( B )子どもの数のことであり、すべての年齢の女性ではなく、( C )の女性の出生動向をもとに算出される。ここ数年の(A )は( D )程度である。
A B C D
1 合計特殊出生率 生んだ 15歳~49歳 1.3
2 普通出生数 生んだ 18歳~60歳 1.6
3 合計特殊出生率 生むと推測される 15歳~49歳 1.3
4 普通出生数 生むと推測される 18歳~60歳 1.6
5 合計特殊出生率 生むと推測される 18歳~60歳 1.3
問3 次の文は、「次世代育成支援対策推進法」についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A この法律には、次世代育成支援対策の推進に関する国民の責務が明記されている。
B 市町村は、次世代育成支援対策に関する市町村行動計画を策定し、2年ごとに計画を改定しなければならない。
C 従業員が300人を超える一般事業主は、可能な限り行動計画を策定し、その旨を厚生労働大臣に届けるように努める。
D 都道府県は、毎年少なくとも1回、都道府県行動計画に基づく措置の実施の状況を公表しなければならない。
A B C D
1 ○ ○ × ×
2 × ○ ○ ×
3 × × ○ ○
4 ○ × × ○
5 × ○ × ○
問4 次の文は、「発達障害者支援法」に関する記述である。( A )~( E )に当てはまる語句の適切な組み合わせを一つ選びなさい。
この法律において「発達障害」とは( A )、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、( B )、注意欠陥多動性障害その他これに類する( C )であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるものをいう。また、この法律において「発達支援」とは、発達障害者に対し、その心理機能の適正な発達を支援し、及び円滑な( D )を促進するため行う発達障害の特性に対応した医療的、福祉的及び( E )援助をいう。
A B C D E
1 自閉症 学習障害 行動上の障害 社会生活 教育的
2 知的障害 言語障害 脳機能の障害 家庭生活 心理的
3 知的障害 言語障害 行動上の障害 社会生活 教育的
4 自閉症 言語障害 脳機能の障害 家庭生活 心理的
5 自閉症 学習障害 脳機能の障害 社会生活 教育的
問5 次の障害児の福祉の保障に関わる事項のうち、市町村が実施している事務として適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 療育の指導 B 補装具の交付 C 居宅生活支援費の支給 D 障害者福祉手当の支給 E 知的障害児通園施設への入所措置
A B C D E
1 ○ ○ ○ × ×
2 × ○ ○ ○ ×
3 ○ × ○ × ○
4 × ○ × ○ ×
5 × ○ ○ × ○
問6 次の文は、「児童扶養手当法」の目的を定めた第1条の条文である。( A )~( D )に当てはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
この法律は、( A )児童が育成される家庭の生活の安定と( B )に寄与するため、当該( C )について児童扶養手当を支給し、もって( D )の増進を図ることを目的とする。
A B C D
1 父と生計を同じくしていない 自立の促進 児童 児童の福祉
2 母子家庭の 自立の促進 児童の監護者 当該家庭の福祉
3 父と生計を同じくしていない 家族関係の安定 児童の監護者 健康及び福祉
4 ひとり親家庭の 所得の向上 児童の監護者 児童の福祉
5 母子家庭の 母子関係の安定 児童 当該家庭の福祉
問7 次の文は、少年司法と児童福祉との関連性についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 少年法は、満18歳未満の者を少年と定義している。
B 満14歳以上の罪を犯した児童は家庭裁判所に通告される。
C 14歳未満で刑罰法令に触れる行為をした少年を虞犯(ぐはん)少年という。
D 16歳以上で殺人の罪を犯した場合は、原則として検察官に送致される。
A B C D
1 ○ ○ × ×
2 × × ○ ○
3 × ○ × ×
4 × ○ × ○
5 ○ × ○ ○
問8 次の文は、児童虐待の早期発見等について規定している「児童虐待の防止等に関する法律」第5条第1項の条文である。( A )に当てはまる専門職の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
学校、児童福祉施設、病院その他児童の福祉に業務上関係のある団体及び学校の教職員、児童福祉施設の職員、( A )その他児童の福祉に職務上関係のある者は、児童虐待を発見しやすい立場にあることを自覚し、児童虐待の早期発見に努めなければならない。
1 医師 保健師 弁護士
2 児童福祉司 医師 保健師
3 児童福祉司 保健師 弁護士
4 児童委員 医師 弁護士
5 医師 保健師 児童委員
問9 次の文のうち、「児童福祉法」に基づき市町村の事務とされているものとして、正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 保育の実施 B 要保護児童発見者からの通告受理 C 保育士試験の実施及び保育士の登録
D 児童委員の職務に関する指揮監督 E 育成医療
1 AB 2 AC 3 BC 4 BE 5 DE
問10 次の文は、「母子保健法」に用いられている用語の定義に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 「妊産婦」とは、妊娠中又は出産後6か月以内の女子をいう。
B 「乳児」とは、1歳に満たない者をいう。
C 「幼児」とは、満1歳から小学校就学の始期に達するまでの者をいう。
D 「新生児」とは、出生後21日を経過しない者をいう。
A B C D
1 ○ ○ × ×
2 × ○ ○ ×
3 × × ○ ○
4 ○ ○ × ○
5 × ○ ○ ○
問11 次の文は、里親制度に関する記述である。適切な記述を一つ選びなさい。
1 里親とは、要保護児童を養育することを希望する者であって、児童相談所長が適当と認定した者をいう。
2 配偶者がいなくては、里親として認定されない。
3 親族里親は、委託児童との間に三親等以内の親族関係が存在することが必要である。
4 短期里親への委託の期間は、21日を超えてはならない。
5 里親が行う児童の養育は、個人的な養育であるので、児童相談所長は里親に委託されている児童の養育に関与してはならない。
問12 次の文は、児童健全育成施策についての記述である。不適切な記述を一つ選びなさい。
1 児童センターは、小型児童館の機能に加えて、体力増進活動の機能を有しており、特に年長児童の育成機能を付加した大型児童センターも設置されている。
2 児童厚生施設には、児童の遊びを指導する者を置かなければならない。
3 放課後児童健全育成事業の実施主体は、児童館に限られている。
4 都道府県児童福祉審議会は、児童福祉文化財の作品を推薦し、あるいは製作者、興行者等に対して勧告することができる。
5 児童委員は、児童の健全育成のための地域活動を行う。
問13 次の児童福祉施設のうち、「医療法」に規定する病院としての設備を設け、および職員を配置する義務のある施設として正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 乳児院 B 肢体不自由児施設 C 重症心身障害児施設 D 盲ろうあ児施設 E 情緒障害児短期治療施設
1 AC 2 BC 3 BD 4 CD 5 CE
問14 次の文は、児童自立支援施設に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 入所児童のすべては、家庭裁判所の保護処分の決定に従って入所している。
B 児童自立支援専門員のほか、児童生活支援員が配置されている。
C 施設長には児童を就学させる義務がある。
D 15歳以上の児童については、児童養護施設等を退所したが社会的自立が十分にできていない児童を主たる対象としている。
A B C D
1 ○ ○ × ×
2 × ○ × ○
3 ○ × ○ ○
4 × ○ ○ ×
5 ○ × ○ ×
問15 次の文は、「児童福祉施設最低基準」についての記述である。適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。
A 最低基準は、児童の身体的、精神的、社会的な発達のために必要な生活水準を確保するために定められているが、施設長はその最低基準を遵守するだけではなく、その水準の向上を図る努力義務が課されている。
B 最低基準を超えた設備を有し、運営している場合には、最低基準までその設備運営を低下させることは、認められる。
C 施設における非常災害訓練のうち、避難及び消火に対する訓練は、少なくとも2か月に1回行わなければならない。
D 施設長は、職員に対する研修の機会を確保するとともに、第三者評価を受けなければならない。
E 入所児やその保護者からの苦情に対しては、客観性を保つため、その対応及び解決を外部の運営適正化委員会に委ね、自ら窓口を設けるなどの対応をしてはならない。
1 AB 2 Aのみ 3 BD 4 CD 5 DE
問16 次の文は、措置に関する費用についての記述である。適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。
A 児童福祉施設における措置費は、施設への入所措置後の児童の保護について、児童福祉施設最低基準を維持するための費用である。
B 児童福祉施設入所に要する費用は、本人またはその扶養義務者が負担することになっているが、負担できない場合は、国が全額負担することとなっている。
C 児童福祉施設における措置費は、地方自治体が負担する事務費と、国が負担する事業費に区分される。
D 保育所における保育の実施に要する費用は、措置費と異なり、別の仕組みで運用されている。
1 AB 2 AD 3 BC 4 BD 5 CD
問17 次の文は、家庭児童相談室についての記述である。不適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。
A 福祉事務所における家庭児童福祉に関する専門的な相談指導業務を担う機関として、全国のすべての福祉事務所に設けられている。
B 家庭児童福祉の業務に従事する社会福祉主事及び家庭児童福祉に関する相談指導業務に従事する職員(家庭相談員)が配置されている。
C 相談事例のうち、主として法的措置を必要とするケースは、社会福祉主事が担当している。
D 家庭相談員は、相談に応じたケースについて必要な調査及び個別的な指導を行うが、集団的な指導を行うことはできない。
E 地域における主任児童委員及び児童委員との業務上の連携が不可欠であるため、家庭相談員が児童委員を兼務しなければならない。
1 ADE 2 BD 3 BE 4 CDE 5 DE
問18 次の文は、児童福祉関連機関等の諸規定についての記述である。適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。
A 要保護児童対策地域協議会は、関係機関等により構成され、要保護児童及びその保護者に関する情報等の交換や要保護児童等に対する支援内容の協議を行う。
B 家庭裁判所の承認を得て児童福祉施設へ入所措置した場合、その期間は当該措置を決定してから1年を超えてはならない。
C 教員免許を取得しようとする学生は、児童福祉施設において実習を行わなければならない。
D 人権擁護委員は、子ども人権110番といった分野別の相談ツールを活用した子どもの人権に関する相談活動や啓発活動を行い、虐待の早期発見及び未然防止に努めている。
1 ABD 2 AD 3 BC 4 BD 5 CD
問19 次の文は、児童福祉分野におけるソーシャルワークの特徴に関する記述である。A~Cの内容を【I群】の具体的事例と結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
児童福祉分野におけるソーシャルワークも、他分野におけるそれと同じようにソーシャルワーク理論の体系に基づいて実施される。しかし、児童福祉分野においては、A:具体的なサービスの直接的な「受け手」が児童本人である場合であっても、「面接の対象者」や「判断する人間」が保護者である場合も多い。また、B:直接的には子どもに関する相談であっても、その背景に保護者の悩みが深くかかわっている場合もある。さらには、C:「面接の対象者」である保護者と対立せざるを得ないことも生じる。
【I群】
ア 性的虐待を受けている8歳女児を、親の意向に反して児童養護施設に入所措置をとるケース。
イ 保育所の子育て相談に「子どもの育て方が解らなくなった」という相談に来た母親が、離婚をすべきかどうかについて話し始めたケース。
ウ 自分の子どもを通わせるのに、どの保育所が適しているのかについて両親が相談に来所したケース。
1 A-ア B-ウ C-イ
2 A-イ B-ア C-ウ
3 A-ウ B-イ C-ア
4 A-ア B-イ C-ウ
5 A-イ B-ウ C-ア
問20 次の文は、「全国保育士会倫理綱領」に規定されている記述である。( A )~( D )に当てはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
私たちは、一人ひとりの子どもの( A )を第一に考え、保育を通してその福祉を積極的に増進するよう努めます。私たちは、日々の保育や子育て支援の活動を通して子どものニーズを受けとめ、子どもの立場に立ってそれを( B )します。私たちは、地域の人々や関係機関とともに子育てを支援し、その( C )により、地域で子どもを育てる環境づくりに努めます。私たちは、研修や自己研鑽を通して、常に自らの( D )と専門性の向上に努め、専門職としての責務を果たします。
A B C D
1 権利 達成 連携と協力 倫理性
2 権利 評価 ネットワーク 倫理性
3 最善の利益 代弁 ネットワーク 人間性
4 発達 実行 連携と協力 人間性
5 最善の利益 実行 各々の専門性 倫理性
↓ ↓ ↓ 解答をチェック ↓ ↓ ↓
問1.4 問2.3 問3.4 問4.5 問5.2 問6.1 問7.4 問8.1 問9.1
問10.2 問11.3 問12.3 問13.2 問14.4 問15.2 問16.2 問17.1 問18.2
問19.3 問20.3