平成20年度 小児保健
問1 次の文は、思春期に関する記述である。適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。
A 骨発育は、女子より男子の方が早くすすむ。
B 思春期の発来年齢には個人差が大きい。
C 女子では身長スパートの前に初経が起こる。
D 第二次性徴は性ホルモンの分泌亢進により進行する。
E わが国の思春期発来年齢は1970年代よりも1950年代の方が早い。
1 A B 2 A C 3 B D 4 B E 5 D E
問2 次の文は、子どもの疾患に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 悪性新生物の中で最も多いのは白血病である。
B 2型糖尿病は近年減少傾向にある。
C 乳児のう蝕(むし歯)は近年増加傾向にある。
D 母親から胎ばんを介して移行した受動免疫は2歳まで持続する。
E 乳児の結核感染では髄膜炎をおこすこともあり、重症化しやすい。
A B C D E
1 ○ ○ × ○ ×
2 ○ × ○ × ○
3 ○ × × × ○
4 × ○ ○ × ×
5 × × ○ × ○
問3 次の文は、小児の栄養や食生活に関する記述である。適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。
A 保育所において、食物アレルギーをもつ乳幼児に対して除去食を提供する場合は、保護者からの情報だけでなく、主治医や嘱託医の指示・指導を受けることが大切である。
B 乳児用調製粉乳などの母乳代替品の品質表示には、「乳児にとって母乳が最良である旨」や「医師や管理栄養士等の相談指導を得て使用することが適当である旨」の表示をすることが母子保健法により義務づけられている。
C 延長保育における食事は、家庭における食事に影響を与えないように、1日のエネルギーの総摂取量の40パーセント以上にすることがのぞましい。
D 母乳は新生児、乳児にとって最良の食物である。したがって、母乳分泌が充分でない場合には、現在でも他人の母乳を与えることが勧められている。
E 食中毒の予防には、調理時の清潔や消毒も重要であるが、調理後すぐに食べて、細菌の増殖を防ぐことが大切である。
1 A E 2 A D 3 A C 4 A B 5 B D
問4 次の文は、小児の呼吸、循環の生理と病態についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 乳児の主な呼吸法は、腹式呼吸である。
B 乳幼児の脈拍数や呼吸数は、大人のそれよりも少ない。
C 乳児では、哺乳力低下、体重増加不良、多呼吸、多汗などが心不全のおもな症状である。
D 常にチアノーゼを認める先天性心疾患では、運動時に呼吸困難や無酸素発作が起きやすい。
E 乳幼児の川崎病(小児急性熱性皮膚粘膜リンパ節症候群)は発病時に心臓に障害をともなうが、自然治癒するので心配ない。
A B C D E
1 ○ ○ × × ○
2 ○ × ○ ○ ×
3 ○ × ○ × ○
4 × ○ ○ × ×
5 × × × ○ ○
問5 次の文は、わが国の予防接種に関する記述である。適切な記述を一つ選びなさい。
1 B型肝炎ウイルスに感染している妊婦(HBe 抗原陽性)から生まれた乳児に対して、B型肝炎ワクチンの接種だけで母子感染を予防することができる。
2 結核の予防接種は、ツベルクリンであり、生後6か月に達するまでに接種をうけることになっている。
3 ジフテリア、百日咳、破傷風の三種混合ワクチンは、乳児期に3回接種することになっており、1回でも接種時期を逃したら、最初から接種しなおす必要がある。
4 麻疹・風疹混合生ワクチンは、乳幼児期では生後12か月以上24か月未満の間と、5歳以上7歳未満の間に接種する。
5 ポリオの生ワクチンは、生後3か月から生後18か月までの間に皮下注射で接種する。
問6 次の文は、母子保健サービスに関する記述である。適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。
A 未熟児訪問指導は、出生体重2,500g 未満の出生児等に対して母親の健康状態や家庭環境を考慮して実施される。
B 母子健康手帳は、妊娠の届けをした妊婦に対して都道府県が交付し、妊娠、出産、育児に関する一貫した記録簿である。
C 新生児訪問指導は、原則として生後35 日未満の乳児を対象に、その出生した医療機関の職員が家庭に訪問して実施する。
D 健全母性育成事業では、思春期の男女の医学的な悩み、性の悩み等に関して医師や助産師などが相談に応じる。
E 歳児の健康診査は、都道府県が実施主体となり、身体計測、発達検査、歯科健診、視・聴覚検査等が行われる。
1 A B 2 A C 3 A D 4 B D 5 B E
問7 次の文は、食中毒の予防に関する記述である。不適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。
A 食品の保存のためには、冷蔵庫はマイナス10℃以下、冷凍庫はマイナス15℃以下に保つことが必要である。
B 加熱調理食品については、その中心部が75℃以上で1分以上加熱されるようにしなければならない。
C 検食は、食品の原材料および調理ずみ食品を、食品ごとに50g 程度を清潔な容器に密封して入れて、マイナス20℃以下で2週間以上保存する。
D 手洗いの際には、石鹸で洗った後に流水で石鹸成分が残らないようによく洗い、さらに逆性石けん液またはこれと同等の効果を有するものにつけ、手指をよくこすり、そのあと水洗いする。
E 調理にあたっては、できるだけ多くの調理用の器具・機材を用いて細菌の汚染を防ぐようにする。
1 A B 2 A E 3 B C 4 C D 5 D E
問8 次の記述のうち、乳幼児突然死症候群のリスク要因として、あてはまらないものの組み合わせを一つ選びなさい。
A 女児 B 養育者の喫煙 C うつぶせ寝 D 肥満 E 非母乳保育
1 A B 2A D 3B C 4B E 5D E
問9 次の文は、平成18年の「人口動態統計」によるわが国の子どもの死亡原因に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 0歳の死因で最も多いのは肺炎である。
B 1~4歳の死因で最も多いのは不慮の事故である。
C 0歳の溺死は海辺で最も多く起こっている。
D 1~4歳の不慮の事故による死亡で、最も多い死因は転倒・転落である。
E 0歳の不慮の事故による死亡で、最も多い死因は不慮の窒息である。
A B C D E
1 ○ ○ × ○ ×
2 ○ × ○ × ○
3 × ○ ○ × ○
4 × ○ × × ○
5 × × × ○ ○
問10 次の文は、わが国の乳幼児の体格に関する記述である。適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。
A 平成12年の「乳幼児身体発育値」によれば、出生時の体重の中央値は約3,000gである。
B 平成12年の「乳幼児身体発育値」によれば、出生時の身長の中央値は男子が女子より大きい。
C 平成12年の「乳幼児身体発育値」によれば、歳の身長の中央値は男女ともに約60cmである。
D 乳幼児の発育はローレル指数で評価する。
E 出生後すぐに生理的体重増加がみられる。
1 A B 2 A C 3 A E 4 B C 5 D E
問11 次の文は小児期の発達に関する記述である。不適切な記述を一つ選びなさい。
1 遊びは、子どもの身体的発育や運動機能の発達を促すとともに、情緒的発達や社会性の発達も促進する。
2 遊びは、してもらう遊びからする遊びへ、ひとり遊びから集団遊びへと順次発達する。
3 2歳くらいになると、同年齢の子どもたちと同じ場所で遊ぶ「平行遊び」が見られるようになる。
4 乳幼児期における基本的生活習慣の獲得のためには、毎日の生活において達成感を積み重ねていくことが大切である。
5 乳幼児期の特徴として、活動意欲や運動好奇心が未熟なので、活動量が少ないことがあげられる。
問12 次の文は、乳幼児の発達についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 緊張性頸反射は出生直後から認められる原始反射であり、幼児期が終わるまで続く。
B 乳児の運動機能の発達は、中枢神経系の発達に伴って頭部から身体下部へと進行するので、「首のすわり」→「おすわり」→「ひとり歩き」と順次できるようになる。
C 「人見知り」は家族と他人とを判別する社会行動の発達を示しており、3か月の乳児からみられる。
D 乳児期の痛覚は大人よりも鋭敏である。
E 細かい手先の運動発達として、ハサミで紙を切ったり、円を描けるのは3、4歳になってからである。
A B C D E
1 ○ ○ ○ × ×
2 ○ × × ○ ○
3 × ○ ○ × ×
4 × ○ × × ○
5 × × × ○ ○
問13 次の文は、事故防止に関する記述である。適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。
A 建物の屋上広場や階以上の階にあるバルコニー、ベランダ等からの転落防止のために、「建築基準法施行令」によって柵の高さは110cm以上と定められている。
B ビニールプールは水深が浅く、溺れることはないので、子どもだけで遊ばせておいても安心である。
C 洗剤などは、流し台の下などに格納し、留め金でとめておけばよい。
D 室内で転倒したとき、怪我をさせないようにするため、机の角など家具のとがった部分にクッションをつけておく。
E 乳幼児とともに乗用車で移動するときは、大人の同乗者がしっかりと抱いているようにする。
1 A B 2 A C 3 B D 4 B E 5 A D
問14 次の文は、「健やか親子21」に関する記述である。不適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。
A 第1の課題は、子育て支援事業の強化と健康教育の推進である。
B 第2の課題は、妊娠・出産に関する安全性と快適さの確保と不妊への支援である。
C 第3の課題は、小児保健医療水準を維持・向上させるための環境整備である。
D 第4の課題は、子どもの心の安らかな発達の促進と経済的負担の解消である。
1 A B 2 A C 3 A D 4 B C 5 C D
問15 次の文は、小児の水分・電解質に関する記述である。適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。
A 乳児の一日の体重1kg当たりの水分必要量は、学童より少ない。
B 水分の喪失が電解質の喪失よりも大きい場合の脱水症を高張性脱水症という。
C 脱水症状がみられたときに電解質を含まない水分を大量に摂取すると、水中毒を起こしやすい。
D 激しく泣き続けたり、呼吸を頻回にした時、呼吸から水分が喪失し、血液が酸性に傾く。
E 周期性嘔吐症では、くりかえしおこる嘔吐によって水分と電解質のバランスが崩れて血液が酸性に傾く。
1 A B C 2 B C D 3 B C E 4 B D E 5 C D E
問16次の文は、小児の体温および発熱に関する記述である。不適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。
A 一般に乳幼児の体温は大人よりも高いことが多い。
B 出生時から学童期までは温度中枢が未発達であるために、体温は外気温に影響されやすい。
C 夏季は、健康な乳幼児でも水分が不足して発熱することがある。
D 37.7℃の発熱があったが、元気よく、活発に遊びまわっていたので経過をみていた。
E アスピリンを常備薬としておき、乳幼児が発熱した時は、随時、内服させるとよい。
1 A C 2 A D 3 B C 4 B E 5 D E
問17 次の文は、感染症に関する記述である。不適切な記述を一つ選びなさい。
1 水痘は、水痘・帯状疱疹ウイルスによっておこり、発赤、水疱、膿疱、痂皮など、いろいろな段階の発疹が混在していることが特徴である。
2 インフルエンザは主に冬に流行し、肺炎、気管支炎、脳症などを合併することもある。
3 咽頭結膜熱は、エコー・ウイルスによっておこり、プールの水を介して経口感染することが多いために、プール熱とも呼ばれている。
4 手足口病は、A群コクサッキー・ウイルス16型あるいはエンテロウイルス71型でおこる水疱を伴う発疹性感染症で、まれにポリオ様麻痺を合併する。
5 流行性耳下腺炎は、ムンプス・ウイルスによっておこる病気で、思春期以降に罹患すると、睾丸炎や卵巣炎をおこすことがある。
問18 次の文は、保育所での小児の看護と処置に関する記述である。不適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。
A 5歳の男児。ころんで頭部を打った。しばらく安静にして様子をみた後、ほかの子ども達と活発に遊んで全く元気だった。従って、保護者に頭部の打撲について話さなかった。
B 4歳の女児。鼻汁と軽度の咳がみられたが、発熱もなく元気に遊んでいたのでそのまま様子をみた。
C 2歳の男児。突然、右側鼻孔から出血があったが、すぐに止血したので様子をみていた。
D 4歳の男児。これまでに数回の熱性けいれんの既往がある。39℃の発熱とともに全身けいれんが出現し、25分間程続いた。けいれん後は深く寝入っている。解熱剤の座薬を投与して経過をみることにした。
E 3歳の女児。ポットから熱湯が飛んで上腕に熱傷を負った。熱傷の範囲はおおよそ1円硬貨大で、軽度の発赤、腫脹はあるが水疱形成はない。冷湿布し清潔なガーゼを当てて様子をみた。
1 A B 2 A C 3 A D 4 C D 5 D E
問19 次の文は、アレルギーについての記述である。不適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。
A 花粉症は、鼻汁、鼻閉、結膜充血、流涙(なみだ)などの特徴的な症状がみられる即時型アレルギー反応である。
B 食物アレルギーでは、胃腸管に限局したアレルギー症状(下痢、嘔吐、腹痛など)がみられる。
C アトピー性皮膚炎は、乳児初期より現れ、増悪・改善を反復するかゆみの強い湿疹性皮膚炎である。
D 果物や野菜には、アレルギーを起こす原因物質(アレルゲン)がないので、アレルギーを起こすことはない。
E 食事直後(30分から2時間以内)運動すると、じんま疹、呼吸困難、ショックなどの激しいアレルギー症状を起こすことがある。
1 A B 2 A E 3 B C 4 B D 5 C D
問20 次の文は、小児の生活と健康に関する記述である。不適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。
A 乳幼児期に、子どもひとりだけでテレビやビデオなどを長時間視聴させることは、言語面や社会性の発達に悪影響を及ぼす可能性がある。
B 幼児期には、様々な面で急速に発達をとげるので、この時期に養うべき体力の要素は、調整能力よりもむしろ筋力・持久力・瞬発力等である。
C 体力は、身体的要素と精神的要素とに分けられる。
D 子どものための玩具には、日本玩具協会による安全基準を満たしたSTマークや、製品安全協会の安全性認定基準に合格したSGマークのついた安全な玩具を選ぶことが望ましい。
E 歳になると、集団での遊びが盛んになり、リーダー的存在の子どもを中心にルール遊びが展開されるようになる。
1 A C 2 A D 3 B C 4 B E 5 D E
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問1.3 問2.3 問3.1 問4.2 問5.4 問6.3 問7.2 問8.2 問9.4
問10.1 問11.5 問12.4 問13.5 問14.3 問15.3 問16.4 問17.3 問18.3
問19.4 問20.4