全部食べられた子どもは、褒められるけど、食べられないと、認められない。
このような環境では、食べる子は益々食べるようになり、食べられない子は、益々食べられない子どもになってゆきます。
こうならないために、給食を残している子どもにかける、食べる力を伸ばす言葉がけを学びましょう。
◆残してしまったものに注目すると、否定の言葉がけになる
まず、我々がつい やってしまいがちな言葉がけは、こんな感じ。
「おかずがいっぱい残っちゃったねー」
「かぼちゃ、一切れ 残すの?」
「今日も残しちゃったの~!?」
これは、すべて、「残っている物」に注目している言葉がけです。
しかし、「残っている物」はあるけれど、「食べた物」もあるんです。
◆食べた物に注目すれば、認める言葉がけができる
「食べた物」に注目すると、こんな言葉がけになります。
「ごはんは、食べられたんだね。」
「かぼちゃ、2つ食べられたね!」
「今日は、なにを食べられたかな?」
こんなふうに、言葉をかけると、子どもによっては、「もうすこし食べようかな・・・」なんて思います。
先生が他の子に声をかけている間に、残りのかぼちゃを、「パクっ」なんて子もいるんです。
これは、認められたことによって、体の機能が高まり、別腹が生じるという感じです。
別腹が生じるだけじゃなく、消化能力も向上しますので、栄養の吸収も高まります。
なんと、言葉がけひとつで、子どもの健康をも左右するのですね。
≪井上きき 役に立つ話 2014年7月15日号≫