●苦情を言って怒っている保護者が怖い
保育園の職員さんからのご相談で、意外と多いのは、「苦情を言ってくる保護者が怖い…」というもの。
苦情を言いながら、温かく微笑んでいる方はいませんし、ほとんどの方が、怒っていますね。
そんな方を目の前にすると、怖くて頭が真っ白になってしまう、とおっしゃる保育士さんは、多いんですよ。
足がすくんでしまう…とか、逃げ出したくなってしまう…、という方もいます。
しかしながら、怯えていては、適切な対応ができないですね。
●怯えてしまう原因とは?
苦情を言っている人は、確かに怒ってはいますが、噛みついてきたりしません。
暴力を振るわれる可能性も、あまりないと考えられます。
にもかかわらず、それほどまでに怯える必要は、ないはずです。
なぜ必要以上に、怖がってしまうのか?
それは、小さなころの記憶を再現しているだけなのかもしれないです。
かんたんに言うと、トラウマです。
●過去のトラウマを癒す
たとえば、小さなころ、絶対的な力を持ち、体も大きい父親に怒鳴りつけられ、頭が真っ白になって、逃げ出したいけど、足がすくんで、ひとり怯えていた。
こんなような記憶が心の奥にありませんか?あるいは、先生や、近所のおじさんなどかもしれませんね。
もし、そんな記憶が見つかった方は、その頃の小さなあなたに、こう伝えてあげてください。
「怖かったね。ずっと、ひとりでがんばっていたんだね。」
声に出して言ってみてくださいね。
恐怖が消えていくまで、小さなあなたに言葉をかけてあげれば、つぎの苦情のときは、自分らしく対応できるはずですよ。
≪井上きき 役に立つ話 2013年12月1日号≫