子どもはできるだけ粗食で育てたいと考えています。
それが、丈夫なココロとカラダを持って生きるための近道だと思うのです。
◆「粗食」とは?
私の考える粗食の定義は、ごはんを中心にお味噌汁や季節の野菜、そして主菜はお魚が中心。
お肉や、油を少なく、お米や根菜を多めに。
そして、たくさん食べることをイイこととせず、ちょうどよく食べることが何よりだと考えます。
刺激的でおいしいものを、食卓に並べると、子どもたちはすぐに食べすぎてしまいます。
しかし、野菜やお魚のお料理なら、調度よく食べることができるのです。
◆空腹が健康なカラダを作っていた
わたしが、このように考えるように至ったのは、祖母の話がきっかけです。
祖母は、80才代です。
祖母が子どもの頃、戦争中で、ほとんど食べるモノがありませんでした。
イナゴを炒って粉末にしたものを、味噌汁の出汁にしたり、芋のツルを食べたりしていたそうです。
「いつもいつもお腹がすいていた。」と話していました。
しかし、その成長期に食べるモノがなかった80才代~90才代のお年寄りは、とても元気です。
痩せている人が比較的多く、生活習慣病になる人は60才代~70才代の方と比べても、非常に少ないのです。
まさに、粗食で育ったことが、健康を支えているのです。
データとしては見つけられていないのですが、心の病にかかる方も、少ないように感じます。
◆宮沢賢治も「粗食」をおススメしていた
宮沢賢治の「雨ニモ負ケズ」の中にも、こんな言葉があります。
「一日に玄米四合と 味噌と少しの野菜を食べ…」
この詩を読むと、
“このような食事を心がけることで、雨にも負けないカラダやココロを持てるといいな~”
と謳っているように聞こえます。
実は、昔から粗食はいいものと考えられていたんですね。
◆いかに空腹の時間を持てるか?
現代は、飽食の時代と言われています。
食べ物があふれて、必要以上に栄養を摂り過ぎてしまう時代。
「いかに、たくさん食べてもらうか?」と考えるよりもむしろ、「いかに、空腹の時間を持てるか?」の方が大切です。
幼稚園や保育園の給食も、粗食の和食を取り入れるといいですね。
≪井上きき 役に立つ話 2014年9月15日号≫