保育所保育指針に記載された「5領域」は幼児教育の基礎となるものです。指針には、それぞれのねらいと内容が記載されています。
平成29年には、幼稚園教育要領、幼保連携型認定こども園・保育要領と共に改訂が行われ、より社会に開かれた幼児教育の要素が組み込まれています。
養成校で5領域を習ったものの、それ以降つい忘れてしまった……という方も多いと思います。今回は、5領域のおさらいをしましょう。
健康
子どもの健康および安全の確保がねらいである。
<内容>
友達と一緒に体を動かして遊ぶ。
身の回りのこと(着脱や排泄など)を自分で行えるようにする。
健康や清潔の意識を持ち、行動する。 等
人間関係
友達や保育者と関わり、自律心を育むことがねらいである。
<内容>
友達との遊びを通し、ルールを身につける。
人の気持ちを理解し、共感する。
地域の人々に関心を持ち、交流する。 等
環境
身の回りの自然物や事象(数や図形など)に興味を持つことがねらいである。
<内容>
身近な自然物に触れ、不思議さや面白さに気づく。
日本の伝統文化に興味を持ち、体験する。
数や事象を使った遊びを楽しむ。
言葉
人の話に興味を持ち、自分の気持ちを言葉で表現することがねらいである。
<内容>
絵本や紙芝居を楽しみ、想像力を養う。
自分が感じたことを言葉や文字で表現する。
友達や保育者の話を興味を持って聞く。
表現
感じたことを自由に表現し楽しむことがねらいである。
<内容>
絵や粘土遊び、工作などを通し、自由に表現する。
劇遊びや歌など、表現することを楽しむ。
以上が、子どもの育ちを5つの要素に分類したものです。保育におけるアプローチの仕方は一人ひとりの保育者によって異なりますが、指針に示されたねらいと内容を共通意識として覚えておく必要があります。
また、保育の活動の中で、ひとつの要素だけに着目するのではなく、それぞれの要素がバランスよく取り入れられるよう、アプローチの仕方を工夫しましょう。
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佐藤愛美(さとうめぐみ)
保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。 保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。 |
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