相談を受けたら、まずは、相手の話をたくさん聴くといいですね。
そのうえで、相手が目の前の問題と、向き合うための質問をしていきます。
その際、質問の使い方が重要です。
例を挙げて、解説してみようと思います。
たとえば、保護者のAさんがこんな話をしているとします。
「子どもが、毎晩、なかなか寝ないんです・・・。
9時に布団に入れるんですが、11時になっても寝ないときが多くって・・・。
絵本を読んだり、いろいろするんですけど・・・。」
そこで、相談を受けた保育士のBさんは、こんな質問をして、アドバイスをして行きました。
「夜ごはんは、早めに食べ終わってる?」
「何時にお風呂に入ってる?」
「早起きしてる?」
「パパには協力してもらえないの?」
このやり取りの結果、Aさんは、スッキリしない顔で、Bさんと別れました。
実は、Bさんの質問はすべて、「yes」「no」で答えられる質問、もしくは、考える必要のない質問です。
この質問ばかりを使うと、相手の思考は広がりません。
相手が、自分の問題を、自分自身で向き合うためには、考えさせる質問が有効です。
例えば・・・
「どうなったらいいな、と思う?」
「問題点は何だと思う?」
「今までに、解決のために、何かやってみたことはある?」
「何が原因で、問題が解決しないと思う?」
これらの質問の場合、じっくり考えて答える必要がありますね。
子どもが寝ない、という問題は、Bさんの問題ではなく、Aさんの問題です。
その問題に向き合うのは、Aさん自身の仕事。
相談を受けた側は、Aさんが問題と向き合うための、できる限りのお手伝いをするのが仕事です。
頭を使って解決策を考えるのは、相談する側で、相談を受ける側は、どんな質問が有効か?を考えるといいんですね。
≪井上きき 役に立つ話 2014年10月1日号≫