井上きき 役に立つ話 保育士の為のお役立ち情報

「栄養になる」という言葉は、小さい子には理解できない

今年度からは、「食育」をテーマにした記事も書かせていただきます。

・子どもたちの好き嫌いにどう接したらいいのか?

・マナーはどこまで伝えるべきなのか?

・子どもに必要な栄養とは?

・保育園に求められる食育とは?

など、子育て中のお母さまからのご相談に応えてきた経験を生かして、お伝えします。

栄養士さん、保育士さん、調理員さんみなさんにお役に立てればうれしいです。

 

◆「栄養になる」をイメージすることは難しい

さて、きょうは、食育に使いがちな「栄養になる」「体にいい」という言葉について。

「給食をしっかり食べると、みんなの栄養になって、病気から体を守ってくれます。」

「●●くん、にんじんは、とっても体にいいのよ。」

わたしたち大人にとっては、当たり前のように使う言葉です。

しかしながら、小さな子どもたちには、なかなか理解するのが難しい言葉なのです。

食べ物が体の中で分解されて吸収されることを、小さな子どもに理解させるのは、無理です。

理解できるのは、中学生くらいじゃないかと思います。

そもそも、「体にいい」「栄養になる」という抽象的な表現は、映像を頭にイメージすることができません。

◆正しい食事よりも楽しい食事

園での食育活動においては、これらの言葉に頼ることなく、伝えていただく必要があります。

もっとも、本来は、正しく食べることの前に、楽しく食べることを伝えるべきです。

「食事が楽しい場である」というイメージを三つ子の魂にしっかり刻んでおけば、過食や拒食などの摂食障害も防ぐ可能性は高いのです。

今後の記事で、さらに具体的な楽しく食べながら進める食育をお伝えして行こうと思います。

 

≪井上きき 役に立つ話 2013年4月15日号≫

 

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