平成19年度 社会福祉
問1 次の文は、社会福祉と幸福に関する記述である。適切な記述を〇、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 社会福祉の「福祉」という用語には「幸福」という意味が含まれており、福祉サービスは人間の幸福の実現を目指すものである。
B 今日の社会福祉においては生存権が保障されているので、財政状況に左右されたり、公共政策に左右されたりすることはなく、何より個人の幸福が最優先され、個人の自由、権利が制限されることはない。
C 社会福祉の援助者が抱く利用者の幸福観は、利用者へのサービスのあり方に大きく影響する。
D 施設生活の長かった人は、地域において生活を送ることができればそれだけで幸福である。
A B C D
1 〇 〇 × ×
2 〇 × 〇 ×
3 〇 × × 〇
4 × 〇 × 〇
5 × × 〇 〇
問2 次の文は、社会福祉の理念に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 平成7年に策定された障害者プランは、ノーマライゼーションの実現を目指すものである。
B 変化の可能性を尊重する考え方は、糸賀一雄の発達保障の考え方の中にも見ることができる。
C 個人の尊厳の保持は、法的にも規定のある重要な理念であるが、それは死を迎える人には当てはまらない。
D 障害者基本法において国民の責務が規定されており、そのよりどころとして社会連帯の理念が示されている。
A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ○
3 ○ × ○ ×
4 × ○ × ○
5 × × ○ ○
問3 次の文は、ボランティア・市民活動に関する記述である。適切な記述を○を、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 平成10年に制定された「特定非営利活動促進法」により、500万円以上の資本金を要件としてボランティア団体は法人格が取得できるようになった。
B 全国の市町村社会福祉協議会は、地域社会におけるボランティア活動の推進等によって地域福祉の推進を図る事業を行う。
C ボランティア活動の特性は、自発性、無償性、連帯性などの原理で説明することができる。
D 国際連合は、世界的・国際的な諸問題の解決に寄与しうるボランティア活動の重要性を評価し、21世紀の最初の年を「ボランティア国際年(国際ボランティア年)」とした。
A B C D
1 ○ ○ × ○
2 ○ × ○ ×
3 × ○ ○ ○
4 × ○ ○ ×
5 × × × ○
問4 次の文は、地方分権改革に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 「三位一体改革」では、国から地方自治体への税源委譲等により、地方の活力を高めることをねらいとしている。
B 地方分権の進んだ今日、生活保護行政は市町村の自治事務となった。
C 地方分権の進んだ今日でも、国は、法律や政令・省令などにより、さまざまな地方自治体の事務の方法や水準についての関与や規制を残している。
D 地方分権改革によって、社会福祉行政における地方自治体の役割は大きくなり、その地域に即した独自な政策が実施されるようになると期待されている。
A B C D
1 ○ ○ ○ ○
2 ○ ○ ○ ×
3 ○ ○ × ○
4 ○ × ○ ○
5 × ○ ○ ○
問5 次の文は、各国の社会福祉政策に大きな影響を与えたものに関する記述である。適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。
A わが国では、第二次世界大戦後50年を経過した頃より、政府が社会福祉基礎構造改革を推進し、それによって、福祉サービスの利用者の権利擁護は大きく改善された。
B イギリスでは、ブース(Booth,C.J.)やラウントリー(Rowntree,B.S.)らの貧困調査によって、貧困原因が個人的な責任であることが明らかにされ、そのことによって、救済を受ける貧困者に対する教育・治療を重視する処遇が政策課題として認識されるようになった。
C イギリスの福祉国家体制は、1970年代のサッチャー政権において、なお一層、福祉サービスにおける国家の役割の拡大が図られた。
D 我が国では、江戸時代の封建社会において築かれた共同体における相互扶助が明治維新後も封建遺制として残された。
1 AB 2 AC 3 AD 4 BC 5 BD
問6 次の文は、社会福祉・社会保障の財源に関する記述である。適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。
A 地域福祉の財源のひとつとして共同募金があるが、これは、地方自治体が配分する権限をもっている。
B 児童手当の財源は、事業主の拠出金と、国、都道府県、市町村負担である。
C 所得保障としての公的年金の財源は、国庫負担、保険料収入等である。
D 社会福祉の財源としての公的資金は、国から地方自治体にすべて税源移譲された。
1 AB 2 AC 3 AD 4 BC 5 BD
問7 次の組み合わせのうち、第1種社会福祉事業と第2種社会福祉事業に分類した組み合わせとして適切なものを一つ選びなさい。
第1種社会福祉事業-----第2種社会福祉事業
1 有料老人ホーム-----軽費老人ホーム
2 保育所-----児童家庭支援センター
3 放課後児童健全育成事業-----老人デイサービス事業
4 母子生活支援施設-----助産施設
5 福祉サービス利用援助事業-----共同募金
問8 次の文は、社会福祉法に関する記述である。適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。
A この法律には、21世紀における社会福祉のあり方が盛り込まれており、その目的として「福祉サービスの利用者の利益の保護と地域福祉の推進」が位置づけられている。
B この法律は、福祉ニーズの拡大・多様化に対し、行政が直接にサービスを提供する公的福祉供給体制の確立を目指している。
C この法律が新たな社会福祉の基礎構造と位置づけているのは、措置制度である。
D この法律は、厚生労働大臣が社会福祉施設の設備の規模及び構造のほか、福祉サービスの提供の方法等についても最低基準を定める規定が設けられている。
1 AB 2 AC 3 AD 4 BC 5 BD
問9 次の文は、社会福祉法人に関する記述である。適切なものを一つ選びなさい。
1 社会福祉法人を認可する所轄庁は、社会福祉法人の主たる事務所の所在する市町村長である。
2 社会福祉法人の設立は、所轄庁の認可を受けて、主たる事務所の所在地に設立の登記を行って成立する。
3 社会福祉法人は、非営利を趣旨とすることから、たとえ経営する社会福祉事業に支障がない場合でも収益事業を行うことはできない。
4 社会福祉法人の役員として理事と監事があるが、理事長と特別な利害関係がなければ、監事はその社会福祉法人の理事や経営する社会福祉施設の職員を兼務できる。
5 社会福祉法人は公費補助を受けているため、他の社会福祉法人との合併が禁じられており、事業や組織を拡大する場合には。財産を清算して解散し、新たな社会福祉法人を設立しなければならない。
問10 次の文は、生活保護制度に関する記述である。適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。
A 生活保護の目的は、国民に最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することである。
B 生活保護は、生活保護法に定める要件を満たす限り、同法による保護を無差別平等に受けることができる。
C 生活保護では、他法による援護が優先し、利用しうる資産、能力その他あらゆるものを活用しなければならず、保護開始後は持ち家やマンションは必ず処分することとなる。
D 保護は要保護者やその扶養義務者の申請に基づくため、要保護者が急迫した状況にある場合で申請が困難であれば、福祉事務所長が成年後見を申し立て、後見人が申請する。
1 AB 2 AC 3 BC 4 BD 5 CD
問11 次の文は、障害者自立支援法に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 福祉サービスの利用に当たっては、障害程度区分の認定を受けることが原則とされ、その区分により利用できるサービスが限定される場合がある。
B 各市町村長は自立が期待できる障害者に対し自立支援プログラムを策定し、地域活動支援センターで就労移行支援や就労継続支援を行うこととされている。
C 都道府県及び市町村に障害福祉計画の策定が義務付けられたが、既に障害者基本法による障害者計画が策定されていれば新たに策定する必要はないとされた。
D 利用者負担の増大が問題化されたため、平成18年12月の法改正により利用者負担が、それまでの30%定率負担から10%定率負担に引き下げられた。
A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ○
3 ○ × × ×
4 × ○ ○ ○
5 × × ○ ○
問12 次の文は、高齢者福祉の動向に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 平成18年にわが国の人口動向は人口減へと転じ、これに伴い高齢化が急上昇し、ついに65歳以上の人口が総人口の30%に達することとなった。
B 平成18年4月から施行となった「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」では、高齢者虐待を、身体的虐待、介護・世話の放棄・放任、心理的虐待、性的虐待、経済的虐待の5つに分類している。
C 平成18年度から、「今後5か年間の高齢者保健福祉施策の方向」とする国の高齢者政策が出され、その基本的な目標のひとつに活力ある高齢者像の構築があげられた。
D 平成19年4月から、離婚や婚姻の取り消しをした場合、夫婦の同意または裁判所の決定があれば、婚姻期間中の老齢厚生年金の分割ができることとなった。
A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ○
3 ○ × × ×
4 × ○ ○ ○
5 × × ○ ○
問13 次の文は、平成18年度から施行された改正介護保険法に関する記述である。適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。
A 従来の制度では、要介護認定が要支援でも要介護でも居宅サービスを利用できたが、制度改正により要支援であれば介護給付が、要介護であれば予防給付が支給されることとなり、ニーズに応じたサービス提供となった。
B 市町村において総合相談や介護予防などを担う中核機関である地域包括支援センター制度が創設され、保健師や社会福祉士、主任ケアマネージャーといった専門職種が配置されることとなった。
C 新たに設定された地域密着型サービスは、介護予防を推進するため、効果が明確な運動器の機能向上や栄養改善などのプログラムを実施するもので、認知症高齢者グループホーム利用者は対象とならない。
D 特別養護老人ホームなど介護保険施設の入所者について、居住費用や食費負担が見直され、負担が大きくなったことから、低所得者等に対する補足的な給付が導入されることとなった。
1 AB 2 AC 3 BC 4 BD 5 CD
問14 次の文は、保育所保育指針の関する記述である。( A )~( C )に当てはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
相談・助言に当たっては、利用者の話を傾聴し、( A )し、相互信頼関係 の確立を基本として、一人一人のニーズに沿って利用者の( B )を尊重する など、相談の基本原理に基づいて行うことが求められる。また、プライバシー の保護、話された事がらの( C )には、特に留意しなければならない。
A B C
1 確認 意思確認 内容理解
2 受容 自己決定 秘密保持
3 理解 希望意欲 匿名確保
4 支援 個人原理 専門理解
5 受理 自己選択 本人承諾
問15 次の文は、ケアマネジメントの展開過程に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A アセスメントとは、サービスを利用しようとする申請者と援助機関の援助者との最初の接点であり、援助者が申請者との信頼関係を築くとともに主訴を明確に把握することが必要である。
B インテークとは、利用者の解決すべき課題を明確にする段階であり、利用者の話を傾聴し、利用者の生活状況、利用者の問題のとらえ方、問題に関する状況などを把握することが必要である。
C プランニングとは、アセスメント等に基づいて、具体的な問題解決の方法を計画する段階であり、利用者の参加が不可欠である。
D モニタリングとは、援助が円滑に、効果的になされているかどうかを吟味する段階であり、場合によっては、再度、支援計画の立て直しが求められる。
A B C D
1 ○ ○ × ○
2 ○ × ○ ×
3 × ○ × ○
4 × × ○ ○
5 × × ○ ×
問16 次の文は、個別援助技術(ケースワーク)に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 機能主義派は、個人の心理的側面と過去の生活史の重視、援助者主導の援助過程、調査→診断→治療という展開過程などを特徴としている。
B 診断主義派は、利用者の自我の力が主体的に機能できるような場を提供することが個別援助技術(ケースワーク)であり、援助者は属する援助機関の機能を代表するという考えを主張した。
C 生活モデルでは、生態学的観点を援助技術に導入し、利用者の生活問題を直線的因果論ではなく、人と環境との交互作用として理解する立場を取っている。
D 診断主義派と機能主義派を統合した折衷派のひとりであるホリス(Hollis,F.)は、個別援助技術(ケースワーク)の構成要素として「4つのP」をあげている。
A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ×
3 ○ × ○ ×
4 ○ × × ○
5 × × ○ ×
問17 次の文は、情報提供に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 国および地方公共団体は、福祉サービスを利用しようとする者が必要な情報を容易に得られるように、必要な措置を講ずるよう努めなければならないと、社会福祉法で定められている。
B 保育所は、その保育所が主として利用される地域の住民に対してその行う保育に関し情報の提供を行い、並びにその保育に支障がない限りにおいて、乳児、幼児等の保育に関する相談に応じ、および助言を行うよう努めなければならないと、児童福祉法で定められている。
C 福祉事務所または保健センターは、母性または乳児等の健康の保持および増進のため、妊娠、出産または育児に関する知識あるいは情報等を提供するなど、必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
D 認定こども園設置者は、インターネットの利用、印刷物の配布その他適切な方法により、当該認定を受けた施設において提供されるサービスを利用する者に対し、教育保育概要についてその周知をしなければならないと、就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律に定められている。
A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ×
3 ○ × ○ ×
4 ○ × × ○
5 × × ○ ×
問18 次の文は、児童福祉施設や児童相談所が行う相談および助言等に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 乳児院、児童養護施設、母子生活支援施設は、それぞれ退院(所)した者について相談その他の援助を行うことも目的とされている。
B 児童相談所は、児童に関する家庭とその他からの相談のうち、専門的な知識および技術を必要とするものに応じることになっている。
C 児童家庭支援センターは、地域の児童の福祉に関する各般の問題につき、児童、母子家庭その他の家庭、地域住民その他からの相談に応じ、児童福祉施設入所等の必要な措置を講じることになっている。
D 乳児院、母子生活支援施設、児童養護施設、情緒障害児短期治療施設、児童自立支援施設の施設長は、それぞれの施設が所在する地域の住民に対して、必ず児童の養育に関する相談に応じ、および助言を行わなければならないことになっている。
A B C D
1 ○ ○ × ×
2 ○ × ○ ×
3 ○ × × ○
4 × ○ × ○
5 × × ○ ○
問19 次の文は、集団援助技術(グループワーク)の理論家に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A ホーソン実験、グループダイナミックスの理論、ソシオメトリーなどの研究がなされ、小集団の持つ力が科学的に理論化された。
B 集団援助技術(グループワーク)の理論化の最初の試みは、コイル(Coyle,G.)によってなされた。)
C ジャーメイン(Germain,C.B.)は集団援助技術(グループワーク)の理論化に貢献したひとりだが、グループの治療的機能を重視した。
D パールマン(Perlman,H.H.)が集団援助技術(グループワーク)の最初の定義を発表した。
A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ×
3 ○ × ○ ×
4 × ○ ○ ×
5 × × ○ ○
問20 次の文は、社会福祉各法における福祉計画の規定に関する記述である。不適切な記述を一つ選びなさい。
1 社会福祉法では、市町村には市町村地域福祉計画の、また、都道府県には都道府県地域福祉支援計画の策定が規定されている。
2 次世代育成支援対策推進法では、市町村には市町村行動計画の、また、都道府県には都道府県行動計画の策定が規定されている。
3 介護保険法では,市町村には市町村介護保険事業計画の、また、都道府県には都道府県介護保険事業支援計画の策定が規定されている。
4 障害者自立支援法では、市町村には市町村障害福祉計画の、また、都道府県には都道府県障害福祉計画の策定が規定されている。
5 児童福祉法では、市町村には市町村児童福祉計画の、また、都道府県には都道府県児童福祉支援計画の策定が規定されている
↓ ↓ ↓ 解答をチェック ↓ ↓ ↓
問1.2 問2.2 問3.3 問4.4 問5.3 問6.4 問7.4 問8.3 問9.2
問10.1 問11.3 問12.4 問13.4 問14.2 問15.4 問16.5 問17.2 問18.1
問19.2 問20.5