めぐみ先生の保育コラム

保護者が保育士に求めていること

 

子どもたちの保護者に対する支援も保育士の仕事の一つです。当然ながら、保護者にも様々な性格の方がいるため「このお母さんはちょっと苦手かも」ということだってあります。しかし、保護者の悩みに寄り添ったり、時には助言をしたり、プロとしての姿勢はいつも持っていたいものです。
今回は、私が保育の仕事をしながら感じてきた「保護者が保育士に求めていること」についてお話します。保護者の理想に100%応じることは難しいことですが、保護者と関わる上でのヒントにしていただけたら幸いです。

 

<h2◇プロとして子どもを見守ってほしい

健康や安全面への配慮は、子どもを他者に預ける上で第一優先事項です。悲しいことに、保育園での死亡事故が発生しているのも事実。プロとして命を預かり、病気や怪我などにも正しい知識を持って対応することが求められます。

 

◇子どもとの信頼関係を築いてほしい

初めて我が子を預ける保護者は、特に子どもの心理面を気にかけています。「この子、とても人見知りするけど大丈夫かしら」「家族以外とは遊んだことない」等、長時間にわたり我が子を預けるのは不安なものです。保育士が子どもにとって安心できる存在でいることが、保護者の安心にも繋がります。

 

◇育児の専門家としてアドバイスしてほしい

核家族世帯が増加している近年、育児について相談できる人が身近にいないと悩んでいる保護者は少なくありません。日頃のちょっとした悩みや不安について、専門家からアドバイスをもらって安心したいという方もいます。「お母さんはこうすべきです」と正解を示すというよりも、共に考え、その保護者にとってベストな道を探っていく・・・という寄り添い方が求められているような気がしました。また、医療や発達に関わるデリケートな内容は、安易に回答せず、主任や園長に確認してから答えたほうが良いでしょう。

 

◇共に育児をするパートナー的存在になってほしい

保育士は子どもにとって家族ではありませんが、時には家族と同じ目線で愛情を持って関わることが求められます。日々の成長を保護者と共に喜んだり、子どもが健やかに成長する姿を家族と一緒に見守っていくことが、精神的な育児支援になる場合があるのです。

 

◇時には仕事や家庭の悩みも聞いてほしい

保護者が悩んでいるのは子どもに関することだけではありません。仕事のこと、家族関係、自身の健康状態のことなど様々なことで悩んだり不安になる時があります。育児相談をしたい、というお母さんの話をよく聞いてみたところ、実はその背景には職場環境の悩みがあった・・・なんていうことも。育児、仕事、夫婦関係、健康状態など、すべては繋がっているので、子どもに関する話以外にも、柔軟に耳を傾けることで保護者への理解が深まるはずです。

 

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佐藤愛美(さとうめぐみ)

保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。

保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。

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