子どもによっては、絶対に口に入れることのできない好き嫌いを持つ子もいますね。
食わず嫌いで、臆病で、頑なに口に入れることができない。
そんな子どもに、嫌いな食べ物を、がんばって食べさせることは、いいことでしょうか?
給食の時間や、家庭で、意外と当たり前に行われていることですが、改めて子どもの立場になって、考えてみましょう。
イメージしてみてください。
アフリカの奥地で、大男が、あなたに食事をふるまってくれるとします。
なんと、その中にイモムシが。
美味しそうに料理されて、美しく盛り付けられていますが、それは、確かにイモムシです。
あなたは、ぜったいに食べられないと思っています。
しかし、大男は言います。
「すごく体にいいんだよ。朝からみんなで探してきたんだ。ひと口だけでも、がんばって食べてみろ。」
さて、あなたはどうするでしょうか?
もちろん、調理員さんは給食にイモムシを出したりはしません。
しかしながら、慎重で臆病な子どもにとって、初めて見る食材と言う意味では、状況としては違いません。
無理やり食べさせられるとしたら、どんな気持ちなるでしょうか。
無理に食べさせる、という行為は、子どもによっては、あるいは食材によっては、虐待になるということです。
たとえ、体にいいことだとしても、ココロは傷を負います。
場合によっては、それを見ている子どもまでも傷つけることになります。
そんな悲しいことは、ぜったいに避けたいものですね。
≪井上きき 役に立つ話 2014年10月15日号≫