めぐみ先生の保育コラム

幼児教育における『アクティブラーニング』とは?

 

近年、『アクティブラーニング』という言葉に注目が集まっています。言葉自体は聞いたことがあるけれど、意味を知らない方も多いのではないでしょうか。
平成30年度より改定された保育所保育指針および、幼稚園教育要領、幼保連携型認定こども園教育・保育要領が施行されます。『アクティブラーニング』は今回の改定内容のキーワードにもなっているので、ここで一度確認をしておきましょう。

 

アクティブラーニングとは

アクティブラーニングとは、学習方法のひとつです。日本語に訳すと「能動的学習」という意味になります。すでに学校教育の中では導入が始まっており、今回の法令改定に伴い幼児教育の遊びの中でもアクティブラーニングの実践を図っていこうと決まったのです。
従来の教育方法は、技術や知識を習得できることに重きが置かれていましたが、児童たちの“自ら学ぶ姿勢”を育成することも課題として取り上げられたのです。

 

主体的・対話的・深い学び

アクティブラーニングは、「主体的」「対話的」「深い学び」という3つの視点を重視します。これまで行われてきた幼児教育でも、子どもたちの主体性を大切にし、環境や周りの人との関わりの中から学びが生まれるような働きかけが重視されてきました。
今後は、上述した3つの視点をもとに、子どもたちが主体的な活動の中で経験の幅を広げていくことができるような手立てを考えていくことが保育者たちに求められています。

 

アクティブラーニングの実例〜砂場遊びの場面から〜

 

 

<主体的>
「大きなお風呂を作りたい」というイメージを持ち、「5人くらい入れるお風呂」「シャワーコーナーもつけたい」「水を入れて本物のようにしよう」と自らのアイデアで遊びを展開していく。

<対話的>
友達と協力しながら穴を掘ったり、役割分担をして大きなお風呂を完成させようとする。また、自分がやっていることや思いを言葉で伝え合う。

<深い学び>
「掘った後に穴を固めないと崩れてしまう」「先に水を入れるとドロドロになって穴が掘れない」など、遊びを通して素材に関心を持ち、気づきを得る。

 

子どもたちの遊びを見守っていると、けんかが起こったり、イメージしていたものが出来上がらなかったり、時間がかかってしまったり、ということがよく起こります。子どもたちは長い時間をかけて、繰り返しながら学んでいきます。保育者は子どもたちが考えていることを理解し、受け止め、働きかけるだけではなく、時には見守ることも必要です。

 

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佐藤愛美(さとうめぐみ)

保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。

保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。

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