だれも、話を聴いてもらっていない
あなたは、本当に話を最後まで聴いてもらったことが、あるでしょうか?
これ、なかなか日常では、経験できないことです。
話をしていると、たいてい、途中で、「でも・・・」とか、「あー!それって、もしかして・・・」とか、「○○って何?」などと相手の話が始まってしまう。
あるいは、聴いてくれているのか、聴いてないのか、いまひとつわからないので、なんだか一生懸命話をすることに、馬鹿馬鹿しさを感じてしまったり。
みんな、同じです。だから、みんな、話し足りない気持ちで日々を過ごしている。
じゃあ、私たちから、話を聴くコミュニケーションを始めて見るのも、いいかもしれない。
バックトラッキングをしながら聴く
相手の話を、聴くとき、大事なのは、バックトラッキングという傾聴の手法です。
バックトラッキングとは、相手の言葉をそのまま繰り返すこと。
“しっかり聴いてるよ”という意味を込めた合いの手のようなものです。
親「うちの子、麺類が好きなんですー。。」
先生「麺類が好きなですね。」
これが、バックトラッキングと言う、相手の言葉を繰り返す手法です。
バックトラッキングしていれば、相手は次々話してくれる
「麺類って、パスタとかですか??」
なんて、質問をしたくもなりますが、バックトラッキングだけで十分です。
ちゃんと聴いていてくれると、安心してもらえるので、相手は話したいことを、話したい順番で話してくれます。
あえて、「パスタ」を取り上げないほうが、相手の話したい道筋で話すことができますよね。
だから、相手は本当に全部聴いてもらった気持ちになりやすいわけです。
「間」も聴いていればいい
質問や、自分の意見を言わないと、話が途中で途切れてしまうかもしれません。
ちょっと落ち着かない気持ちになってきませんか。
でも、相手も同じような気持ちになってきますので、次の話をしてくれます。
その話を、最後の「。」まで聴いて、再び、バックトラッキングをする。
このくらい、徹底的に聞き役に徹すると、相手は聴いてもらえた満足感を感じます。
信頼関係を作るには、とっても大事なコミュニケーションです。
≪井上きき 役に立つ話 2012年6月15日号≫