「なぜ?」「どうして?」という質問のフレーズは、少し注意をして使う必要があります。
なぜなら、相手を追い詰めてしまいやすいからです。
たとえば、「なぜ、遅刻したの?」とか、「どうして、もう少し早く連絡できなかったの?」
と質問されると、責められている気持ちになると思いませんか。
この、「なぜ?」「どうして?」という言葉は、たとえ、責めるつもりでなくとも、相手にそう伝わってしまう、少し厄介な言葉でもあるのです。
◆質問の方法によって、相手の反応は変わる
「なぜ?」「どうして?」という質問は、相手から“言い訳”を引き出します。
「なぜ、Mちゃんをたたいたの?」と子どもに質問をすると、
「だって・・・Mちゃんが・・・」と、自分を守るための言い訳が始まる場合が多いのです。
大人も、同じように反応しやすいです。
これでは、根本的な解決になりません。
では、どんな伝え方をすれば、問題解決につながるのでしょうか?
◆相手を追い詰めない問題解決の質問法
コーチングのコーチやカウンセラーがよく使っている、便利なフレーズがあります。
それは、「理由は何?」というフレーズです。
「なんで、Mちゃんをたたいたの?」→「Mちゃんをたたいちゃったのは、何か理由があるのかな?先生に教えてくれる?」
「なんで遅刻したの?」→「遅刻した理由は何ですか?」
「どうして、もう少し早く連絡できなかったの?」→「連絡が遅くなった理由は何ですか?」
こんな感じで使います。
いかがですか?
「なんで?」「どうして?」と質問されるよりも、ずいぶん、本音を話せそうな気がしますね。
実は、相手の反応は自分の投げかけ方次第です。
つい、相手を変えようと思いがちですが、自分が変われば、相手も変わるわけですね。
≪井上きき 役に立つ話 2015年10月1日号≫