どんぐり、まつぼっくり、落ち葉など、秋の自然物を工作に使うと、味わい深い面白い作品が出来上がります。木の実や落ち葉は一つひとつ形や色が違うので、どれを使うか、どう組み合わせるかで作品の雰囲気も変わってきますね。また、お散歩に出掛けた時に自然物を集める活動も含めて子どもたちにとっては楽しい時間となります。
しかし、自然物は時間が経つと虫が出てきたりカビが生えてしまうので、適切な下処理をしておくことをおすすめします。
今回は、どんぐり、まつぼっくり、落ち葉の正しい下処理の方法についてお伝えします。
どんぐりの下処理
綺麗などんぐりを選別します。ひび割れや、穴が空いているどんぐりは捨てましょう。また、水に浮くどんぐりは、虫食いされています。
選別が終わったら、どんぐりを鍋に入れ、3倍の量の水を入れて煮沸します。どんぐりの中には虫が住んでいる場合があるので、熱して殺虫するためです。
小さい実であればは4分ほど、大きい実は10分ほど沸騰させます。煮沸する時間が長いとひび割れが起こりますので注意してください。
煮沸後は、風通しの良い場所で2—3日ほどしっかりと乾燥させます。ドライヤーの熱や、直射日光に当たると殻が割れてしまうので、直接日光が当たらない場所で時間をかけて乾燥させることがコツです。
参考記事
まつぼっくりの下処理
どんぐりと同様、まつぼっくりからも虫が出てくることがあります。そのため、使用する前にしっかりと熱を通す必要があります。薬品を使って殺虫する方法も効果的です。時間がない場合にはおすすめですが、子どもたちの手に触れるものなので、できるだけ薬品は使わない方法で処理をしたいですね。
まつぼっくりは、どんぐりと同様の手順を用いて、煮沸して乾燥させる方法の他に、お酢と水を用いて消毒する方法があります。
バケツ1杯分の水に、200ccほどの酢を入れて、まつぼっくりを30分〜1時間ほど浸すだけで消毒ができます。まつぼっくりが汚れている場合は、先に水洗いをして綺麗にしましょう。
消毒後は風通しの良い場所で十分に乾燥させます。まつぼっくりは乾燥させると傘が綺麗に開きます。この方法であれば、安全・簡単なので子どもたちと一緒に行うこともできます。酸性の水で手が痛くなることがあるので、ビニール手袋を使用しましょう。
落ち葉の下処理
まずは拾ってきた落ち葉を軽く水洗いします。ゴシゴシとこすったり、石鹸を使うのはNG。落ち葉の色合いや葉脈の美しさを壊さないように、やさしく洗いましょう。
洗い終わった落ち葉は、日光が当たり風通しが良い場所で2-3日ほど乾かします。落ち葉は湿気を吸いやすくカビが生える可能性が高いため、保管方法にもポイントがあります。
ビニールや段ボールに入れておくと水分が逃げにくいため、紙袋や麻袋に入れて保管することをおすすめします。また、洗濯バサミに挟んで風通しの良いところに吊るして保管すれば、オブジェにもなります。
秋の自然物を使って遊ぼう
下処理が終わったら、ぜひ様々な遊びや工作に自然物を活かしてください。おままごとの食材にしたり、クリスマスのリースやツリーを作ったり……。用途はたくさんあります。
ひとつひとつ造形が違う自然物は、子どもたちの想像力を高め、大人が思いつかないようなユニークな作品ができあがることも。触れて、見て、加工して楽しんでみましょう。
佐藤愛美(さとうめぐみ)
保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。 保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。 |