保護者の中には、モラルにかける母親や、ルーズな母親もいますよね。
そうなると、園の運営のために、どうしてもお願いしなくちゃならない場面もあります。
たとえば、「毎日、迎えが遅いので、遅れないで来てほしい」という内容を、伝えるとします。
確かに、言わなくてはならないことですよね。
ただ、しかし言いにくいことでもあります。
こんな時は、どう伝えたら、この保護者は、話を素直に受け取って、伝えた要求を聞き入れてくれるでしょうか?
●先に、お礼を伝えてしまおう
大切なのは、前置きです。
本題に入る前に、こんな言葉を伝えておきます。
「○○さん、いつも、保育にご協力いただき、ありがとうございます。」
そして続いて、「ひとつ、お願いがあるんですが、お話してもイイですか?」と伝えます。
先に、あなたは協力的だと伝えてしまうことで、相手は協力的にならざるを得ないわけです。
さらに、「お話してもイイですか?」と訊ねることで、相手に「はい」と返事をしていただきます。
これによって、本題の「お迎えに遅れないで来てほしい」という要求に対しても、「はい」と返事をしやすくなるわけです。
また、相手が話してもイイと同意しているというだけで、ずいぶん、話しやすくもなりますよね。
●小手先のテクニックだけでは、弱いんです
こうすることで、相手は聴く耳を持ちやすくなりますし、心にひっかかりにくいはずです。
が、やはり、常日頃の信頼関係がベースになければ、どんなテクニックも効果は薄いです。
なるべく、信頼関係が築けている先生が、伝えるようにするというのも、忘れずに。
≪井上きき 役に立つ話 2012年11月15日号≫