新しい子どもたちや保護者との出会いからスタートする新年度。
担任保育士にとって、4月は緊張の多い月です。特に保護者との信頼関係を築くことは、1年間よりよい保育を行う上で重要となってきます。
今回は、保護者との信頼関係を築くために、4月のうちからやっておきたいことについてお話します。
⒈挨拶は基本
まずは基本の挨拶。保育園の朝はたくさんの子どもの受け入れがあり、保育園も保護者もバタバタ……。挨拶がおざなりになってしまう場合があります。
子どもだけでなく、保護者の顔を見て笑顔で「おはようございます。いってらっしゃい」と声を掛けましょう。元気な挨拶は、これから仕事へ向かう保護者のパワーになるはずです。
⒉情報共有は小さなことから
特に年度がスタートしたばかりの時期は、保護者との情報共有を丁寧に行いたいですね。「これって伝える必要あるかな?」と思うことでも、お迎えの際に伝えることで、「先生はこんなに丁寧に見てくれているんだ」という保護者の信頼感に繋がります。怪我や体調不良に関すること以外でも、子どもができるようになったこと、好きな遊びなどポジティブな情報も伝えたいですね。
⒊見えない姿にも目を向ける
送迎時や連絡帳でのやりとり以外にも、職場にいる時や家庭にいる時の保護者にも目を向けてみると、掛ける言葉が変わってきます。朝、眠そうな表情で時間ギリギリに子どもを送ってきた保護者に対し「なるべく朝の会に間に合うようにお願いします」と声を掛けるのか「最近、お仕事でお疲れですか?」とか「下のお子さんが生まれてから眠れてますか?」と声を掛けるのかで、その後の関係性が大きく変わってきます。
⒋お知らせ事は余裕を持って伝える
持ち物や健診、行事のお知らせなどは、余裕を持ってお知らせするようにしましょう。仕事で忙しい保護者は、園からのお知らせをうっかり見過ごしてしまったり、出欠の返事をし忘れることもあります。そういった可能性を視野に入れ、少し早めにお知らせするくらいの気持ちでいると、その後のやり取りがスムーズになります。忙しそうな保護者に対しては、個別に声を掛けて確認するのも良いと思います。
⒌謝る時は、アフターフォローまで
子どもが怪我をしてしまった時、遊んでいて服が汚れてしまった時など、お迎えの時に一言謝罪をすることが基本です。しかし、大切なのはその後のフォローです。例えば、かみつきのトラブルがあって痣ができてしまった子に対しては、翌朝の登園時にも「昨日は申し訳ありませんでした。その後、どうでしょうか」と様子を伺うようにしましょう。細かい配慮を積み重ねていくことで、保護者の心も次第にほぐれていきます。
保護者とよりより関係を築いていくことによって、その後、家庭での子どもの様子や親としての悩み事などをフランクに話してくれるようになります。また、行事や役員決めの際にも積極的に参加してもらうことができます。
子どもにも保護者にも心地良い保育を目指したいですね。
[wc_box color="secondary" text_align="left"]
佐藤愛美(さとうめぐみ)
保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。 保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。 |
[/wc_box]