保護者から相談を受けていて、相手が泣いてしまう、という場面に遭遇することもありますよね。
お母様も、子育てに仕事に、いっぱいいっぱいである場合も多いです。
話を聞いてもらえて、やっと心を開く場所を見つけられたのかもしれません。
◆目の前の人は、なぜ泣いているのか?
やはり、カウンセリングなどの場面では、相手の話を否定することなく、聴いていきます。
「あなたは、母親失格です」なんて言われることもないし、「もっと、がんばりなさい」なんてことも言われないのです。
このような場で、話を聴いてもらうと、自分の心の奥の方から、感情がわきあがって、涙と一緒に出てくることがあります。
今まで、堪えていた感情が、洗い流されるような感じがする場合もありますし、
泣いている本人でさえ、気づいていなかった感情に出会って、驚きのような涙が出ることもあります。
しかし、泣いている理由は、本人にしかわかりません。
◆泣くことはイイこと。泣きたいだけ泣かせてあげましょう
では、相手が泣いているときは、どうするのがイイのでしょうか?
涙が止まるように、話題を変えますか?それとも、何か面白いことでも、言って笑わせてあげますか?
やはり、泣きたいだけ、泣かせてあげるのがいいと思います。
「泣いてもいいんですよ。涙が止まるまで、一緒に居ますので。」と、じっと待つのがいいですね。
あるカウンセラーさんは、いつでも、相談者さんに手渡せるように、新品のポケットティッシュを鞄に入れておられました。
清潔なティッシュを、いっぱい使ってもらいたいそうです。
涙を流すことは、「癒し」です。
保育士さんだって、いっぱい泣いていいんですよ。
≪井上きき 役に立つ話 2012年10月15日号≫